【脱ビギナー⑧】トレーニングは俯瞰的に【ロードバイクで巡行30km】
by: 永平 宏行

脱ビギナーバナー

 

 

 

 

世に広まっている

「ロードバイク、脱ビギナー」
の基準。

 

 

 

 

時速30kmで巡行

 

 

 

 

達成をターゲットに、

 

 

 

 

「ロードバイクで
 速くなる方法」

 

 

 

 

を、お節介にも全8回の連載でご紹介するブログの最終回です。

 

 

~シリーズリンク集~

 

①速さは何で決まる?

②走りのベース其の壱・フォーム/ポジション

③走りのベース其の弐・ペダリングスキル

④走りのベース其の参・ライディングスキル

⑤ちょっとの努力で速くなろう!

⑥フィジカルのベース、低強度・長時間

⑦ブレイクスルー!高強度・短時間

⑧トレーニングは俯瞰的に

 

 

 

 

今回は、連載の本題「フィジカル強化」の補足編、

 

 

 

 

トレーニングを
俯瞰的に捉えること

 

 

 

 

 

についてのお話です。

 

 

 

 

トレーニングを進めるにあたって、目の前のメニューだけを気にするようになってしまうと、長い目で見た時に、トレーニングが目標達成コースから逸れてしまう事があります。

 

 

そんな「回り道」を回避するためのいくつかの方法をご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 

いつも【目的・目標・手段】について考えよう

 

 

 

 

 DSC_7446

 

 

目的が漠然と「今よりも速くなりたい」であれ「レースで入賞」であれ、目的が決まったら、目的を数値化した「目標」と、それを達成しうる「手段」を設定しましょう。

 

 

今回の連載なら、
「今よりも速くなりたい」が目的
それを数値化した、
「30km/hで巡行」が目標
それを達成するための、
「最大心拍数の70~80%でのペース走」が手段
です。

 

 

 

 

目的・目標・手段が決まったら、いつもそれについて考えを巡らせてください。


「これって目的に向かって正しく進めてるかな?」
「今日のライドはペースが守れたかな?」
「今日のライドは少しペースを緩めすぎちゃったな…反省」
「今日は体調がすぐれなかったから心拍は低かったけど、ペダリングの意識を強く持てたから良しとしよう」

 

 

といった具合です。
こうした自問自答を繰り返すことで、ゴールへ向かってぶれずに進むことができます。

 

 

ホッシー表彰台

 

 

 

 

そして何より、目的=モチベーションのはず。
常に自身のモチベーションを高める意味でも、目的・目標・手段を意識して考え続けることが大事です。

 

 

30km/h巡行は比較的誰でも達成しやすいので不要と思いますが、達成可能かギリギリな高い目標の場合は「紙に書いていつも目につくところに貼っておく」のも古典的ですが良い方法です(*’ω’*)

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 

 
トレーニングを俯瞰するために
【長期・中期・短期の計画】を立てよう!

  

 

30km/h巡航を目指すなら、細かい計画を立てなくても、ひたすら数か月コンスタントに目標強度で乗り込めば基本的に達成できますが(^^;、もう少し高いゴールを目指す場合は「期分け」(長期・中期・短期の計画)についても考えるべきでしょう。ピリオダイゼーションとも言いますね。

 

 

期分けイメージ

 

 

中間目標をいくつか設定し、それらをひとつひとつクリアすることで段階を踏んでゴールに向かう訳です。いきなり高いゴールには到達できません。目の前の小さなゴールをクリアしながら、最終目的を見据えて進んでゆきましょう。

 

 

 

 

もう少し具体的な話をしますね。

 

 

長期計画(マクロサイクル)
トレーニングのスタートからゴールまでの全体像。目的は何か?スタート時点の実力はどの程度で、ゴールの目標値との差はどのくらいか?という全体像を把握します。長期計画は通常数か月~半年程度、長くても1年のスパンです。
 

 

 

 

例えば…

 

 

  • 目的半年後のヒルクライムレースで上位10%に入りたい!
  • 現状去年の成績は上位30%でフィジカルは今日まで横ばい
  • 目標目的達成のためにはパワーウェイトレシオ(体重1キロあたりで出せるパワー)を0.7w/kg上げる必要があるから、体重を〇kg減らすか、FTPのパワーを〇ワット上げるか、その両方を寄せて行くか

 

 

期分けイメージ4

 

 

 

 

中期計画(メゾサイクル)
長期計画をいくつかに分けたもの。通常1ヵ月単位で設定することが多い。長期目標を達成するための段階を踏んだ中間目標を設定する。通常、最も大きな単位で「基礎」「強化」「ピーク」「レース」という4つの期分けをし、それぞれの期で達成すべき目標と、各期にどの程度の時間を割くか設定する(必ずしも1か月ではない)

 

 

期分けイメージ2

 

 

また、後段でご紹介する「積極的休養」も定期的に組み込み、効果的な回復・成長を促す。通常1か月の内、トレーニング3週間に対して積極的休養を1週間、というリズムで取り入れる。

 

 

 

 

【メゾサイクル設計の一例】

  • 基礎期(3か月):初めはベース作りのために低強度で距離を乗り込もう。2か月目からは中強度も加えよう。3か月目からはSSTも取り入れよう。
  • 強化期(2か月):ベースの上に「強度」を乗せて行こう。1ヵ月目はFTP強度重視、2か月目からはL5・L6も加えよう。
  • ピーク期(1か月):レースで現状のベストを出すために、強度を維持しながら、練習ボリュームを減らして疲労を抜く「調整」期間に入ろう。
  • レース期:ピーク期で調整した「高いフィジカル」と「フレッシュな体とメンタル」でレースに挑もう!

 

 

 

 

短期計画(ミクロサイクル)
中期計画を1週間単位に分け、1週間の中の具体的なトレーニングの頻度とメニュー・時間まで落とし込んだもの。

 

 

期分けイメージ3

 

 

  • 1週間の中でトレーニング出来る日:水曜、木曜、日曜
  • 平日(水木)のトレーニング
    朝か帰宅後に室内トレーニング1時間、もしくは通勤ライド(内容は各中期計画によって変化)
  • 日曜のトレーニング
    3時間~4時間を目安に。ロングライドで脂肪燃焼を促しつつ、峠のTTでレース強度のトレーニング。峠TTは模擬レースと考え現状の能力を把握。峠へのアプローチ区間を耐久走~テンポ走レベルにすることで、ベースアップが期待できる(内容は各中期計画によって変化)

 

 

 

 

と、こんな感じです。

 

注意点としては、計画通りに進まないことも多いので、都度軌道修正をする、当初計画に縛られない、という点です。

 

 

前段で書いた「いつも目的・目標・手段について考えよう」がこれにあたります。仕事や家庭の事情、体調不良等、計画外のイレギュラーは起こりうるので、計画通りにガチガチにやろう!ではなく、いつでも変更を受け入れる気構えで気楽に、俯瞰的に全体像を捉えて頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 


 

  

 

 

 

 

【休養】もトレーニングだ!

 

 

「休んで体が鍛えられるか!」って言われそうですがw 確かに「鍛える」には体を動かす必要がありますが、体を「成長させる」ためには積極的に休む必要があります。ハードなトレーニングを繰り返していると、疲労が累積し、日次単位の休息では回復が追い付かなくなるためです。

 

 

そんな累積疲労を、1ヵ月に1週間組み込んだ
「積極的休養」
の週に休むことで、元の状態に戻すだけにとどまらず、トレーニング負荷に順応した「成長」状態まで引き上げます。

 

 

いわゆる「超回復」です。この週の運動は短時間の「アクティブリカバリー」程度の軽いものにとどめておきましょう(主観的運動強度は「楽だ~ほどほど」レベル。パワトレ指標はL1~L2

 

 

期分けイメージ5

 

 

 

 

このサイクルを繰り返すことで、階段を登るように

 


「負荷を与える」
⇒「回復・向上」
⇒「一段上げた負荷を与える」
⇒「回復・向上」
⇒「さらに一段上げた負荷を与える」

 

 

…以下繰り返し
というように無理なくフィジカルを向上させることができます。

 

 

 

 

休養そのものではありませんが、食事も回復に大いに影響します。食事は「体の材料」すからね。3度の食事の中で「5大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)」のバランスを整えるのはもちろん、それだけで足りない場合は、サプリメントも活用して体調の維持管理、回復・成長に役立ててください。

 

 

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基本は主食・主菜・副菜のバランスのとれた食事で!

 

 

 

 

特に、ハードなトレーニングをすると傷ついた筋肉の補修のために通常の生活時以上の多くのタンパク質が必要となります。赤身の肉・魚、卵、大豆製品、乳製品など、タンパク質を多く含んだ食材を意識的に摂りましょう。
※通常体重1kgあたり1g程度必要ですが、定期的なトレーニングをしている場合は1.5~2g弱が必要と言われています。特に減量期は多めに必要です。

 

 

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脂質の少ない鶏のささ身・皮無しのむね肉や、魚は減量期にも好適

 

 

 

 

足りない分はプロテイン等で補いましょう。糖質と一緒に、運動後30分以内の摂取により効果的に吸収されると言われています。翌日の筋肉痛を抑え、トレーニング効果を最大化するためにも、体の材料を最適なタイミングで摂取しましょう!

 

 

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休養の副次的効果としては、トレーニングにより低下したメンタル(モチベーション)の再充電も挙げられます。

 

 

苦しいトレーニングばかりだと
「もう自転車なんか見たくない!」
となりますが、
積極的休養の期間、あえて意図的に自転車から離れることで
肉体だけでなくメンタルもフレッシュな状態
になり、次のメゾサイクルで再び充実したトレーニングを行うことができます。いわゆる飴とムチですね(;’∀’)

 

 

1802miura-1-1

 

「もっと自転車に乗りたい!」ってウズウズするぐらいが丁度いい。

 

 

 

 

「楽しい」という気持ちから始めた自転車。
いつまでも「楽しく」乗り続けたいですね♪

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

【あとがき】

 

 

この連載、意図的にふわっとした

 

 

 

 

 

 

ロードバイクで30km/h巡航

 

 

img_0442

 

 

 

 

をテーマにして、
意図的に

 

 

 

 

 

 

あえて方法論

 

 

 

 

 

から入っています。

 

 

 

 

理由は、
「こんな(簡単な)方法で
速くなれるならやってみようかな?」

と、興味を持って頂きたかったからです。

 

 

 

 

 

 

普通は、

 

 

レース成績等、具体的な目的・目標の設定

 

 

から入る訳ですが。

 

 

「30km/hで巡行」という通常なら「手段」として扱われるものが、ビギナーの方にとっては立派な「目標」だと思い、あえて具体的なレース成績等ではなく、ふわっとしたこのテーマを選びました。30km/h巡行ができない方々は、レース成績なんてまだまだ恐れ多い…と考えているはずですから。

 

 

 

 

でも、ふわっとしたテーマに方法論から入って興味を持ってやってみたら、

「意外と簡単だった」
「効果が出てびっくりした」
「速く走れるようになって、前よりも自転車が楽しい!」
「もう少しハードなことにも挑戦してみようかな」
なんて、
「こちらの目論見通り」(^^;
の展開になってくれたら、嬉しい限りです。

 

 

 

 

自転車は色々な楽しみ方があって、速くなるだけが正義ではありませんが、多くの方にとって大きなモチベーションであることは間違いありません。年齢を重ねても、工夫次第で若者や、去年の自分に勝つことだってできるスポーツです。

 

 

そして、
いつか速さを求めなくなっても、走り込んで体得したスキルは消えません。
生涯スポーツとして、これからもず~っと楽しんでくださいね!

 

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

このブログが、脱ビギナーの関門、

 

 

 

時速30kmで巡行

 

 

 

 

を突破するお役に立てれば幸いです。
この関門を突破できれば、ロードバイクで

 

 

 

もっと速く、もっと遠くへ、もっと楽しく

 

 

 

行けるここと思います。
楽しく、気持ちいいロードバイク。
脱ビギナーを果たして、
これからもず~~っと楽しんでください!

 

 

DSC_5591

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【脱ビギナー、30km/hで走る!
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②走りのベース其の壱・フォーム/ポジション

③走りのベース其の弐・ペダリングスキル

④走りのベース其の参・ライディングスキル

⑤ちょっとの努力で速くなろう!

⑥フィジカルのベース、低強度・長時間

⑦ブレイクスルー!高強度・短時間

⑧トレーニングは俯瞰的に

 

 

 

 


 

 

 

 

 

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