日本最大級のスポーツサイクル専門店!九州1号店!
2017/05/27 20:28
昔、スチール全盛期に、「選手たちが自腹きって買うフレーム」に
TVT社のカーボンフレームがありました。
ベルナール・イノーやグレッグ・レモンが活躍した時代です。
TVTはもともとヘリコプターのパーツを作っていたらしく
当時も今も変わらず先端技術が集まる航空宇宙産業の企業でした。
カーボンと言えばビンディングペダル普及の立役者、フランスのLOOKが有名ですが
初期のLOOKのカーボンフレームはTVT製でした。
後にTVTから自転車のフレーム部門が独立し、もう一つのビンディングペダルの雄、
同じくフランスのTimeに吸収されます。
その時にカーボンフレーム製作の技術者の一部が同じフランスのLOOKに流れたようです。
相変わらずこの辺の記憶はふわっとしているので、間違えてたらご容赦を…
LOOKのビンディングペダルの技術者が、LOOKでは採用されなかったペダルを出すために
Timeを立ち上げたのは有名な話ですが、フレームもTVTを源流とする兄弟と言っていいブランドです。
Timeが本格的にカーボンフレームを生産するのは90年台に入ってからですが、
それ以前のTVT時代に蓄積したものからすると30年以上と、
LOOK以上に長い歴史を誇ります。
Time 2017 FLUIDITY フレームセット
サイズS
¥410,000-+TAX
今回まず入荷したのはエンデュランス向けのフルイディティ。
誰ですか、ラインナップの中で一番地味!なんで言った人は。
僅か3つしかないTimeのロードモデルの中でも振動吸収にフォーカスし、
「魔法の絨毯」とも言われるTimeの中でも特に乗り心地の良いフレーム。
フルード ライド(流れるようなライド)のコンセプトどおり
路面より上に浮いているような走行感を目指して作られたフルイディティは
カーボンを知り尽くしたTIMEの技術とアップライトなジオメトリー、
優れた振動吸収性も相まって長距離に慣ればなるほど進化を発揮します。
糸から任意の形状に編み上げた繊維を、雌雄の金型に入れて圧力成形されるTimeのRTM工法は
繊維の無駄の無さと、密閉された空間で製造されるため非常に高品位で強度に優れます。
単一方向のプリプレグを積層して作るオートクレープ工法が主流の昨今では
表面に見える綾織や平織りのカーボンは化粧カーボンですが
TIMEのこのカーボン繊維の折り目にはちゃんと設定上の意味があります。
ただ、設備投資(金型代)が高く付くので、頻繁なモデルチェンジには適しません。
思えば新城選手がブイグテレコム時代に駆った名フレームVXRSは5年以上モデルチェンジなしでしたし
未だに自社工場での生産を貫いているところからも
1回のモデルチェンジの開発に相当力を入れているものと思われます。
ラインナップの少なさも資源を集中するためと考えれば納得です。
優れた対衝撃・振動吸収性能を持つポリアミド繊維【バイブレーザー】を
フラッグシップ・サイロンより実に2倍量をフレームに編み込み、
またRTM工法によってそれが前後方向振動のみを吸収することに特化され、
横剛性を損なうことがないよう配置されています。
このコラムのところの糸がポリアミド繊維かな?
在庫はフルイディティインテグラルRTMフォークのもの。
この他にチューンドマスダンバーを搭載したアクティブフォークも選択できます。
もともとTIMEは乗り心地に優れるので、今回はあえて通常のフォークです。
チューンドマスダンバーもすごく興味はありますが。
シートステーはエンド側にむかって細く滑らかにカーブしており、
振動の素早い減衰に効果を発揮します。
ブレーキ側はラグでかなりしっかりした作り。
ブレーキの効きも良さそうです。
チェーンステーもかなり複雑な潰しが入っており
前述のポリアミド繊維の効果もあり、かなりの路面追従性と快適性を期待できます。
BBはBB30規格。
42-68でした。
ここはアルミとなかなか手堅い設計です。
在庫もフレームに付属するシートポストは上下可動に余裕のあるエアロシートポスト。
ISPタイプのダイレクトトランスリンクシートポストを選ぶことも出来ます。
最近のTIMEのフレームはレースの露出はないものの、
わずか4つのモデルが全てフラッグシップという、
なかなか他のブランドにはない尖った構成です。
魔法の絨毯のように「飛ぶように」「滑らかに」を一体どこまで走りで再現したのか?
エンデュランスモデルのフラッグシップがほしい!
妥協のない、オリジナリティーあふれる一台を!!
自転車に乗っている時間が至福のひととき!!というかたに是非!!!