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新型ORCA AEROはなぜ速い? スペインで見て、聞いて、走って分かったこと
by: カネコ

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こんにちは、神戸店のカネコです。

スペインで参加した「ORCA AERO 360° DEALER CAMP」。

前回は、ORBEAという会社の歴史や、ものづくりに対する考え方についてご紹介しました。

そして今回は、いよいよ新しいORCA AEROについてです。

 

新型ORCA AEROは、なぜ速い? スペインで見て、聞いて、走って分かったこと

今回のDealer Campでは、新型ORCA AEROがどのように開発されたのか、詳しい技術研修を受けることができました。

風洞実験やCFDといった空力開発の話はもちろん、

「そんなところまで試してるんだ」

と思うような開発途中の話もいろいろ聞くことができました。

そして、その話を聞いたあとに実際にスペインの道を走っています。

いろいろ難しい説明を聞いたあとだったんですが、実際に乗って最初に出てきた感想はものすごくシンプルでした。

「走りが軽い!」

エアロロードというと、まず高速巡航性能を想像しますよね。

ところが新しいORCA AEROは、走り出した瞬間から少し印象が違いました。

そして平坦、高速域、登り、コーナリングと走っていくうちに、

「これ、本当にオールマイティなバイクだな」

という印象に変わっていきました。

今回は、スペインで聞いた開発の話と、実際に走って感じたこと。

この二つを合わせながら、新型ORCA AEROをご紹介します。

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そもそも、旧型ORCA AEROがすでに速かった

今回の研修で面白かったのが、新型ORCA AEROの開発の出発点です。

新型のエアロロードと聞くと、

「フレームをもっとエアロにしました」

「前作より空気抵抗を減らしました」

という進化を想像します。

でも、ORBEAが直面していたのは少し違う問題でした。

旧型ORCA AEROが、フレーム単体ではすでにかなり高い空力性能を持っていた。

そのため、フレームだけをさらに改良しても、そこから大きな差を作ることが難しくなってきたそうです。

 Screenshot

じゃあ、どこを速くするのか。

ここから新型ORCA AEROの開発が始まります。

今のロードレースで、本当に速いバイクとは?

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今回の技術研修では、近年のロードレースそのものが以前より高速化しているという話もありました。

登りだから軽量バイク。

平坦だからエアロバイク。

もちろん、今でもそれぞれの特徴はあります。

でも実際のレースは、そんな単純な分け方だけでは説明しにくくなってきています。

そこでORBEAが考えたのが、

「今のレースで、本当に速いバイクとは何だろう?」

ということ。

フレーム単体の性能だけではなく、

実際に人が乗って、実際の道を走ったときに速いバイクを作る。

ここが、新型ORCA AEROを理解するうえで大事なところです。

 

「フレーム」から「ライダー+バイク」へ

そこで新型ORCA AEROの大きなテーマになったのが、

「Total System Approach」

という考え方です。

研修では、走行時の空気抵抗のうちバイクが占める割合はおよそ25〜30%。

それに対して、約70%はライダーという説明がありました。

 

そう考えると、フレームだけを見ていても限界があります。

どれだけ空力性能の高いフレームを作っても、実際に人が乗った状態で速くなければ意味がない。

そこで、

速さを考える単位を「フレーム」から「ライダー+バイク」へ変える。

CFD(数値流体解析)

風洞実験

実走テスト

そしてライダーからのフィードバック。

それぞれを組み合わせながら、フレーム形状だけではなく、ライダーのポジションや安定性なども含めて考えていく。

 

研修でこの話を聞いたとき、

「今回はそこまで含めて“AERO”なんだ」

と思ったのを覚えています。

新型を作るために、旧型にフェアリングを付けて試していた

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そして個人的にかなり面白かったのが、開発途中の話です。

研修では、新型ORCA AEROが完成するまでの試作車も見せてもらいました。

そこにあったのは、完成した新型ではありません。

旧型ORCA AEROに、3Dプリンタで試作したフェアリングを取り付けたバイク。

ダウンチューブ周辺などに試作した形状を取り付けて、

「ここを変えたらどうなる?」

「この形なら空気の流れはどう変わる?」

と、一つずつ検証していったそうです。

 

CFDで空気の流れを見る。

実際に形を作る。

旧型へ取り付ける。

そして風洞で試す。

 

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完成した新型だけを見ると、最初からこの形が出来上がっていたように見えます。

でも、その裏ではこうやって一つずつ試している。

個人的には、完成車を見るだけでは分からないこういう開発途中の姿を見られたのが良かったですね。

一番速かったフォークを、あえて採用しなかった

 

フォークの開発も面白い話でした。

ORBEAでは、幅の違うフォークをいくつもテストしています。

その中には、真正面から風を受ける条件では非常に良い結果を出した、かなりワイドなフォークもあったそうです。

だったら、それを採用すればいい。

……と思いますよね。

でも、採用されませんでした。

風向きに角度をつけていくと、空気の流れが変わってしまったからです。

研修では真正面だけではなく、5°、10°、15°とヨー角を変えながら検証していたことも説明されていました。

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実際の道路で、風がずっと真正面から吹いてくることなんてほとんどありません。

だから、

「一つの条件で一番速い」ではなく、「実際の環境で速い」方を選ぶ。

この話は、新型ORCA AEROの開発思想をすごく分かりやすく表していると思います。

 

専用エアロボトルを、あえてやめた

もう一つ、なるほどっ!と思ったのがボトルです。

旧型ORCA AEROには、空力性能を考えた専用のエアロボトルがありました。

専用品を使えば、空力性能は追求しやすい。

でも、

「実際のライダーが、それをいつも使うのか?」

という話です。

普段のライドでは、自分が使い慣れた一般的なボトルを使う人も多いですよね。

それなら、専用ボトルを付けたときだけ速いバイクではなく、一般的なボトルを使った状態から速いバイクを作る。

新型では、そんな実際の使われ方も前提にして空力を考えています。

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何か新しいエアロパーツを追加した、という話ではなく、

あえて専用品をやめた。

これも「風洞の中だけではなく、実際の道で速くする」という考え方が表れている部分だと思います。

BBは、なぜ「4mm」下がったのか?

そして今回、個人的にかなり興味深かったのがBB位置です。

新型ORCA AEROでは、従来モデルからBB位置が4mm低くなっています。

ただ、当然ながら

「4mm下げれば良さそうだから4mm」

と決めたわけではありません。

開発ではBB位置を変えた複数のパターンを実際に試しながら、ライダーからのフィードバックも含めて検証していったそうです。

BBを下げれば重心も下がり、バイクを安定させやすくなる。

でも、下げれば下げるほど良いという単純な話でもない。

扱いやすさや反応とのバランスもあります。

そうやって試した中でたどり着いたのが、4mmだったそうです。

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そして今回のORCA AEROでは、この変更も単純なハンドリングだけの話ではありません。

バイクが安定する。

ライダーも安定する。

身体の余計な動きが少なくなる。

そうなれば、ライダー側の空力も安定させやすくなる。

つまり、

BB位置の変更まで「ライダー+バイク」で考えている。

この話は、あとで実際に走ったときに「なるほどな」と思うことになります。

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そしてもう一つ。新型ORCA AEROはかなり軽い

ここまで空力や安定性の話をしてきましたが、もう一つ注目したいのが軽さです。

ORBEAが公式に発表している新型ORCA AEROのフレーム重量は、900g。

エアロロードのフレームとして、かなり軽量に仕上がっています。

しかも、単純に重量だけを削ったわけではありません。

新型ではカーボンレイアップなども見直され、軽量化しながら剛性面も改善されています。

つまり、

「軽くするために、走りを犠牲にした」のではない。

必要な剛性を持たせながら軽くする。

空力だけではなく、重量や剛性も含めてバイク全体を考えているわけです。

これも今回のORCA AEROを理解するうえで、結構大事なところだと思います。

そして、この話を聞いたあとに実際に乗ってみると……

実際にスペインで走ってみました

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第一印象は、やっぱり「軽い!」

いろいろ難しい技術説明を聞いたあとだったので、

「どれくらいエアロなんだろう?」

「高速域ではどうなんだろう?」

なんて考えながら乗り始めたんですが……

最初に感じたのはそこではありませんでした。

「軽い!」

本当にこれが第一印象でした。

もちろん、重量計に載せて感じた軽さではありません。

ペダルを踏んだ瞬間の軽さです。

踏んだときの反応が速く、スッと前へ出る。

エアロロードというと、ある程度スピードが乗ってから気持ち良く巡行ができるイメージがあります。

ところが新型ORCA AEROは、走り出した瞬間から軽快でした。

もちろん、この「軽い」という感覚は、フレーム重量だけで決まるものではありません。

剛性やホイール、ジオメトリーなど、いろいろな要素が合わさって感じるものだと思います。

それでも、実際に軽量に作られたORCA AEROに乗って、最初に感じたのが、

「軽い!」

だった。

癖がなく、どんな踏み方でも素直に反応してくれる。

ここは自分の中で最も印象的でした。

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50km/hを超えると、今度は「どっしり」

そして平坦では、全員で全力のローテーション。

50km/hを超える速度域まで走りました。

ここから、また印象が変わります。

加速するときは軽快だったのに、高速域に入ると、

どっしりしている。

一度上がったスピードを維持しやすく、その速度域でもバイクがかなり落ち着いています。

ハンドルを細かく修正したり、身体を必要以上に動かしたりしなくていい。

「軽い」のに「落ち着いている」

この二つが同時にあるのが面白かったです。

そして、ここで研修で聞いたBBの話を思い出しました。

もちろん、高速安定性がBB位置だけで決まるわけではありません。

でも、4mm下げることで狙ったという安定性と、実際に自分が50km/hを超えたところで感じた落ち着き。

この二つは、つながっているように感じました。

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どっしりしているけど、コーナーでは素直

高速域でこれだけ安定していると、

「じゃあ、曲がるときは少し重たいのかな?」

とも思います。

でも、実際はそんなことはありませんでした。

コーナーに入ると、狙ったラインへかなり素直に入っていく。

無理にハンドルを切り込むような感じもなく、バイクが自然についてくる。

どっしり安定しているのに、操作は重たくない。

ここもかなり好印象でした。

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荒れた路面でも、必要以上に跳ねない

今回走ったスペインの道には、かなり舗装が荒れた区間もありました。

大きな穴があったり、路面から強い振動が入ってきたり。

もちろん振動自体は感じます。

でも、バイクが必要以上に跳ねてしまって、乗りにくくなるような感覚は少なかったです。

 

ブレーキングでも車体が落ち着いていて、ヘッド周辺やフォークにはしっかりした剛性感がある。

速い状態から減速して、そのまま次のコーナーへ入る。

こういう一連の動作もやりやすかったですね。

そして期待以上だったのが、登り

そしてもう一つ。

かなり印象に残ったのが登りです。

エアロロードなので、平坦が速いことにはある程度期待していました。

でも、

「登りもこんなに走るんだ」

というのは、期待以上でした。

ダンシングでは、踏み込んだときの反応が良い。

バイクを左右に振る動きも自然で、過度にひらひらしません。

シッティングでも、力を加えたときに素直に前へ出てくれる。

特に印象が良かったのは、低いケイデンスでトルクをかけたときです。

グッと踏んでも、重たく感じずに素直に前へ進んでくれる。

逆にケイデンスを上げても、素早い反応をしてくれました。

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ここまで走って、

最初に感じた「軽い!」という印象と、

新型ORCA AEROが実際に軽量に作られていること。

そして登りでも感じた反応の良さ。

自分の中で、このあたりがだんだんつながってきました。

「風洞で一番速いバイク」を作りたかったわけじゃない

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今回の研修と試乗を振り返ってみると、新型ORCA AEROの面白さは、単純な空力性能の数字だけではないように思います。

旧型がすでに速かった。

だから、フレームだけを見るのをやめた。

旧型に試作パーツを付けて、一つずつ形を試した。

真正面では速かったフォークも、実際の風向きを考えて採用しなかった。

専用エアロボトルではなく、普通のボトルを使う状態を考えた。

BB位置もいろいろ試して、4mmという答えにたどり着いた。

さらに、空力だけではなく軽さや剛性も見直した。

そして、ライダーまで含めて考えた。

こうして開発の話を聞いてから実際に走ってみると、

「風洞の中で一番速いバイク」ではなく、
「実際の道で速いバイクを作ろうとしたんだな」

ということが、ひしひしと伝わりました。

新型ORCA AEROは、どんなバイクだった?

自分がスペインで乗って感じたことを一言でまとめるなら、

「速さを出しやすく、維持しやすく、扱いやすい。」

そんなバイクです。

走り出しは軽い。

50km/hを超える高速域では、どっしり安定している。

それでいてコーナリングは素直。

荒れた路面でも必要以上に跳ねない。

そして登りでもしっかり反応する。

どっしり安定しているのに、重たくない。
加速も、登りも、コーナリングも素直。

だから自分の中では、

「平坦が速いエアロロード」

だけでは、このバイクを説明しきれませんでした。

新しいORCA AEROは、

本当にオールマイティに速いエアロロード。

これが、スペインで実際に走った自分の感想です。

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技術の話だけでは分からない部分もあります。

逆に、乗った感覚だけでは分からない部分もあります。

今回スペインで、開発の背景を聞いて、その直後に実際の道を走ることができたからこそ、

「あの説明は、この感覚につながっているのか」

と思える部分がたくさんありました。

新型ORCA AEROが気になっている方は、ぜひ店頭でもご相談ください。

スペックだけではなく、今回スペインで見て、聞いて、実際に走って感じたことまで含めて、お伝えできればと思います。

 

 

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