2020/10/10 08:21
当ブログをお読みの皆様こんにちは!
神楽坂店の藤平です。
YAMAHAから出た期待の新型E-MTB
先週末に当店で試乗会を開催し
ご好評をいただきましたが
もちろん当店のスタッフも乗りましたので
インプレッション的な事を。
ライダーのプロフィールとしましては
体重56kg程度の軽量級で
普段は29erのXC系ハードテイルMTBなどに乗っています。
まず乗車前に持ち上げてみます。
車重は24kgオーバーという事で
ズッシリとした重さは感じるのですが
重心がしっかりとセンター付近にある事と
低重心な事が相まっているので
カタログスペックよりはかなり軽く感じます。
車体を押して歩いていても安定感がありますね。
(※ハンドル幅的に歩道は走行NGです)
フレーム形状的に担ぎには向いてませんね
掴む場所が無いです(笑)
初乗車で最初に感じるのは跨りやすさ。
低床のフレーム設計とドロッパーシートポストの組み合わせで
無理なく跨がれるので、傾斜が強い場所での
再乗車などもしやすそうですね。
MTBとしてコレは結構多いシチュエーションです。
乗車したら早速スタート。
アシストモードはスタンダード。
めっちゃパワーある。
お店の前の坂を上り方向に進行したのですが
傾斜を感じないレベル。
車重とかサスペンションによるペダリングロスとかは
全く感じないですね。
パワーをECOに落としても
私のXCバイクと同程度には坂を上ってくれます。
車重で言えば倍以上違うんですけどね・・・
ごん太のタイヤとサスペンションが
しっかり路面を掴んでくれるので
ハイパワーが掛かってもロス感が全く無いです。
今回の試乗はオンロードのみですが
このグリップ感は是非オフロードで確かめたかったですね・・・
ちょっとコースを変えて裏道に。
神楽坂はちょっと脇道に入ると傾斜キツめの坂がありますので
E-BIKEの試乗には最高ですね!
今回のアシストユニットには斜度のセンサーがあり
アシストに補正が入ってくれるようなので試したかったんです。
普段通勤でも同じ坂を通っているのですが
楽過ぎてビビりました。
パワーモードを切替えながら上ったのですが
アシストパワーを自動で補正してくれる
オートマチックアシストモードの関係か
スタンダード以上だとほとんど差を感じませんね。
法律上でのパワー上限がある以上仕方ない所ですが
もっと傾斜のキツい場所であれば差が出るのでしょう。
下りは楽しいですね。
(※画像はイメージです。)
ドロッパーシートポストとストロークのある前後サス
ロングなホイールベースと太いタイヤも組み合わさり
非常に安定した走行性を生み出しています。
ドロッパー+低床設計のフレームのおかげで
ライディングポジションの自由度もかなり高い為
振り回すようなライディングにも良さそうです。
公道で試乗してるので試せませんけどね(笑)
ブレーキも非常に高性能。
ブレーキングでサスペンションがしっかりと沈み
重心がグッと下がる為安定感が凄いです。
車重があるので制動には悪影響があると思いきや
一般的な軽いMTBよりもリアが浮きにくいので
フルブレーキングがとても楽ですね。
車重が良い方向に働くというのは意外でした。
前後に装着された大径ディスクローターと
(※203mmローター)
MAGURAの4ピストン油圧キャリパーなので
多少重量があっても制動力に不安は全く無いです。
大径ローターは放熱にも有利なので
下れるバイクとしては重要な装備ですよ。
足回りの動きも非常に良いですね。
最近のストロークの長いサスペンションというのは
全く経験の無い私ですが
滑らかさと路面を掴む感じが凄い。
サスペンションの動き出しが分からない位に
自然にストロークをしてくれます。
ハイスピードで下る高レベルなライダーにも良いのでしょうが
どちらかと言えばこれは初心者にオススメかも。
グリップ感がしっかりとしたマシンは
難しいセクションでの恐怖感を薄くしてくれるので
身体などがこわばってコントロールしにくくなる事が少なく
MTB本来の楽しさや爽快感を味わいやすいです。
駆動系に関しても非常に良いですね。
リア変速は一般的なSHIMANOのMTBコンポですので
新鮮に「すげぇ!!」という感じではなく
慣れ親しんだ自然なフィーリングです。
大径のスプロケットなのにヌルリと変速するのは
流石といったところ。
駆動系に負担の大きいセンターモーター車なので
交換パーツの入手性が高いのも嬉しいですね。
このマシンで一番「凄い!」と感じたのが
アシストユニットの設計。
特に「Qファクター」の違和感の無さが凄い!
クランク左右の取り付け横幅ですが
E-BIKEで私が感じていたデメリットがココなんですね。
フレームとクランクの接触を考慮しないといけないので
タイヤが太い自転車ほどQファクターが広くなるのですが
E-BIKEの場合、アシストユニット自体は
ロードでもクロスでもMTBでも基本的に共通ですし
モーターやトルクセンサーなどが内部にあるので
車体に対してQファクターが広くなりがちなんですね。
数値で言えばすごく大きい差ではないのですが
かなり漕ぎ味に違いを感じるライダーも多いです。
私は膝関節に不安が多いので
Qファクターは出来るだけ狭くしたいタイプ
なので、E-BIKEに乗ると基本的に
Qファクターが広くて乗りにくい!
と感じてしまうんですね。
YAMAHAの新型ユニットは
旧ユニットに比べて超コンパクト!
Qファクターもかなり狭まっており
もはや普通のMTB並みに感じます。
また、アシストユニット内部のラチェットも旧型と違い
噛み合わせが早くなった事と
出力の立ち上がり方もクイックになった事で
ペダリングに対する空走感が減りましたね。
(※画像のパワー特性は海外仕様の設定となります)
傾斜のキツい区間での折返しなど
低速からハイパワーで加速する必要がある場所では
大きなアドバンテージになるでしょう。
その他のアシストユニットの進化としては
高ケイデンス(回転数)に対応可になった事。
YPJ-XCに搭載していたユニットである
PW-Xは最大ケイデンスが120rpmだったのに対し
新型ユニットであるPW-X2は160rpm
これを聞いた時私は
「そんな高い回転数使わないよ」
と思ったものですが
良く使う回転数である90~100rpmあたりでの
出力出来るパワーも上がっているらしく
体感でもかなりパワフルになっていると感じますね。
(※画像のパワー特性は海外仕様の設定となります)
逆にYPJ-MT Proでネックに感じた点はある?と言われると
安定感が強い分体重移動で動かすのが大変
という所でしょうか。
これは私の体重が軽めな事と
後部サス搭載のマシンに対する慣れが無い事
最近のMTBのジオメトリ(フレーム設計)に慣れてない事が影響しており
慣れで改善するレベルの事ではあるのですが
フロントタイヤをちょびっとだけ地面から離したい時などに
大きく体重を動かさないといけないのが
乗っていて難しく感じましたね。
試乗が公道なのでちゃんと試せていませんが
ペダリングが出来ない状況下でのライン移動などで
ちょびっと浮かせたい時ってあるんですよね。
(※深めの轍や溝から出る時とか)
ペダリングしていない時の動きの重さというのは
どのメーカーのE-MTBでも感じるでしょうから
このモデルに限った欠点ではないでしょう。
もう一つネックに感じた点は
スイッチユニットの配置。
YPJ-ECなどと同じスイッチを採用しているのですが
車輪を外す際など車体を逆さに置きたい時に邪魔ですし
落車などで地面にヒットする可能性がある位置なので
オフロード走行をメインに考えるならば
専用形状の物を作って欲しかったですね。
総評として言うのであれば
「新型ユニットはとても良い出来で
車体設計としては初心者にもオススメ!」
という感じでしょうか。
試乗車はお返ししてしまいましたが
当店はYPJ Pro Shopとして契約していますので
YPJ-MT Proはお取り扱いが可能です。
当店に在籍するスタッフは全員試乗しましたので
気になる点があれば是非お聞きください。
納車前整備で初期不良が発覚した場合について
納車前整備で初期不良が発覚した場合、
同一商品をメーカーから手配いたしますが、
世界的なスポーツバイク需要の高まりにより
メーカー問わず品薄状態が続いております。
そのため同一商品の手配に数日~数か月かかる場合がございます。
長期間の場合は、商品変更やキャンセルを承ります。
また、小キズ等の乗車に支障の無い初期不良に関しては、
若干のお値引きでご対応させていただく場合がございます。
万一の際は、大変ご迷惑をお掛けしますが
何卒よろしくお願い申し上げます。
http://ysroad.co.jp/uec/kagurazaka/