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カンパの4アームをしみじみと観察してみる。
by: 小西 真人

 

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白状します。

 

初めて見たとき「うわー・・これは・・・」って思いました。

何故こうなった???という気持ちと、何とも表現しづらい違和感は

いまだに払拭できていません。

 

 

ですが。

ひょんなことから手に入れた4アームのレコードクランク。

折角なので好き・嫌いではなく、「なぜこうなったか?」

旧型との比較を交えて探してみたいと思います。

 

 

 

 

 

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幅広でがっしりした作りの4アーム。

カーボン素材のアピール力は高いですが、グラフィックはやや単調。

クランク剛性とエアロ効果は高そうな印象です。

 

多少の削り込みはあるものの、チェーンリングは肉抜きなし。

重量増は織り込み済みで、剛性アップを図ったものと思われます。

 

 

 

 

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Cレコ時代から引き継がれる安心の5アーム(1本はクランクの裏)。

カーボンのモザイク感とグラフィックの配置の妙でのっぺり感はなし。

スマートかつ軽快な印象です。

 

チェーンリングも軽さを重視しているのか、肉抜きが部分が大半。

必要最低限の細い腕で歯を支えている構造です。

 

 

 

重量差も見た目通り。

4アーム(52-36T 172.5mm) 446g (右クランク実測) 

5アーム(52-39T 172.5mm) 406g (右クランク実測)

 

4アームになり40g増えています。

 

新型なのに。

 

 

 

ということは、連綿と続いてきた「新型=軽量化」ではない

あらたな進化のフェーズに入ったというわけです。

 

フレームが軽ければ多少の重量増は吸収できる。

敢えてクランクアーム剛性とチェーンリング剛性を上げて

フロントの変速性能アップを図ったとみるのが妥当でしょう。

 

 

カンパの電動コンポ「EPS」はモーターの大きなトルクで、

新型フロントディレイラーは腕を長くしてテコ比を大きくとることで、

それぞれ変速時にチェーンを押す力を強めています。

 

その増大した変速トルクに対応するための4アーム化と予想します。

(決してシマノがやったから・・・というのではない、と思いたい。)

 

 

 

 

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スパイダー部分とチェーンリングの接合部を見ればその違いが一目瞭然。

 

内側から強い力で押されてもねじれたり撓んだりしないように、

チェーンリングを抑え込むつくりのアウターリング固定部分。

インナーリングの固定部分も肉厚で、この部分をトータルで見れば

ちょっとやそっとでは撓まなそう。

 

 

 

 

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見比べるといかにも華奢な5アームのチェーンリング固定部分。

内側から強い力でアウターリングを押したら、外側に折れてしまいそうな

そんな抑えのきかない構造になっています。

 

 

 

 

こんな感じであれこれ考えながらじっくり観察してみるうちに、

「4アームも悪くないかも」と思い始めてきました。

食わず嫌いも甚だしいですね。

 

 

あとは「実際にバイクにつけてみてどうなるか」。

これもまた重要な要素です。