【スタッフ勉強会・PINARELLO編】F10&F8乗り比べ!!
by: 小西 真人

 

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ピナレロのフラッグシップ機乗り比べなんて、どれだけ贅沢なんだか。

 

 

水曜日、ピナレロジャパン様にお呼ばれして。

 

大阪は堺まで「DOGMA  F10」に乗りに行ってきました!

 

 

 

 

 

 

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試乗会の会場は堺の工業地帯の奥の方。

海っ端の公園です。

 

 

コースにアップダウンは無くひたすらフラット。

2つの直線を3つのコーナーで結んだ変速オーバルコース。

 

 

ただ、この日は防風といって良いくらいに海風が吹き荒れるバッドコンディション。

果たしてこれでまともに判断できるのか??

 

 

 

 

 

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 まずはじめに。

 

「F10」との比較の意味でも「DOGMA F8」から試乗です。

 

 

 

はい・・・見ての通りサイズが合っていません。

 

ホリゾンタルに近い形状のピナレロとするとシートピラーが出過ぎですし、

これでは明らかに後ろ荷重で、きちんとバイクの中心に乗れそうな気がしません。

 

 

 

小西のベストサイズはおそらく575。

試乗車は540と3サイズも小さいもの。

 

 

カタログを見ればわかりますが、ピナレロのフレーム/完成車はどれも

本当に細かくサイズ分けがされています。

 

さらに大事なのは「サイズごとに適切なフィーリングになる」ように、

剛性感や強度などが調整されているという事。

 

 

フレームサイズの大小にかかわらず、乗り味は一定ということは。

サイズが合わなければそのフィーリングが100%味わえないとも言えます。

  

 

いきなり不安だ・・・

 

 

 

〇第一印象

 

ハンドリングはちょっと軽く感じますが、防風吹き荒れる中でも不安なし。

特に構える必要もなくスルスルっと走り出しました。

 

 

 

〇向かい風区間

 

常に海からの風にあおられ続けるコース。

バックストレートは超向かい風で速度は全然上がりません。

 

ただ、自分の体には思い切り風を受けているのですが腰から下は静かなもの。

コレが風の抜けが良いというやつか。

 

手持ちのBMCもKUOTAもエアロには無頓着なバイクなので、この感覚は新鮮です。

 

 

 

〇コーナリング

 

さすが!と思ったのはココ。

 

ハンドルに少し荷重をかける、外脚に少し荷重をかける。

そのちょっとした操作にキッチリ反応し、コーナリングのラインが自由自在。

 

 

その時のふるまいは極めて自然で安定感も抜群。

平たく言うと「怖くない」。

 

ピナレロの美点の一つでもある「曲がりっぷりのよさ」が強く出ていて、

まるで自分が上手くなったかのようです。

 

 

 

〇追い風区間

 

超追い風となるホームストレート。

下ハンドルを持って踏めばガンガン加速していきます。

 

踏みどころ(バイクがグッと加速するペダリングのポイント)は幅広く、

かといって曖昧でつかみづらいわけでもありません。

時計で言う1時から5時くらいまでが加速に使えるような感覚でした。

 

 

回すペダリングでも踏むペダリングでも、どちらのタイプでも

しっかりと進んでくれそうです。

 

 

 

そんなことを考えながら走っていたら、あっという間に規定周回の3周が終了。

 

 

 

 

 

さて、お次はメインディッシュの「DOGMA  F10」

 

「F8」からどう変わったのか?を感じとれるものなのか。

 

 

 

 

 

 

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 2台を見比べてみても、シルエット自体には大きな変化はありません。

 

あちこちで語られているような各部ディテールの微妙な改良や変更が

どれだけの性能アップにつながってるのか。

 

そしてそれが実感できるのか・・・

 

 

 

こちらもフレームサイズは54。

 

体には合わないながらも同じサイズ同士での比較は出来そうです。

 

 

 

 

 

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〇第一印象

 

ハンドリングの軽快感や落ち着きはF8と同等。

この極低速度域ならば、どっちがどっちかわからないかも。

 

 

 

 

 

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〇向かい風区間

 

ホームストレート(追い風)、バックストレート(向かい風)ということは

そこを繋ぐコーナーは横風~斜め風。

 

この横風をモロに受けながらコーナリングする時の安定感はF10の方が明らかに上。

 

 

F8では「おっと」となってハンドルを取られそうになるような環境でも、

F10だと煽られるような感覚が少なく、ハンドリングは安定傾向。

微調整レベルの操作で乗り切れるような印象です。

 

 

これがブラッシュアップされた空力性能なのか・・・

 

フロントフォークエンドのエアロデバイス「ForkFlap」が

早速その効果を発揮したのかも。

 

 

真の向かい風区間は、正直キツ過ぎて差異がわかりませんでした。

 

 

 

 

 

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〇コーナリング

 

若干の違和感を感じたのはココ。

 

F8の時みたいな「自由自在感」が薄い。

荷重をかけても反応があまりなく、一本のラインをなぞるような感覚。

 

決して曲がらないわけではなく、ハンドリングのレベルは間違いなく高いのですが

F8で感動した「ピナレロらしさ」を期待していたので、ちょっと肩透かしな感じ。

 

 

同じく試乗会に参加していた大阪本館のスタッフの意見などを聞いてみると、

そこまでの違いは感じないし、同じようにギュンギュン曲がるとのこと。

 

 

・・・おかしいぞ???

 

 

 

後から思えばですが。

 

試乗の際サドルを10mmくらい後ろに引いたセッティングにしたのですが、

これが多少なりともフロント荷重とハンドリングに影響したのかも。

 

 

 

なので、この項目に関してはあまり参考にならないかもしれません。

 

 

 

 

 

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〇追い風区間

 

踏みどころの幅広さはF8と同等、どんなペダリングでもグイグイ進みます。

 

もともとがハイレベルなバイクですので、劇的な進化は難しいのでしょうか。

F8と比べF10の方が格段に優れている、とまでは感じられませんでした。

 

 

 

今回は極短時間の試乗なので、ロングライド時の脚の負担まではわかりませんが

 

それでも自分の様な並足ライダーがF10で一日走り回ったらとしたら、

間違いなく足がヘロヘロになるだろう、という事は容易に予想できました。

 

 

 

 

 

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〇乗り比べてみて

 

 

「F8」はすでに型落ちで、全てにおいて新型の「F10」が優っている!

 

みたいわかりやすい答えだったら話は早い。

 

 

 

作り手側のピナレロは「そんなことはない」と言いたいでしょうが、

「F8」もその運動能力はいまだ一線級。

 

 

 

個人的な印象では、この2台は個性の違う双子みたいなイメージです。

その違いは良い・悪いではなくもはや好みのレベル。

 

 

 

アップダウンとタイトコーナーが多く、テクニカルなコースならF8。

平坦メインでハイスピードな展開、エアロ効果が期待できるコースならF10。

 

そんな感じで2台を使い分けることができれば幸せでしょう。

 

 

 

 

 

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とまぁあれこれと語ってきましたが。

 

 

 

最後に言いたい事としては

 

「ピナレロはジャストサイズで乗るに限る。」

 

ですね、やっぱり。 

 

 

 

 

 

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