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【リハビリライド】電動アシスト付ロードバイクで筑波山の三大激坂を巡る
by: 佐野 隆

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コロナ禍の最中に体調を崩し、白血病と診断されてから数年が経過。罹患後は徐々に身体が衰え、ロードバイクに乗る機会も少なくなり現在に至る。

激坂ヒルクライム

8月の夏合宿以来、2か月ぶりとなる本格的なヒルクライムライドを計画した。



今回は二つのライドテーマを用意、まずはヒルクライムに行くこと。

体の具合が悪くなるにつれ「坂は好きだった筈なのに、もう登りたくない」と言う心境に変化、身体が痛みや苦しみを拒絶反応しているかの様で自然と坂道から足が遠のいていた。

このまま駄目になりそうな弱気に抗う意味で、敢えて筑波山の激坂に挑戦することにした。

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まずは不動峠から風返峠、そしてつつじヶ丘ロープウェイ駅までの定番ルートを軽く流す。

これ電動バイクあるあるで、脚慣らしではなくモーターとアシスト機能に何らかの異常がないかを点検する意味が大きい。

これから挑むのは最大勾配25%を超える激坂、ビンディングシューズで押して登るのは絶対に避けたい。

続いて風返峠から湯袋峠に下り、北筑波稜線の林道を抜け、キノコ山一本杉峠方面に進む。

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鬱蒼とした木々から時折り日が差し込む。

激坂とは程遠い穏やかなサイクリング的ルートであるが、これも今回のライドテーマには欠かせない道のり。

今回のもう一つのテーマ

電動アシスト付自転車のカタログなどには走行可能距離〇〇キロとあるのだが、実際に走ってみるとあまり目安にならなかった。

ライド中は常にバッテリーの残量表示と睨めっこ、時にはアシストを切り節電をしたり、ルート変更も余儀なくされ、その都度ストレスを感じていた。

また山岳コースでは、勾配差などでバッテリーの消耗度合に違いを感じていたので、リハビリついでに今回はその差を確かめる事にした。

○瞬間的に発揮できる最大出力350w

○安定して出力できる定格出力250w

○バッテリー容量250wh(最大500wh)

また、これらの公表されている情報からだけでは、おおよその走行感しか分からない。バッテリーの劣化や電力ロス率、さらに搭載しているユニット毎にどのタイミングでどんな制御がされているかが異なり、これらも走行可能距離に差が生じる原因となると考えていた。

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調べる術が全く無い訳ではないが、実走行時は前提条件が常に変化するので、数値として詳しく調べる意味はあまり無いと今は感じている。


スポーツタイプの電動アシスト自転車は、レンタルや試乗会などで試すのがオススメ。自分に合ったモデルを選ぶと後悔することがない↓↓

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 ちなみに自分はこのバイクでライドをする場合、アシストレベルは2(3段階)の定格最大出力の30%に設定しており、登坂では常に75wの出力でアシストされる状態にしている。

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たかが75wと思うかもしれないが、10%の登坂を想定した場合、他条件にもよるが体重が20〜30kg軽くなったのと等しい走行感を得られる。

まさに背中に羽根が生えた感覚と言える。

ちなみにアシストレベルを最高まで上げると定格最大出力の75%、つまり200w前後のアシストが働き、自分のペダリング出力200wと合わせると400w超と言うプロ選手並のパワーで、その走りでまさに異次元となる。

この状態だと登坂でも息が上がる事もなく、ペダリングの楽しさが半減してしまう。何よりもリハビリに全くならない。

激坂ヒルクライムのつづき

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パラグライダー離陸場でUターンをし、上曽峠から筑波山北側の真壁方面に下る。

そして下った先のコンビニで1回目のバッテリーの残量確認。

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表示は残量67%335wh。

今回は外装延長バッテリーを搭載してしるので、容量は通常時の倍500whとなるので、分かりやすい様に134/200%とする。

筑波高原キャンプ場

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距離4.95km/獲得標高505m/平均勾配10.2%

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ここからようやく本日1本目の激坂が始まる。 

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筑波山高原キャンプ場への登坂は、勾配もさる事ながら、この洗濯板の様な路面状態が終盤に現れルートの難易度をさらに上げている。

 ゴール地点はキャンプ場手前の道を曲がった先にある深峰登山口駐車場。

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登山口駐車場から筑波山を半時計回りに進み、時折り現れる栗爆弾を慎重に避けつつ筑波山梅林に方面に抜ける。

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梅林からは旧筑波山口駅まで下り、本日2本目となる激坂へ向かう。

つくば道

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距離1.68km/獲得標高202m/平均勾配12.2%

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麓から少し進んだこの鳥居から真の激坂区間が始まる。電動アシストの後押しを受けながら自身はフルパワーでペダリングをする。

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さすがの勾配、若干呼吸を乱しながらも何とかゴール。ここで想定外な電動アシスト付きでもギア比が足りない問題が発生。

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このタイミングでバッテリーの残量確認を行う。バッテリー残量72/200%。ゼロ%までは走れないので実際には残り1/3ほどか。

 十三塚峠

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一度風返峠まで戻り、そのまま裏風返方面に下り、幾つもの果樹園を抜け、本日最後の激坂である十三塚のスタート地点に到着。

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十三塚の前半は、勾配が落ち着く区間もありマイペースを維持すれば難易度はそれほど高くないが、中盤に差し掛かるとコンクリート路面に変わり急激に勾配が上がる。

因みにコンクリート路面は、その施工時に急勾配の影響で重機によるアスファルト舗装が困難な状況で用いられる手法。つまりコンクリート路面=激坂急勾配区間と名乗ることが出来る。

少し頑張ってペダリングを続けたが、ここでも先のつくば道と同様にギアが足りない問題が発生。一時的にアシストモードを最大まで引き上げて何とか足を着かずに登り切り事ができた。

これで筑波山三大激坂クライムは完了。

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この後、不動峠からスタート地点の大池公園に戻って本日のライドはすべて終了となった。

バッテリーの燃費 

一般的な山岳コース(序盤)の走行データ

距離36km獲得標高1108m、消費バッテリー165wh、獲得標高に対する燃費6.7m/whとなり、最大走行可能値は109km/3357mUPとなる。

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激坂メインのコース(中盤)の走行データ

距離21km獲得標高906m、消費バッテリー155wh、獲得標高に対する燃費5.8m/whとなり、最大走行可能値は68km/2926mUPとなる。

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約4割もの差が生じた走行距離に比べ、獲得標高ではその差が少ない。事前にコースを設定する場合は、距離ではなく全体の獲得標高を考慮し、登坂区間の勾配で補完した方が適している。



 例えば富士ヒルで有名なスバルラインの獲得標高が1250m、河口湖駅から富士ヒルのスタート地点までが標高差が200m。河口湖駅まで輪行し富士山五合目を目指す富士ヒルライドを計画しても、フレーム内臓バッテリーだけで十分だと分かる。

※車種によるアシスト機能の特性やライダー自身に個人差がありますので参考までに。

最後に

10月14日スポーツの日。

気持ちの良い秋晴れの中、ほぼ予定通りの行程を達成する事が出来た。

身体が衰えると今まで自然に出来ていた事が、ある日突然と出来なる事がある。

ダメだと諦めるのは簡単だが、今は小さな成功体験を積み重ね、自分自身を鼓舞するだけである。

 以上、最後までお読み頂き有難うございます。

 

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