【グッとくるパーツ】戦闘機と月の石でできた超軽量スプロケット!!
by: 金曽志文

皆さん、おはこんばんちは。

Y’sロード横浜店の金曽です。

 

昨日に引き続き、今日もググッと惹かれる商品をご紹介していきます。

 

KCNC チタンロードスプロケット　　　特価￥33,600(税別)

こちらはイギリスの軽量パーツブランドが誇る、切削技術の粋を集めて生産された超軽量スプロケット。

歯の部分はチタン、歯を支えるアームは7075アルミから削り出しで制作。

 

今回はとても意味の分からないタイトルですが、まずはその説明をしましょう。

7075アルミとチタン素材の話です。

まず、チタンと聞くと希少な金属だと思われる方がいらっしぃますが、地殻を構成する成分では9番目と比較的多い分類になります。

希少に扱われるのは、鉄などと違い、一か所の集積度が高くないために産出量がさほど多くないから。

金属の性質としては、強度、軽さ、耐食性、耐熱性を備えるので、鉄やアルミに比べ優れた点を多く持ちます。

しかし、精錬や加工は難しく、非常にコストがかかります。

チタン製品が高いのはどちらかというと、製造コストの割合が多いんです。

身近なところでは、航空機の部品や人口関節などの整形外科の分野でも使われています。

そして実は、広辞苑などに使用される紙には酸化チタンが織り込まれていたりと、様々な分野で使われています。

アポロ17号が月から持ち帰った石にも主成分として含有されていたとか。

 

そして7075アルミ。

軽量部品などでよく聞く素材ですが、実は日本が開発したアルミ合金の事。

アルミのほかに亜鉛、マグネシウム、銅、を含み超々ジュラルミンと呼ばれます。

元々は日本海軍がとある「戦闘機」に使用するために住友金属工業へ依頼して開発したもの。

その戦闘機とは俗に「ゼロ戦」とよばれる零式艦上戦闘機。

あまりに軽くなったため、当時の戦闘機ではトップクラスの機動力を持つ化け物でした。

話がそれましたが、素材としては非常に軽量で高い引っ張り強度と耐圧力性を持った魅力的なもの。

 

長くなってしまいましたが、物凄く極端な話、月の石とゼロ戦から作られているのがこの製品。

でもそう考えると、どちらもとてもロマンにあふれた素材に思えてきませんか？

もちろん、今ではごくありふれた工業素材ですが、そのルーツや特徴を調べるととても面白いです。

今や人間は宇宙の始まりからあるような素材と、その素材を改良して、開発して、日常生活に使っているんです。

当たり前の事なんですが、けっこうSFチックなことを昔からやってきているわけで………

 

さて、そろそろ今日のアイテムに戻りましょうか。

上の写真では、見た目は普通のパーツです。

デュラエースやその他の普通の製品とほぼ同じ。

 

では、何が違うのか？

裏返してみるとよくわかります。

 

歯を支えるアームの部分を徹底的に削り込んでいます。

ここまでの削り込みは並大抵の技術力では実現できません。

 

重量は実測値139ｇと非常に軽量。

デュラエースは同じ歯数構成で約190ｇと50ｇも軽量。

超軽量で有名なSRAM REDでも160ｇと群を抜いて軽いのがKCNCです。

 

正直、このパーツの一番魅力的な部分、裏側は車体に取り付けてしまえば、あまり見えません。

それでも、わざわざ取り外してクリーニングしたくなるようなパーツです。

そもそも取付けずに部屋に飾っておくのもいいかも知れませんね。

一日の終わりにお酒を飲みながら、このパーツを眺めて、在りし日のゼロ戦や月に思いをはせてみるのはいかがでしょうか？

 

大分、無駄な話が長くなってしまいました。

それではまた次回もお楽しみに。

横浜店の金曽でした。

TEL:045-342-4587

2016/02/05