【試乗インプレ】新型アルテホイール全部乗り！！『WH-R8170』
by: 実方貴広

今一番ホットなディスクブレーキ用ロードホイールと言えば

1 新型アルテグラホイール『WH-R8170』シリーズ

新型アルテグラホイール『WH-R8170』シリーズ

セカンドグレードとなるアルテグラの価格は共通して￥158,510-(税込）今一番需要の高い価格帯であると同時に、ここでの評価がメーカーの明暗を分けると言っても過言ではありませんが、そんな激戦区に一石を投じることが出来るのでしょうか？！早速インプレしていきます！！
リムハイト違いで『C36』『C50』『C60』がありますが、前後バラでも購入できる為『C36/C50』『C50/C60』の組み合わせも含めて全５ラインナップ比較試乗しました｡(片側のみで購入をご希望の場合はお取り寄せになります)

まずはシリーズ全体の総評！！

登りやアップダウンが主体なら『C36』、平坦メインや迫力ある見た目を望むなら『C50』、トライアスロン・タイムトライアルでの使用が前提なら『C60』とキャラクター設定が明確で、加えてどのモデルも漕ぎ出しの軽さ、優れた空力性能とハブの回転性能を備えておりシリーズ全体で完成度の高さが伺えます。試乗は緩やかな登りの後に斜度のキツイ登り、最後に下って登り返すお決まりの比治山プチヒルクライムコース。この複合コースを敢えて負荷をかけずに進むと衝撃の結果に！？なんと、斜度のキツイ登りに差し掛かってシッティングからダンシングに切り替えるポイントが面白いほど均等にずれたんです！！これは一部のモデルや組み合わせだけ良い悪いといったムラが無く、均一に基本性能が高い証拠と言えるでしょう！！なので登りも平坦もこなしたいという方は『C36/C50』、平坦に特化した組み合わせが良いけど扱い易さも欲しいという方は『C50/C60』の前後異径セットで組み合わせる事で各モデルの良いとこ取りをした中間的なキャラクターのホイールを入手する事も可能です。実に面白い。

『WH-R8170-C36』1,488g(F657g/R831g)

シリーズ屈指の漕ぎ出しの軽さ・登坂力・振動吸収性能を備えており、ヒルクライムはもちろん、ストップ＆ゴーの繰り返しやアップダウンの多いコースで真価を発揮します！！加えて35km/hまではすんなり加速し30km/hを超えた巡行も全く問題無しです。かなり空力性能に優れたリム設計をしていると思われ、ナローリム時代の40～45mmハイトと遜色ない巡行能力が備わっているように感じました。流石に最新の『C50』と高速巡航性能を比べてしまうと厳しい面がありますが、そもそも高速巡航を頻繁に行わない方や上記のような乗り方をされる方ならリムハイトの高さは殆ど気にならないのではないでしょうか。また、振動吸収性能に優れ長距離でも疲れにくい『C36』は一日中サイクリングを楽しまれたい方の最高の相棒になってくれるはずです。もう少し巡行性能を高めたいという方には『C36/C50』の組み合わせを推奨しますが、登坂力は若干低下しますのでご注意ください。

『WH-R8170-C50』1,570g(F698g/R872g)

全方位対応のバランス型で35km/hオーバーの高速巡航も容易にこなせます。漕ぎ出しの軽さ・登坂力も平均点以上なので、平坦ライドがメインでたまには登りもという方なら不満無しの性能です。振動吸収性能も『C36』には及ばないもののかなり優秀。ギャップを乗り越えた際のショックも上手くいなしている印象で、個人的には３モデルの中で一番好みのキャラクターでした！！『C50』の迫力感と巡行性能は残しつつもう少し登坂力や漕ぎ出しの軽さが欲しいという方は『C36/C50』の組み合わせを推奨します。

『WH-R8170-C60』1,649g(F738g/R911g)

トライアスロン・タイムトライアルで本領発揮する競技向けホイール！！60mmとは思えない漕ぎ出しの軽さにホイールとしての完成度の高さを感じますし、空力性能も流石の一言で高速巡航はお手の物。一度上げた速度を維持するのは２０万円以上のホイールまで含めてもトップクラスでしょう。但し、巡航中に更に上の速度に上げたり、斜度のある登りでは剛性の高さが顔を出し脚を削られる印象がありますので、我こそは剛脚という方や上記のような競技目的での購入を強く推奨します。とは言え60mmの迫力は凄まじくエアロロード乗りなら一度は装着してみたいと感じるカッコ良さ！！『でもお硬いんでしょう？』という方には『C50/C60』の組み合わせを推奨します。フロントが50mmになるだけでも漕ぎ出しの軽さ・登坂力が改善し、突っ張るような硬さも少しマイルドになります。見た目の印象が大きく変わらないのも◎