エアロロード・トライアスロンの殿堂 日本最大級トライアスロンショップ
2022/02/16 21:47
こんにちは、お茶の水店の木村です。
今回は在庫の商品のご紹介ではなく、私物として購入したタイヤについてご紹介いたします。
目次
1本 税込8,800円
700×25C
(25C以外は、27Cと30Cがラインナップされています。)
ブラック/タン(オールブラックのカラーもございます。)
ちなみに、モデル名に入っているHTLRとは、Handmaid Tube Less Readyの略だそうです。
一番大きな理由は、やはり見た目です。最近プロバイクなどを筆頭に流行しているスキンサイドのタイヤを一度使ってみたかったのですが、意外なことにチューブレスもしくはチューブレスレディのタイヤで、チューブラーのようなコットンケーシングでスキンサイドのモデルを出しているメーカーがほとんどないのです。コンチネンタルがGP5000S TRブラウンサイドを出していたり、シュワルベがPro one TTというモデルでスキンサイドカラーを出していたりはするのですが、これらのモデルはオールブラックのタイヤにカラーを塗っているものになります。ということで残念ながら今回は候補から落ちることに、、、
コチラがコットンケーシングを採用しているVITTORIAさんのハイエンドタイヤであるCORSAのラインナップ表。クリンチャーやチューブラーではBLACK/PARA(スキンサイド)のカラーがありますが、一番上のTLRと書いてあるチューブレスレディのモデルではALL BLACKのモデルしかありません。あまりの見つからなさにクリンチャーに戻そうかと悩んだのですが、チューブレスの転がりの軽さ、快適性の高さを一度知ってしまうとなかなかクリンチャーに戻そうとは思えませんでした。
ということでいろいろと調べた結果、スキンサイドのチューブレスタイヤのラインナップを見つけられたのは今回紹介しているCHALLENGEとVELOFLEXの2社でした。(もしかしたらまだ他にもあるかもしれません。ご存じの方は是非ご教授ください。)VELOFLEXはアサゾー店の石川さんがすでに使われているので、まだワイズのスタッフがおそらく誰もインプレを上げていないであろうCHALLENGEタイヤのHTLR STRADAをセレクトいたしました。CHALLENGEタイヤにチャレンジしてみました!!!(byコニシ)
はい。
CHALLENGEタイヤを初めて知ったよと言う方も多いと思うので、まずはメーカーについてご紹介。
CHALLENGE TIREの起源は、かつてのイタリアのハイクオリティレース用タイヤブランドのCLEMENT(クレメン)にあり、CLEMENTがPIRELLI社に買収されてレース用タイヤの製造を止めたことを機にCLEMENTの代理店であったBREVO社が 製造工場や工員と共にタイヤ生産の権利を買い取り、レース用タイヤの製造を継承したことにあります。
今日もCLEMENTが作ってきたタイヤと同じ製法、職人たちの手作業による製造を続けており、
大量生産されるバルカナイズドタイヤとは異なる高品質なレーシングタイヤを提供しています。
かつてのハイクオリティーチューブラータイヤを製造していた技術で、現在主流になっているチューブレスタイヤを造っているメーカー。。。とっても男心がくすぐられるメーカーさんです!前身であるCLEMENT社のチューブラータイヤが高い評価を受けていたことを考えると、その後身であるCHALLENGE社のタイヤも性能は保証されていると言ってもよいでしょう。
CHALLENGEのタイヤの特徴といったらなんといっても手作りで作られていることでしょう!自転車用のみならず、世界中のタイヤの約98%が、チューブなどにも使われている合成ブチルゴムにナイロンケーシングを組み合わせて製造されています。リムに装着されたときの形であるU字型に一体成型して製造する事で、大量生産の実現と生産コストの削減を可能にしています。
しかし、CHALLENGEは天然ゴムが豊富であるタイの工場において、職人たちの手作りでつくられています。つまり、一般的なタイヤは合成ゴムとナイロンを組み合わせて製造されているのが多いのに対して、CHALLENGEのタイヤは天然ゴムにコットンを組み合わせて製造されているため、しなやかかつハイグリップなタイヤを製造することが出来るのです。
↓手作業でタイヤを作っている様子。メーカー様サイトより拝借させていただきました。
このような手作業での製造が、他社ではできない天然ゴム×コットンケーシングと言う組み合わせでのタイヤの製造を可能にしています。
そのしなやかさたるや、なんと300TPI!!!これはほんとにすごい数値ですよ~
TPIとは、1インチあたりのタイヤの繊維であるケーシングの数をあらわした数値になります。この数値が高ければ高いほどしなやかかつ転がりが軽いタイヤとなります。手作りでこだわって作っているからこそ、他社では再現できないほどの軽量で転がり抵抗の低いタイヤを製造できるのです。
タイヤの裏側はこんな風になっています。手触りがとってもさらさらしてて滑らかです。この滑らかさが、コットンを採用しているからできることなんですね。
メーカーさんの参考重量は約260gとのこと。ロード乗りとしてどうしても気になるところだと思うので、測ってみました。
まずは1本目!
1グラムの誤差ですね!なかなか優秀ではないでしょうか。
続いて2本目!
-3gの257gでした!軽い方の誤差はうれしいですね。
手作りなので結構誤差があるかなと思っていたのですが、実際測ってみるとほぼ誤差なしという結果でした。職人たちの技術の高さに裏付けされた品質の高さがうかがえます。
ここまで長い文にお付き合いいただいた方々に感謝を込めまして、チューブレスタイヤのエア漏れをマシにするちょっとしたコツをご紹介したいと思います。それは、タイヤをホイールに組み付ける前にシーラントをタイヤ全周にまんべんなく塗っておくという事です。
非常に多くのチューブレスタイヤを組み付けなくてはならないプロチームのメカニックがやっている方法のため、一定以上の効果はあるはずです。
今回ご説明に使わせて頂くのはこちら。私の私物ではなく、お客様からのご依頼で組み付けを行ったVELOFLEX CORSA EVO TLRになります。このタイヤも数少ないコットンケーシングを採用したチューブレスレディタイヤです。
↑何もしていない状態。路面にグリップする黒い面とサイドのコットンの部分のつなぎ目や、ビードの隙間から空気が抜けてしまうのを防ぐ為、タイヤ全体にわたってシーラントを塗り塗りしていきます。
ビードの部分に塗っている様子。
グリップ面裏側にまんべんなく塗っている様子。ビード部とグリップ部にシーラントをまんべんなくシーラントを塗ることで、タイヤの中の空気を保持する層がよりしっかりと形成されエア漏れを起こしずらくなります。
タイヤを組み付けた後にシーラントを入れ、ホイールごと回転させてシーラントを行き渡らせると言うのが定番の施工方法ではあると思いますが、今回ご紹介した方法で組み付ける事でより確実にエア漏れを防げるはずです。
実際、写真でご紹介させて頂いたこちらのタイヤも最初は空気漏れが止まりませんでしたが、シーラントを塗り直したり継ぎ足したりして行く事で、エア漏れを非常に少なくすることが出来ました。(エア漏れはタイヤの品質が悪いから起こるのではなく、ホイールとの相性や個体差等によって起こる事がほとんどです。そのため、VELOFLEXのチューブレスタイヤが悪いという訳ではありません。)
これに尽きます。アメサイドに惹かれる方も多いと思いますので、ご相談いただければお客さまに合う物を一緒にお探しします!
CHALLENGEタイヤのインプレはもっと使い込んでから上げようと思いますので、お待ちください!