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2016/02/17 16:28
白状します。
初めて見たとき「うわー・・これは・・・」って思いました。
何故こうなった???という気持ちと、何とも表現しづらい違和感は
いまだに払拭できていません。
ですが。
ひょんなことから手に入れた4アームのレコードクランク。
折角なので好き・嫌いではなく、「なぜこうなったか?」を
旧型との比較を交えて探してみたいと思います。
幅広でがっしりした作りの4アーム。
カーボン素材のアピール力は高いですが、グラフィックはやや単調。
クランク剛性とエアロ効果は高そうな印象です。
多少の削り込みはあるものの、チェーンリングは肉抜きなし。
重量増は織り込み済みで、剛性アップを図ったものと思われます。
Cレコ時代から引き継がれる安心の5アーム(1本はクランクの裏)。
カーボンのモザイク感とグラフィックの配置の妙でのっぺり感はなし。
スマートかつ軽快な印象です。
チェーンリングも軽さを重視しているのか、肉抜きが部分が大半。
必要最低限の細い腕で歯を支えている構造です。
重量差も見た目通り。
4アーム(52-36T 172.5mm) 446g (右クランク実測)
5アーム(52-39T 172.5mm) 406g (右クランク実測)
4アームになり40g増えています。
新型なのに。
ということは、連綿と続いてきた「新型=軽量化」ではない
あらたな進化のフェーズに入ったというわけです。
フレームが軽ければ多少の重量増は吸収できる。
敢えてクランクアーム剛性とチェーンリング剛性を上げて
フロントの変速性能アップを図ったとみるのが妥当でしょう。
カンパの電動コンポ「EPS」はモーターの大きなトルクで、
新型フロントディレイラーは腕を長くしてテコ比を大きくとることで、
それぞれ変速時にチェーンを押す力を強めています。
その増大した変速トルクに対応するための4アーム化と予想します。
(決してシマノがやったから・・・というのではない、と思いたい。)
スパイダー部分とチェーンリングの接合部を見ればその違いが一目瞭然。
内側から強い力で押されてもねじれたり撓んだりしないように、
チェーンリングを抑え込むつくりのアウターリング固定部分。
インナーリングの固定部分も肉厚で、この部分をトータルで見れば
ちょっとやそっとでは撓まなそう。
見比べるといかにも華奢な5アームのチェーンリング固定部分。
内側から強い力でアウターリングを押したら、外側に折れてしまいそうな
そんな抑えのきかない構造になっています。
こんな感じであれこれ考えながらじっくり観察してみるうちに、
「4アームも悪くないかも」と思い始めてきました。
食わず嫌いも甚だしいですね。
あとは「実際にバイクにつけてみてどうなるか」。
これもまた重要な要素です。