FENIXのタイヤに悩んだので「TPI」に注目してみる。
by: 小西 真人

 

 

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「パリ~ルーベ御用達」の割に、意外と乗り味が硬い我がフェニックス。

カーボンが肉厚な為か「しなり」が少なく、結構コツコツきます。

 

 

なんとかこの乗り味を改善できないものだろうか・・・と、

現在あれこれタイヤを替えて試しているところです。

 

 

 

 

 組み上げた当初のタイヤは「IRCのASPITE(24C)」。

移植したホイールに付いていたのそのままだったのですが、

これが硬いわ跳ねるわで、フレームとの相性はイマイチでした。

 

 

次に試したのが「ミシュランのPRO4(25C)」。

タイヤが太くなった分、乗り心地も良くなるだろうと思ってのチョイス。

確かにアタリはソフトになりましたが、コツコツ感は依然残るままです。

 

 

 

そもそも小西は「体が大きくて体重も重い」という事もあり、

前々からタイヤの好みとしては

「ケーシングがしっかりしていて、コンパウンドでグリップするタイプ」。

ようは「コシがある硬めのタイヤ」が好きということです。

 

 

というわけで手持ちのタイヤはそんなタイプばかり。

フェニックスとの相性を考えると、ちょっと目線を変える必要がありそうです。

 

 

 

そこでふと思い出しました。

 

ムニムニした乗り味を嫌ってしまい込んでいたVITTORIAのことを!

 

 

 

 

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耐久性がとにかく高いと評判の「旧ルビノプロ」。

 

トラブルが少なそうなので通勤に良いかも思って使ってみたものの・・・

しなやかなクロモリロードに合わせたのが失敗。

 

モッサリした乗り味が気になって、しばらく使うのをやめていたタイヤです。

 

 

ルビノのタイヤサイズは23C。

PRO4の25Cより一回り細くなるため、乗り心地の悪化を心配していましたが、

 

コレがなかなかいい感じ。

 

ガツン!という大きなショックの角を丸めてくれるようなしなやかな印象で、

かなり気持ちのいい乗り味になりました。

 

タイヤの評価はバイクとの相性も加味しないとダメですね。

 

 

 

さて。  

 

タイヤの好みの関係で、今まではあまり「TPI」を気にしてこなかったのですが、

今回の件はまさに目から鱗でした。

 

 

 

で、その「TPI」。

平たく言えば、「1インチの幅に何本の繊維が敷き詰められているか」

を示す数値です。

 

数字が大きくなればなるほど使われている繊維は細くなり、

薄くしてなやかなケーシング(タイヤの骨格)になります。

 

 

(今までの)ヴィットリアはパッケージにデカデカと書いてある通り

この「TPI」を重視したタイヤづくりを行ってきました。

トップモデルCORSAシリーズは「320TPI」と極めて細い繊維を使うことで、

抜群にしなやかな乗り味を実現。

これじゃなきゃ!というファンの多い、名品と呼べるタイヤです。

 

 

ヴィットリアの考える良いタイヤとは、

「キレイに変形させることで、タイヤ全体を使って自然なグリップを生むタイヤ」

といったところでしょうか。

 

 

 

反対にミシュランのPRO4のTPIは「110」。

しなやかさで評価すれば、その性能はコルサの1/3となってしまいます。

(ただし、新型のパワーでは110→180TPIと大幅に改良してきました!)

 

 

ただまあ、そこはクルマからモーターサイクルまでひっくるめて

「シリカコンパウンド」の評価が高いミシュランです。

 

彼らの考える良いタイヤが

「しっかりしたケーシングを土台にし、その上にハイグリップなゴムを乗せる」

というものなのでしょう。

 

 

 

これはもう「考え方の違い」であって、単純な良い・悪いというよりも

個人的な好き・嫌い でしか語れないのが、難しいところであり面白いところです。

 

 

 

ちなみに。

 

「IRC ASPITE  PRO」のTPIは「180」となかなかのスペックを誇ります。

 

ただ、耐パンクベルトとして「40TPI」と目の粗いものを上に貼っているので

全体的に「乗り味が硬め」に感じてしまうのでしょう。

 

IRCの名誉のために言っておきますが、某クロモリとの相性は抜群でした。

 

 

 

 

フェニックスの場合、方向性としてしなやかなタイヤの方が相性が良さそうなので

次はこれを試してみようかと思っています。

 

 

 

 

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220TPI+ラジアル構造の「DIAMANTE  PRO  RADIALE」。

 

 

すでに廃番モデルなので、あまり世の中の参考になるとは思えないのですが・・・

ここは好奇心を優先です。