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2017/06/24 14:52
今月号のサイスポでも特集されていましたが
イマドキのスチールバイクがたまらなく魅力的に思えてきています。
スチール素材のロードバイクを持っていないわけではないのですが、
どれも規格はスタンダードなものなので、乗り味もややクラシカル。
カーボンバイクから乗り換える度に「あれ?進まない??」と感じて
いちいち乗り方を変えるのが面倒くさい。
ハンドリングや運動性能に関してはイマドキであって欲しい。
でもスチールフレーム特有のバネ感のある乗り味も欲しい。
というわけで。
〇CINELLI NEMO TIG S(51)イエロームーン ¥240,000-+TAX
まるでアルミフレームかのような各チューブのボリュームですが、
これでもりっぱなスチールバイク。
NEMO「TIG」とあるとおり、チューブの接合はラグでもフィレットでもなく
ティグ溶接ですが、仕上げは相当にハイレベル。
走りに特化した機能優先のスチールバイクというスタンスでありながら
「ハンドメイド・イン・イタリー」の美意識が垣間見えて嬉しくなります。
チューブはコロンバスのニオブ系スチール「SPIRIT」。
トリプルバテッドの薄肉チューブを大径化して、軽さと剛性を両立。
BBもプレスフィット86とクラシックさの欠片もなし。
(2018モデルはネジ切りに変更)
ここを見たら「スチールバイクはしなやか」なんてステレオタイプな
イメージはこのバイクには当てはまらないのがわかります。
リアバックも勿論?剛性重視。
シートステーはひし形、チェーンステーは三角形に近い楕円としならせる気なし。
エンドもクラシカルな板エンドではなく、溶接代が大きく取れるボックス形状。
たまたま素材が「スチール」というだけで、求めているのはイマドキの
「良く走るレーシングロードバイク」なんだなぁというのが分かります。
当然のごとくヘッドはテーパーヘッド。
ヘッド剛性&フォーク剛性はハンドリングのキモ。
この仕様ならば、カーボンバイクとほぼ同じ感覚で
「ブレーキング~倒し込み~コーナリング~加速」が可能。
スチールバイクとは言えこれは間違いなく速く走れるヤツです。
ネガはカタログ値 1,800g(M)とカーボンフレームよりも1キロ近く重い事。
これだけ重量差があれば「持って重い」のは間違いないでしょうが・・・
「乗って重い」かどうかはわからないのが自転車の面白いところ。
「タイムや速さ」に重きを置くならハイエンドカーボンフレーム。
「乗り味や雰囲気」を重視するならクラシック系スチールフレーム。
「カーボンの運動性能と鉄の味わいの両立」と欲張った事を考えるのなら
モダンスチールという選択肢はかなり面白いものになること間違いなし。