2015/11/11 02:41
ツール・ド・おきなわ市民210km
なかなかの長文になっております。
しかも私のつたない文章ですのでご勘弁ください。
【前日】
空港にて
左から右にいくにつれ輪行袋・ケースのランクが下がっていきます。
私のはどれでしょう?
・・・
・・・
正解は、これデシタ。
布切れ一枚だけで大事なレースに臨む。
今考えるとちょっと恐ろしいですねぇ。
ゴォーっと飛行機で。
那覇到着後の我々の機材車
これで名護まで移動です。
【ツール・ド・おきなわ市民210km】
レースに興味がある方なら誰もがその名を聞くであろう【国内最高峰】のレースです!!
今年の210kmに関しては、昨年よりも100名程減り350名未満の参加となりましたが、その集団が時速50km/hで町の中海岸沿いを駆け抜けていくのはもうツールの世界そのものです。
他にも色々な距離、年齢別のレースもあったりで、このイベントの参加者は4500人にもなり、大変盛り上がります。
【当日】
さてレースですが、
前回の反省を活かし、今回は前列の方でスタートできるように朝早くから場所取り開始です。
ホテルを出たときは午前5時過ぎ
朝6時前には到着し場所取りを始めてました。
辺りはまだ真っ暗。。
前日は枕があわずなのか全く寝付けず・・・眠い。
スタートは7時45分です。
完全に夜明け前
朝日が昇ってくるのをバックにいよいよスタート。
早く並んだ甲斐あって前の方でスタートを切ることができました。
ちなみに今年は去年と違いピーカン照り。
完璧な晴れとなりました。
暑いじゃないです
猛暑です!!
そしてスタートしてから約70km地点、山岳に入るまでが一番集中力を要します。
無事来れたなら最初の難関クリア。
そこまでにブレーキやら、中切れやら、落車やらで神経と脚をすり減らしていくのです。
(シクロワイアード様より)
今回もやはりいろいろ起こっておりましたが、前回と違い後方から上がれない
。。。なんてことのないように前方側でのスタートでした。
後ろに下げられても、脚を使ってでも前へ上がる走りを繰り返しました。
(シクロワイアード様より)
私のすぐ近くに永尾店長がいらっしゃる!
位置取り上手い!!
途中、後ろから上がってくる選手とハンドルが絡まりかけ、あわや落車になりかけましたが、
予想していた事態でもあったので事なきをえました。
心臓に悪すぎる。
そしてなんと私、
前半でいきなり市民210kmの先頭を牽く
いや、
牽かせて頂くというというとんでもないことをやってしまいました。
レース歴において震えるくらいの大事。
この最高の舞台の先頭を牽く。。。信じられませんね。。。
山岳前にチームメイトのよこやんと村松さんの姿を確認。
永尾店長はむしろ私よりも前にいる(笑)
山岳に入ってからはマイペースですが常に先頭を視界に入れ、徐々に差を詰めて、
頂上を通過するときには先頭集団におりました。
(昨年は山岳に入った時点で全体の後方に位置し、先頭集団まで上がっていくことすらできませんでしたので)
この時点でチームメイトの姿が見えず。
1回目の給水ではボトルを2つ。
暑すぎて汗の量が半端ない。
そこからの下り。
昨年から技術を見直し、名だたる強豪選手に遅れることもなく1回目の山岳を無事終了。
そこからのアップダウンと海岸線沿いのストレートは、個人的には素晴らしい展開と経験になりました。
最強サラリーマンレーサー様、これまでの優勝者たち・・・名だたる強豪選手と先頭集団を形成し、
ローテーションを回し、ここでも先頭を何度も走る。。。汗
おいおいホントか。
ここでローテを回していたのは、3~40名いるうちの私を含め10数名ぐらいだったんじゃないでしょうか?
もっと上手く力を温存してもよかったのかもしれませんが、こんな機会そうあったもんじゃないですからね。
周りからは
「誰やねんコイツ」
ぐらいでしか思われてなかったでしょうが・・・
ぶら下がってるだけでなく展開に絡んでいきたかったのです。
しっかりと前を走らせて頂きました!!
私的にこれは素晴らしい経験で、
アップダウンでも、平地でも遅れず、むしろ先頭集団の前方で展開しておりました。
これまでで最高の展開です。
周りは聞いたことのある強豪がたくさん。
そんな中でも最強サラリーマンレーサー高岡選手の動きの無駄のなさ。
滅多とない機会ですので、高岡選手の動きを観察し、ペースを上げてくると反応と着目しておりました。
ペースをあげるのも無駄のない自然なダンシング、しかもアウター。
こっちは回転で回して回して追いつく形。
周りも同じタイプもしくは頑張って踏んでる。
人それぞれフォームが違うので一概には言えませんが、
一人だけ強さの次元が違う感じ。
王者というオーラがあるように見えました。
そうこうしてる間にもレースは進んでいき、
不意に上りでダンシングに移行しようとしたとき
あ!!!
なんか攣る予兆あるかも。。。
Mag onほり込んで補給。
セーフ。(あぶね~)
そして2回目の山岳。
ここで更に先頭集団がふるいにかけられ、絞りこみがいよいよ始まります。
一旦、先頭集団との間があくのですが、
今日はギアのかかりがよくペースで走り追いつくことができました。
私を含め先頭集団は20数名にまで絞られ2回目の山頂へと。
これはこれは面白くなりそうだ。
そんなことを思いながらの2度目の給水ポイント。
ここでボトルを受け取った瞬間、
ボコッ!!
両足に虫が蠢いているような感覚・・・
な、なんと、同時に攣ってしまったのです。
なんでこんなとこで攣ってしまうのじゃー!!!!!!
この時受け取ったボトルは3つ。
痙攣と3つめを背中に詰め込むのに手惑う。
これが先頭集団の前、もしくは真ん中ならよかったのですが、私はこの時ほぼ最後尾におりました。
集団との差が開いてしまい、まもなく下りへと。
もうちょい待ってちょーだい!
そんな戯言的思いも虚しく、私一人を残し先頭集団が下りに突入。
後ろは。。。
来ていない。。。
残り90km近くを残し単独になってしまいました。
マズイ。
ヒジョーにマズイ。
前がいないのでほぼノーブレーキで下ったのですが、
集団との速度差は大きく差が広がっていきます。
この差は平地になると更に圧倒的な差となっていきます。
そうこうしてると再び脚が攣りペースダウン。
すると後方からパワー系ライダーがお一人。
この方とパックで走っているとまた一人。
前年度上位の選手!
んー。
国内最高峰210km。。。何が起こるかわかりませんねぇ。
そこからまたこぼれてきたお二人様をパックに加えゴールを目指します。
痙攣は騙し騙しで何とか抑えつけてる状態。
大変、ピンチでございますが、
このメンバーが非常によくてローテーションが綺麗に回る。
といっても先頭集団からこぼれたメンバーなのでペースは上げれませんが。
(この時パックで走られた方のゼッケン番号は覚えてますが今回は割愛。
この場でなんですが改めて、いいパックでした。)
攣り対策でMag on を5本持っていきましたが、攣りは取りきれず。
そのあと残り60kmあたりからは苦行の始まり。
さらには
まず背中が爆発しかけ。
次に股ズレを起こしお尻と股関が八つ裂きの刑。
そこに繰り返されるアップダウンに猛暑。
追い討ちをかけてくる痙攣。
前から落ちてくる同カテゴリーの選手、後ろから追いついてきた4名程を含み10名程に増員。
残り30km、形成された第2集団のペースがあがる
踏み込んだ瞬間。
あかん!攣る!!
ちゅーか!攣った!
私を含め4名程がリストラ。
まだまだ続くアップダウンがもはや死路にしかみえない。
残り20km
目の前に広がるは恐ろしく長く高い橋。
ここで再び大きな痙攣。
もうバイクを降りなきゃヤバイ。
最終手段、ゼッケンを止めてる安全ピンを外す。。。
針を脚にブスッと。
痙攣の電気信号を遮断するという自虐行為(医学的根拠があるかは知りまセン。)
にて何とか、ホントにギリギリのところでクランクを回してる状態ですね。
完全に一人。
ここからはもはや気力のみ。
(道路にがんばれとうメッセージが書かれている
そして、虫の息状態の選手たちに沖縄の人たちの熱い声援が届きがんばれる。
この一体感。いいなぁ~と。)
更に続くアップダウンを瀕死で越えて最後の関門通過。
市街地に帰ってましたが、丘程度ですが上りがあります。
これがまたきつい。。。
痙攣よりも、もう腰と股間の痛みが限界でアリマス!
早く帰りたい!!
残り5㎞:
前方に1人見える。後ろには集団が来てる。
追いつかれるのがはやいのか?
私がゴールへ飛び込むのがはやいのか!?
徐々に前方との差が縮まる。
後ろとも。
前方の選手を捉える。
・・・!!
まさかの板子選手!
(2013ツール・ド・おきなわ市民100㎞優勝、2014大台ケ原HC総合優勝、2015全日本選手権完走)
私より明らかに格上の選手が・・・。
何度も書いてますが、これが210㎞のレース。
去年もですが今年も何が起こるかわかりませんね。
そのまま2人でゴールまで向かう・・・
残り100m
後ろからやってきた別カテゴリー集団に抜かれ、ヘロヘロでスプリントらしき動きをしながらゴール
Time:5時間49分10秒
そして順位は26位
最後の最後で失速していったので、50位くらいかと思ってましたが、これはこれは想像以上の順位。
この市民210kmにおいて上位入賞常連のような強豪を除き完走すら称賛に値すると思っております。
それくらい過酷な210kmなのです。
獲得標高も3000mなんて余裕で越えてしまうのですから。
市民日本一決定戦、出場選手のレベルも高い。
今年の完走率は44%程、昨年より完走率は上がってはいますが変わらず厳しいです。
攣らなければどうなってたかなと一瞬振り返りそうになりましたが、
体調管理、対策、そんなこと全てを含めてのレースですから、そんなことを考えても無意味ですね。
それより毎年攣ってるのでそこを改善した方がよさそうです。
また色々勉強して参ります。
レース終わってゴールしてバイクから降りた瞬間、なんとか抑えつけてた?
痙攣が一気にやってきてその場から動くことすらできず。
背中もお尻もバキバキ。
満身創痍でござる。
ツールの選手はこんなのを3週間。。。
化け物ですな。
一緒に参加したチームメイトのよこやん、関東から村松さん、平城さん、永尾店長、
そして毎年ご一緒させて頂いているIさん お疲れさまでした。
これにて私の2015年度のレースは終了です。
ご声援頂いた皆様、チームメイトの皆様、本当にありがとうございました!!
感謝致します。
そして
明らかに私のバイクというか、CDJビッグプーリーがついているバイクの駆動抵抗は軽減しているかと思われます。
踏めないときにこそ駆動抵抗を減らし、回せた。これを使用する為のリドレーでもありました。
これをつけて走ることは私の自信でもあります。(ないに等しい自信ですが)
あ。
来年の実業団はポイント不足でE2に降格してる可能性大です。
安全ピンで刺した脚は今、内出血を起こし歩くことすら痛い状態です。
真似はなさらないように。