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【空力徹底】もてぎエンデューロ7時間ソロ②-レースを仮定する-
by: 佐野 隆

 

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◯もてぎ7時間エンデューロの詳しい情報はこちら→大会公式ホームページへ

 

◯前回のブログはこちら→【空力徹底】もてぎエンデューロ7時間ソロに挑戦①

 

 

今回は最適なペース配分を検証する予定でしたが、周回コースを用いたのエンデューロレースでは、様々なペースの集
団を形成しながらレースが進行する為、実際に考えられる集団走行(※)の状況を想定する。

※集団走行は他者の力を利用し、レースを有利に進める事が出来るテクニックのひとつで、省エネ、高効率な走行を求
めた場合は必須の条件となる。

 

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photo2.1:もてぎ7時間エンデューロGW2013(引用:http://www.cyclowired.jp/image/node/107402)
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photo2.2:もてぎ7時間エンデューロGW2013(引用元:http://www.cyclowired.jp/image/node/107402)

 

 

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fig2.1:単独走行と集団走行の出力対比

 

上記グラフから単独走は40km/h、複数人(2〜3人)走行は45km/h、集団走行では50km/hがほぼ同一の出力を示してお
り、巡航走行の目安となっている。
 集団走行(ドラフティング)の空力(エアロダイナミクス)については後日詳しく記述しますので今回は省略します。

 

自転車以外では

自然界でも他者の力を利用した見事なドラフティング技術を見る事ができる。

長距離を移動する渡り鳥は飛行中に見事なV字編隊を組むが、これは先頭の翼から発生した翼端渦という上昇気流を利
用した省エネ飛行をしている。その翼端渦を次々と後方のものが利用することで自然にV字飛行となっている。

先頭を飛行するものは推進力と揚力を同時に発生させているため、疲れてくると後方に下がり、二番目のものが自然と
先頭を飛行することになる。

 

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photo2.3:渡り鳥の中にも、あまり先頭を引かないで楽をするものはいると思う。 (引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/渡り鳥)

 

 

2 必要な要素

2-2 TSSの算出(集団走行時)

2-2-1 集団走行の速度

動画サイトなどでGWに行われた同エンデューロのペースを確認すると一周約7′00″〜7′20″で集団が形成されている。

 

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fig2.2:エネルギー算出のため簡易化したコースプロフィール

 

さらに詳しく各区間のタイムと速度を計測してみると

Lapタイム7′00″の場合

①0〜800m:1′00″/48.0km/h

②800〜1700m:1′46″/30.6km/h

③1700〜3000m:1′36″/48.8km/h

④3000〜4800m:2′38″/41.0km/h

 

Lapタイム7′20″の場合

①0〜800m:1′04″/45.0km/h

②800〜1700m:1′56″/27.9km/h

③1700〜3000m:1′40″/46.8km/h

④3000〜4800m:2′42″/40.0km/h

 

2-2-2 集団走行の必要出力とTSS

上記より集団走行時(※)の出力とTSSを算出すると

※空気抵抗を単独走時の60%と仮定する。

 

Lapタイム7′00″の場合

①0〜800m:190w/TSS1.3

②800〜1700m:272w/TSS3.3

③1700〜3000m:62w/TSS0.7

④3000〜4800m:198w/TSS3.6

 

Lapタイム7′20″の場合

①0〜800m:154w/TSS1.1

②800〜1700m:246w/TSS3.2

③1700〜3000m:42w/TSS0.5

④3000〜4800m:188w/TSS3.5

 

以上より

7′00″ペースでの集団走行ではTSS8.9(1周回)となり7時間後の累積TSSは534となる。

7′20″ペースでの集団走行ではTSS8.3(1周回)となり7時間後の累積TSSは475となる。

 

2-2-3 累積TSSと限界点

日頃のトレーニング内容から出力を維持出来るTSSはおよそ450前後なので、Lapタイム次第では最後まで先頭集団に
残れる可能性がある。

 

ただし、集団速度が安定しない場合や中切れ等で不要なインターバルが発生し、無駄脚を使うと一気にTSSが跳ね上
がる。したがって事前にTSSの限界点を設定する必要がある。

 

今回は現状のコンディションから判断して累積TSSが36(0.5時間毎)を超えた場合は、最終TSSが500を超える危険があ
るので、まだ余裕があってもオーバーペース(限界点)と判断し、潔く集団より撤退する。

Lapタイム7′00″ペースでレースが進行した場合、0.5時間でTSS38.1となり早々に見切りを付けないと完走すら危うい
状況となる。

 

2-3 必要エネルギー

次にポイントとなるのが「エネルギーマネジメント」である。

エネルギー切れになると、自動車の「ガス欠」状態となり、普通に走行することも不可能となる。

 

人間のエネルギー源のほとんどが糖質と脂質(一部タンパク質)から供給され、食事から摂取した糖質は、主に肝臓と筋
肉中にグリコーゲンとして、脂質は脂肪として体内に蓄えられる。

 

後者の脂肪は、体重60kg体脂肪率10%の成人男性であれば6kgも蓄えられ、およそ54000kcalのエネルギー源となるた
め、問題とされることはあまりない。

一方、グリゴーゲンは上記体型であれはおよそ2000kcalしか蓄えられず、しばしはガス欠の問題となる。

 

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fig:2.5:運動強度の増加に伴うエネルギー供給源の変化

 

脂肪の50000kcalを有効に使えれば良いのだが、脂肪を燃やし筋肉のエネルギーとして使えるまでには相対的に時間が
かかるため、高強度の運動になり多くのエネルギーが必要な状態になるほど、グリコーゲンが優先的に消費(※)されて
しまう。

 

※糖質と脂質の消費割合は、トレーニングによる「エコノミーの追求」による効率化で改善することが出来るが一般的
には月年単位の時間を要するため今回は割愛する。

 

このことより「エネルギーマネジメント」とは「グリコーゲンマネージメント」と言う事が出来る。

 

さらに詳しい内容は、以下サイトに記載されていますのでご興味がある方はご参考ください。

本気で速くなりたい人へ「じてトレ」HPより「疲労の原因、グリコーゲンの枯渇」

(引用元:http://www.jitetore.jp/contents/fast/tachiyomi/201301040630.html)

本気で速くなりたい人へ「じてトレ」HPより「筋グリコーゲン切れを防ぐ4つのアプローチ」

(引用元://www.jitetore.jp/contents/fast/list/season/201207040700.html)

 

 

3 能力
3-1 能力向上トレーニング
レースマネージメントの分析と同時進行で能力向上のため最後の悪あがきのトレーニングも行う。 
 
3-1-1 LSD
本番を想定したロング走を行い、設定TSSに対する疲労の状況を検証する。
今回は前半が追い風であったため速度に対し負荷が少なく心拍数も110程度であった。後半になると強度と疲労の影響
で如所に心拍数が上昇しているのがわかる。
 
 
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img2.1:シクロスフィア時系列画面
 

 

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img2.2:シクロスフィアサマリー画面
 
3-1-2 持久走〜テンポ走
 
3-1-3 インターバル
もてぎコースに似た登り区間(区間タイム2分/勾配3%)があるレイアウトの皇居周回を利用し、出力変化の大きいイン
ターバル走に順応する。
 
    

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img2.3:シクロスフィアの地図項目
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img2.4:シクロスフィアサマリー画面

  

3-2 能力の有効活用
3-2-1メーター表示設定
サイクルメーターは、高性能化が進み各種データ項目は能力の有効活用には今や欠かせない存在となったが大切な事は、
データの意味を理解し、重視する項目を精査することである。
 
今回は選択ページを「ペダリング」と「エネルギー」マネージメント画面として活用する。
 
 
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photo2.4:ペダリングマネジメント画面
 
 
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photo2.5:エネルギーマネージメント画面
 
 
 

3-2-2 累積TSS評価の補整

累積TSS評価の正確性を増すため、平均心拍数とペダリング効率の指標を用いる。

まず、心拍数は運動負荷に対する体の反応であるため、TSSとは一定の関係があるが、気象や体調などの要因に左右さ
れやすいので、評価指標として単独で用いる事はあまりしない。

 

TSSは出力の結果、心拍数は出力の過程を示した指標である。任意のTSSに対し心拍数が高い場合は通常より身体への
負担が大きい事となので、TSS評価を下方に補整する必要である。

 

日頃のトレーニングより以下の様に設定する。

TSS0〜100:平均心拍数132bpm

TSS0〜200:平均心拍数136bpm

TSS0〜300:平均心拍数140bpm

TSS0〜400:平均心拍数144bpm

 

次にペダリング効率は発生した脚力がペダリング運動に変換された効率を表し、心拍数と同様に出力の過程の指標であ
るため、普段よりペダリング効率が低い場合も、TSS評価に注意が必要である。

 

 

次回予定

3-3 機材の有効活用

4-1 ペダリングの効率化

4-2 エアロダイナミクスの徹底化

 

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