【スタッフバイク】益 子 暁 AMP B3
by: 益子 暁

 

※この記事は、越谷店のブログに掲載した内容を元に再構成したものです。

 

 

AMP RESEARCH 1997 B3(後期型)

 

 初めてフレームセットで購入して自分で組み立てた、思い出深い自転車です。

 

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 フレームカラーはスピードイエロー。

 

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 マクファーソン・ストラット式のリアサスペンション。ホイールトラベル量は65mm(カタログ値)。ダンピング調整は、ユニット後端の穴にアーレンキー等を突っ込んで回し、行います。

 

 

 

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 のちに一世を風靡することになる4バーリンケージは、ホルスト・ライトナーによるAMPが元祖。
 「AMP」の文字の上にある穴2つはディスクブレーキ台座。

 

 

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 独特の形状を持つサスペンションフォークは、AMP F3 XC。ストローク量は55mm(カタログ値)。自動車のダブルウィッシュボーンの向きを90度変えたような造りです。
 レッグはただのアルミの筒ですから超軽量。翌年にカーボンレッグ版も発売されました。

 

 

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 スプリングは色によってレートが違います。標準の黒よりソフトな、グリーンに換えてあります。

 

 

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 右側のみにダンパーが取り付けられています。

 ダウンチューブ側に付いているナットはプリロードアジャスター。

 

 

 

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 サドルバッグ・ボトル・携帯ポンプ・サイクルコンピューターなどのオプションを外した状態で、実測10.8kgくらい(ペダル・バーエンドバー込)。フレームが約2kg、フォークが約1kgです。
 

 

 

 

 【カーボンパーツを使わずに軽量化】

 

 と言っても、この頃選べたカーボンパーツはハンドルバーやシートポスト・サドル(レール)くらいだったかも知れません。カーボンは「値段が高いくせに所詮プラスチックの質感だから嫌」というだけの理由で不採用。

 

 

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 まずはサドル。これは、別に珍しくありませんがSELLE san marcoのCONCOR LIGHT(チタンレール)です。この前にもコンコールライトを付けていましたが、別の自転車に使ったので買い足しました。今では200g未満のサドルなんて普通ですが、昔は少なかったのです。
 ピラーは定番のTHOMSON。最初はCONTROL TECHを付けていたのですが、壊したので。

 

 

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 バーエンドバーなんて外してしまえばそれだけで100g以上軽くなるんですが、登坂の際に有るとやっぱり違います。トム・リッチーのエンドバーはシンプルな真円断面で丁度良い短さ。

 

 

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 Real CONPORNENTSのReal Levers。取付ボルトがチェーンリングボルトと同じ構造なのは、軽くする為に取付バンドを兼ねる本体がギリギリの薄さだから。リターンスプリングも省略されていますので、操作感はイマイチです。

 

 

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 Real Leversを選んだもうひとつの理由は、カンティレバーブレーキとVブレーキの両対応だから。ワイヤーのタイコを取り付ける場所を変えることで、レバー比をそれぞれのブレーキに合わせて変えられます。
 このレバーのお蔭で、前カンティレバーブレーキ・後Vブレーキという変則的な組み合わせも可能で、実際そうしていたことも有ります。

 

 

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 ブレーキはXTRのVブレーキ。
 最初はカンティレバーブレーキで乗っていたのですが、リアブレーキがあまりにも効かなくて換えました。

 

 

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 何故なら、B3のシートステイは こーんなに長くて細いのです。これがブレーキに負けて開いてしまうんです。

 

 

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 メーカーも承知していたようで、純正の「AMPブリッヂ」というブースターががオプションとして用意されていました。確かこんなんで¥5,000くらいしました。これでも不十分で、Vブレーキにしてからようやく満足な制動力が得られました。

 

 

 

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 ワイヤーリードはTWP(Two Wheel Peformance Productsの略。もう、思い出せなくなりそうなので書いておきます)。張り出しが少なく、特にリアのケーブルがかかとに当たりにくくて良いです。ライナーを持たず、裏はインナーむき出しなので組みつけたまま潤滑出来るのも利点。

 

 ところで、AMPはMTB用ディスクブレーキの先駆者的メーカーです。
自前の油圧ディスクブレーキをラインナップしていて、このフォークやフレームにもその為のディスク台座が付いています。但し、独自規格。AMPのブレーキしか付きません。そっちにしておけば、今頃もっと自慢出来た筈。

 

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 BBは、TANGEの何とか言うやつ(忘れてしまいました)。チタンシャフトです。

 

 

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 ハブはXTR(950系)。スプロケットもXTR(8速)で11-30T。こういう大事なところにはキワモノを使いません。

 

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 RITCEY Z-MAX MEGABITEの1.7です。細いのを使う理由は軽いから。あと、泥づまり対策です。青サイドの方が好きでしたが、傷んでしまったので黒に。これも、そろそろ限界かも。最近1.5~1.7のXCタイヤが無いのでどうしましょうか。

 

 

 

【黒い部品を使わずに見た目も軽く】

 当時は、カラーアルマイトの流行も落ち着き、黒い部品の人気が高まりつつありました。シルバーが当たり前だったハンドル・ステム・シートピラー・リム等に続々とブラックがラインナップに加わってゆきました。私が入社した頃は、ブラックスポークへの組み換えという御注文も多かったことを覚えています。
 でも!自転車の部品はピカピカがいちばん!というアマノジャクな私は極力ブラックを排して部品を選んでおります。

 

 

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 TIOGA DL7000ハンドルバー。ものすごく肉薄なアルミニウムで、バーエンドバーを締め過ぎたら変形しました。付けちゃダメなのかも。バーエンドキャップも普通のものではスカスカで抜けてしまいます。ATIのチタンハンドル用という太めのキャップを入れています。

 

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 CONTROL TECHのステムはお気に入り。このブランドは今も残っていますが、この当時のものはMADE IN USAです。後期型なので、ハンドルクランプ部に肉抜きの丸穴が開いてます。初期の穴無しは別の自転車に使っています。

 

 

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 RACE FACE TURBINE LPクランク。軽くて強くて美しいので、これももうひとつ持っています。

 

 

 

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 チェンリングはXT(8速用5アーム、PCD94-58mm)。XTRだとPCD110mmでギア比も重くなってしまうので。そしてXTRはシルバーじゃないので。
 クランク取付ボルトはDURA-ACE。チタンの割に安いのです。チェンリングボルトはSRPのアルミ。

 

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 WTB POWER BEAMというリム。398gとかなり軽めです。「WTB DESIGN」と書いて有るのはOEMだから。どこが作っているかというと、日本のUKAIです。

 

 

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 星の15番ステンレススポークに星のアルミニップル。プラスチックの方が軽くても、A&Fのアルミバルブキャップを。全部シルバーです。リムナットは、米式バルブ用リムに仏式バルブチューブを使う為の段付きナット「NTスペーサー」。何故だかある時期だけアルミ製のものが出回っていました(本来は鉄製)。これが、それ。本当に軽くしたいならナットなど取ってしまっても良いのですが、実用性や整備性を犠牲にしない主義。

 

 

 

 

【グリップシフトで重量を軽く、変速動作も軽く。】

 

 

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 軽量バイクに欠かせないグリップシフト。シマノディレーラー対応のATTACKです。操作感もグリップシフトが好きなんですが、すっかり廃れてしまい残念です。
 ATI LINKSグリップはあんまり軽く有りませんが、太さとパターンと弾力の具合が好みにぴったりなので愛用しております。グリップシフトとの相性もばっちりです。あと2ペアしか予備が無いので困ります。

 

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 この年式のB3はフルアウター仕様なのでバスワーム(ケーブルの動きを補助する部品)が付きません。そこで、リアディレーラーのスプリングをSIDE TRACKのもの(線径が太い)に交換して強化。

 

 

 

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 リアディレーラーのワイヤーは、アウターごとチェーンステーの中を通っています。取り回しがやや窮屈ですので、
 

 

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 ヒラメ変速バナナを使います。スムーズな動作が維持出来る他、アウターやアウターキャップ・アジャスターの破損を防ぎます。軽量化に反しますが、実用優先で。

 

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 BULLSEYEのアルミ製プーリー。銀色の部品が好きですが、ここはいけません。シルバーアルマイトのCONTROL TECHプーリーを付けたことが有りますが、使うことなく元に戻しました。いかにも「いぢってあります」的な雰囲気になってしまうのは頂けません。

 

 

 

【補修部品を確保】

 

 気に入ったものを出来るだけ永く使いたい。その為の備えが、こちら。

 

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 新品のシートステーです。何故これの予備が必要かというと、ディレーラーハンガーと一体だから。かなりの厚みが有りますから、ハンガーが曲がることはそうそう無いとは思いますけれど。イマドキの自転車では当たり前の、リプレーサブルハンガーは採用されていないのです。
 この部分を含むAMP B3の後三角を通称「AMPバック」と言います。AMP RESEARCH以外のメーカーでもAMPバックを使った自転車がいくつも有りました。タイタスとかダガーとかオオタケとかティグとか・・・・・・。

 

 

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 中古のF2フォーク。「AMP」のロゴが縦書きです。

 クラウンから生えているのはカンティレバーブレーキ使用時のアウター受。ボルトで脱着出来ます。この写真に写っている他に何故かあと2つも持っています。

 ブレーキ台座が2組も付いていて気味が悪いのですが、上のはF4フォーク用のブレーキ台座を後付けしたもの。700Cのホイールを付けてみる試みをした名残り。

 

 

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 ステッカーは、本当に単なるステッカーです。これの予備を2台分持っています。オールペンしてもロゴを復元出来るようにと買ってあるのですが、出番が来る前に糊がダメになりそうです。

 

 他にも、リアのダンパーとかそれを開けるための純正工具(治具)とかも持っています。前後ともダンパーのオイル漏れがし易いのでオーバーホールに必要です。

 

 

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 上の記事を書いてからまた4年が経ち、うちのB3は二十歳になりました。久し振りに乗ってみるとしますか。

 

 これだけ予備部品を用意していたのに、26インチホイール(しかもリムブレーキ対応じゃないとダメ)が

絶滅危惧種になるとは当時考えもしませんでした。タイヤも種類が減りましたねぇ。

 それ以上に危機感を抱いているのは、PCD94/58mmのチェーンリングが8速も9速も入手困難になっていること。んー、どうしましょうか。このPCDの自転車6台も持っているのに・・・・・・。

 

 それはさておき、旧いマウンテンバイクを展示していると、お客さまやお取引先さまから何かと反応を頂けるものですね。きょうも懐かしいお話を伺うことが出来ました。

 

 

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東大和店 益子でした。

 

 

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