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2016/12/29 19:30
【貧脚いんぷれっしょん!】とは文字通り、脚のない四十路のおっさんが
実際に乗ってみて感じたことを主観100%で書き留めたものです。
客観性や科学的な分析、普遍性はまったく期待できないことをあらかじめご了承ください。
実はデローザ乗りなスタッフ井手です、こんにちわ。
ブログのスタッフ紹介でも「DE ROSA 04MERAK」とあるとおり、
今まで乗ったロードで一番長い付き合いです。
かれこれ12年以上、今でも当然現役です。
じゃあなんでいままでブログにあげなかったのかっていうと…
「コンポがシマノでパーツチョイスも色々ダセェ!」
と店長からストップがかかっていたから…まあその通りなのですが。
初めて買ったフォークまでフルアルミのロードから乗り換えた時の感動は今も忘れません。
「こんなに乗りやすいのに速いのか!」
乗りやすさのポイントは当時流行のカーボンバックや
フロントフォークに入ったデダチャイのDAVS(衝撃吸収のエラストマー入り)もさることながら、
フォークやフレームの剛性のバランスの良さや
ディメンションから来ると思われる操作のしやすさ。
やや安定志向で直進安定性が高く、
素直にラインをトレースしやすいハンドリングだと感じます。
まあ12年も乗っているので慣れの部分も大きいです。
ロードは速いが硬くて痛いと思っていた私にとって「気持ちよく速く走れる」マシンとの出会いでした。
身体、特に膝へのやさしさと、それに反する加速の伸びは乗っていて楽しいの一言。
思えばこれが「良い物を買うと走りが変わる」という
自転車の沼に嵌るきっかけになった出来事でした。
今でも100km超えの距離ならこいつ一択。
色気を感じさせるフォルムとあのデローザが満を持して出してきたSKはどんなフレームなのか?
で、お待たせしました!今回の試乗で一番乗りたかったSK。日直商会様ありがとう!!!
一漕ぎ目からわかる「軽い!反応がいい!!硬い!!!」
やべぇ、ハンドリング以外のすべてがMERAKと違う…
目の前になぜか昔TVでみたF1やルマンの光景が甦ります。
私の第一印象は最新鋭の素材と技術をただ速さだけに傾注したレーシングマシン。
カリッカリにチューンされたエンジンはゴールと共に火を噴いても、
それが1位なら称賛される。そんな光景です。
(この場合火を噴いてスクラップになるのは私ですが)
しなるとか、乗り心地とかそんなナンパな感想は浮かんでも来ないです。
ペダルに伝えた力がそのままタイムラグなしにダイレクトに後輪に伝わる感じ。
ダンシングしようがガチャ踏みしようが微動だにしないBBとチェーンステー。
重量は明らかにSuperSix Evo Hi-MODの方が軽いのですが、走りの軽さではそれ以上に感じます。
SuperSix Evo Hi-MODは路面追従性の高さとフレーム剛性のバランスが相まって
あまり硬さを感じさせない、ともすると快適だと勘違いするほどの乗り心地なのですが
SKは「速く走るために」路面追従性を上げたストイックな設計。
跳ねないギリギリの縦剛性と強靭な横剛性から加速を第一に考えているものと思われます。
なので路面の凹凸を拾ったときはやや尖った突き上げ感があり、そして跳ねません。
(跳ねればその時マシンは「宙を浮いている」わけで、
その一瞬は接地していないので加速も減速も、曲がりもしません。
なので最近の良く作られたロードは跳ねないものが多いです)
このあたり、やや突き上げの角が丸くなるのが分かるSuperSix Evo Hi-MODに対し
あきらかに角が残っている感じ。
快適性を上げるより、わずかでも加速を上げようという意図が感じられます。
その分、確かに速く、通勤では初めて30分フラットが(笑)
あと、時速30km後半、40kmあたりからはっきり乗り心地が良くなります。
高速走行で路面の凸凹の頂点をスカカンッとなめるように走る感じはSuperSix Evo Hi-MODに似ています。
ああ、このスピードで走れって事か…
正直エアロの部分は、「私では体感できなかった」です。
なぜかというと、それがフレームの剛性から来る速さなのか区別が付かなかったから。
後日一緒に走った嘉悦さんが、平地で私の乗る試乗車IDOLの後ろに入ったとき
終始足を止めっぱなしでSKが履いているユーラスの「ジー」という音が響いていて
「まるで吸い込まれるように進む」と言っていたので
空力に優れるのは間違いないのですが。
そしてこのフレーム、登ります!!
剛性高いので脚のあるうちは当たり前だろ?って言われまして
まあそりゃその通りなんですが、剛性だけで登っているといわれるとなんか違うんですよ。
自分にとって剛性の高すぎるマシンにありがちな
「たとえ脚が残っていてもフレームとリズムがまったく合わず、かえって遅くなる」
という感じがしないマシンです。
軽く鋭く加速していきます。
脚はパンパンですが。
このあたりの感想は平地でもいえることで、私の拙いペダリングでガチャ踏みしても
取りあえず速く進む不思議なマシンです。
このあたりが雑誌のインプレライダーが言う「SKのしなやかさ」なんでしょうか?
そんな「優しさ」に触れることはこのSKではできませんでした。
フレームに対してエンジンの圧倒的なパワー不足。
今回の試乗を通して、私の中でSKは完全にプロ・実業団仕様のフレーム。
闘うためのフレームです!!
(上の画像はNIPPO・ヴィーニファンティーニでジロ・デ・イタリアを完走した山本元喜選手の物)
少なくとも体力に自信があるか、ライバルか、はたまた去年の自分に勝つ!!
そんな走りの方には強力な武器となるでしょう。
レーシングマシンの挙動に振り回されてヘトヘトに。
これを乗りこなすのは私では無理!
貧脚ライダーの力量と高性能フレームの見事なまでのミスマッチ!!
そんな圧倒的敗北感と共に終わったSKの試乗でした。