2012/01/14 12:21
これはニュージーランドを旅していた時の出来事(南島:MOTUEKA)。
アップルの名産地MOTUEKAはシーズンになるとフルーツピッカーが街に溢れます。フルーツピッカーとはオーチャード(果樹園)でピッキング(果物の摘み取り)の仕事をする人達のこと。
フルーツピッカーは非常に競争率が高く、自信を持って自分を売り込まないと仕事にありつくのは難しいです。私は自転車で旅してきたサイクリストで体力に自信があり、タフで働き者と売り込み何とか採用になりました。おかげアップルのシーズンオフまで約10週間働いて旅の軍資金を稼ぎました。
アップルピッキングの手順は、大きな籠をお腹の前に置き肩から吊るします、摘み取ったアップルを傷つけぬよう丁寧に籠にいれる。籠がいっぱいになったら大きな木箱(幅1.8m×奥1.2m×高1.2m位)にアップルを移します。この作業を繰り返し、木箱がいっぱいになったら、また、次の木箱へといった作業です。
さて、気になるお給料ですが、歩合で週に1度支払われす。大きな木箱一杯のアップルでNZ$25(約¥1,875)、税金を引かれるとNZ$20(約¥1,500)です。当時の為替レートはNZ$1が約¥75でした。
初めのうちは1日頑張って2箱(約¥3,000(手取))が精一杯でしたが、研究に研究を重ねて1日に最高7箱(約¥10,500(手取))まで取れるようになりました。その秘訣は①片手から両手、②アップルのヘタに指を添える、③手首に回転を加える、④初めに手の届く所から取り残った所をハシゴにのって取る、⑤ハシゴの位置を考える、⑥籠をベストな位置に再調整する、⑦指にテーピングをする.....といった感じで思いついたことは些細なことでも試して速く取る方法を研究しました。稼いだ額は10週間でNZ$5,000(約¥375,000(手取))でした。
また、日曜日はフリーマーケットで要らない服や小物と字を書いてを売りました。良く売れたのは、現地の人の名前をアルファベットから無理やり当て字で漢字にしたものです。値段は名前が1枚:NZ$1、日本語のメッセージが1枚:NZ$1でした。墨をするところからパフォーマンスし、漢字1文字ずつの意味を説明してあげるといった感じです。もともとは異文化交流をしようと筆と硯を持って行ったのですが、全然それを使うきかいがなくフリーマーケットで売っていたのですが、その使い方として字を書いたのがきっかけです。
あるとき、いつものように漢字で名前を書いていると、全身タトゥーだらけのマオリの男性が娘の名前をタトゥーするから漢字で書いてくれというのです...(これはきちんと説明し丁寧にお断りしました)。
他にも要らない物はツーリングがてら50km離れた隣り街のNELSONにあるセカンドハンドショップ(日本でいうリサイクルショップ)によく売りに行き、帰りに大きなアイスクリームを食べるのが楽しみでした。
2012/01/14 大宮 淳. (国際ツーリングアドバイザー)