2018/10/20 14:00
現在e‐コミューター店で仕事をしていますが、普段はロードバイク乗りです。
今回の社内試乗会では、そんな両方の目線で「ロードバイク型E-BIKE」の
最新モデル2台を乗り比べてみました!
これらのバイクは見た目通りにロード色が強いのか?
それともE-BIKE色の方が強いのか?
〇YAMAHA YPJ-ER ¥345,600-+TAX
YPJ-Rに続いてリリースされた、ヤマハのロード型E-BIKEの第2弾。
ヨーロッパのトレンドを取り入れた「SEセッティング」が施された
パワーユニットが与えられたバイクの仕上がりはいかに。
〇発進。
ここはアシストバイクの本領発揮ゾーン。
20kg近い車重と35Cの太目タイヤという、ゼロ発進にはネガティブな仕様
ながらスルスルと走り出します。
アシストのマナーも良好。
モードの切り替えによる力感の変化もスムースでフラット。
希望した通りのアシスト力が乗ってくる感触は好印象。
上ハンドルにあるセレクターの配置もサテライトスイッチ的な使い心地で〇。
YPJ-Rのステムマウントと比べ、ボタンも押しやすくなっています。
〇加速。
河川敷のフラットなコースなので、あっという間に30Km/hまで行ってしまいます。
これでは正直アシストの感触なんてわかりません・・・
リアセンター長めで安定傾向なフレーム設計もあって、アシスト速度を超えてからの
素の走りもどっしりした力強さを感じます。
ロードバイク的なヒラヒラした軽快感よりも、ロングツーリングをターゲットにした
安定感重視の設計なのも、本場ヨーロッパを意識したっぽい感じ。
〇上り坂 。
ちょっとした橋ですが、コースには登りもあります。
平坦で加速~コーナーで原則~アシストを当てにしてそのまま登りに突入・・・
すると思ったほどアシストを受けている感じがしません。
おかしいな?と思ってギアを落とすと、力強さが戻ってきました。
アシストバイクとはいえ、適切なギアチェンジはやっぱり大事ということを痛感。
アシスト感が弱いと感じた時に試しにダンシングしてみましたが
BB周りが硬すぎて、まったく進む感じがしません。
シッティングで一定ペースで走るような乗り方がオススメです。
〇BESV JR1 ¥276,000-+TAX
オシャレな小径車やアーバン系を得意とするBESVが 満を持して投入した
スタイリッシュなロードバイク型E-BIKE。
外観からわかる範囲でのYPJ-ERとの違いは、リアハブモーターの採用と
それによるリアセンターの短さ。
それもあって見た目のロードバイクっぽさは、こちらの方が上ですね。
この設計の違いが走りにどう影響してくるのでしょうか。
〇発進。
アシストはメリハリが強めのセッティング傾向。
最もエコなモードだと、100Kmの航続距離を前提にしているためか
アシスト力はかなり控えめに感じます。
グワッと前に出るような感じはなく静かにスルスル進む印象。
ただ、モードを切り替えていけばキッチリ力が乗ってきます。
〇加速。
アシストの効果もあって、こちらも30Km/hはあっという間。
リアセンターが短めなのと、16kgとE-BIKEでは比較的軽い車重なのもあって
素の走りにも軽快感を感じます。
ツーリング車寄りなYPJ-ERと比べると、ロードバイク寄りな感覚は強め。
STIレバー近くにセットされたスプリンタースイッチ的なセレクターですが
操作にはちょっと慣れが必要かもしれません。
今回のようなチョイ乗りのレベルだと、どちらがアップなのかわかりづらく
結構ミスりまくってました。
〇上り坂 。
こちらも適切なギア選びをミスると、望むような力感が返ってきませんでした。
希望するアシスト力のセレクトと、丁度いいギア比の組み合わせ・使いこなしが
この手のバイクの面白みなのかもしれません。
おお、ちゃんとスポーツバイクしてる!
リアハブモーターの構造なので、YPJ-ERと比べればBB剛性はそれなり。
ダウンチューブも極太ですが、ダンシングでバイクを振った時の感じは
ロードバイクの範囲内・・・というか、できなくはないレベル。
ジオメトリーや剛性バランスからすると、このJP1の方がロードバイクからの
乗り換えでも違和感が少ないかもしれません。
YPJ-Rというモデルを持つヤマハだからこそ、あえてキャラクターを変えて
ツーリング寄りの安定感と航続距離の拡大を狙った「YPJ-ER」。
アーバンからスポーツへの路線拡大を目指すBESVのイメージリーダーとなる
ロードバイク的な乗り味(ハンドリングや運動性能)を意識した「JR1」。
各メーカーの狙いはしっかりバイクのキャラクターに反映されていました。
見た目から感じる印象通りのところにそれぞれ着地したのが答えでしょう。
スポーツE-BIKEというカテゴリーがまだまだこれから、といった面もあり
「これが決定版!」というのは、現時点では見えてきていません。
逆に言えば。
「定番」に収斂していく前の時期、これから数年の間は各メーカーの思惑全開で
ある意味「何でもあり」が許される一番面白いタイミングなのかも・・・
と感じた試乗会でした。
で、最後になりますが。
スポーツバイクはフレームサイズとポジションが重要。
より細かい(大きい)サイズの設定を期待します。