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2017/09/27 19:10
何故にニールプライドなのか?
趣味が高じてくると、みんなが知っているいいもの!より
マイナーだけどメジャーブランドに劣らない輝きを持つものに
惹かれることってないですか。
レースやイベント会場に行って、
右も左も自分と同じブランドだった時のあの微妙な感じ…。
いや、決して大手が悪いというわけじゃないんです。
大手ブランドの間違いのない性能、
アフターパーツの入手の容易さ(エンド等)
大事です!
しかしあえてメジャーどころを外す理由の一つに
自分のこだわりというか、目利きを試してみたい
「多くの人はこれの良さを知らないだろうけど、自分は知ってるぞ。」
というまあ他人にとっては至極めんどくさい気持ちを満足させる、
そんな理由が一つ。
そしてこれはニールプライドを選んだもう一つの理由、
乗るのを楽しめるフラッグシップ!
フラッグシップ…魅惑の響き…
予算が許せばいつかは乗ってみたい!
所有してみたいと思うじゃないですか!!
ツールやクラシックであこがれの選手が乗るあのマシン!
素材、仕上げなどにもこだわった
その時点でそのブランドの持てる技術をすべてつぎ込んだ
妥協のない1台!
それに乗ればそのブランドを語れちゃう!
そんな1台。
コンポでいえばデュラやレコード、レッドですよ!
だけど何とか予算をひねり出しても私の場合
そんなスーパーバイク、 多くの場合、なかなか乗りこなせないんです…
これは豪脚の方にはない、
貧脚ならではの悩みなのですが…
ニールプライドはイケる!
最初の出会いは試乗会。(画像は無印のビューラですが)
その前に9台乗ってヘロヘロになった後、
終了時間ギリギリにBURA slに乗ったんです。
実は恥ずかしながら、それまでニールプライドは知ってるのは名前だけ…
レーゼロ履かせた残っていたバイクにまたがり
「大丈夫かな?コレ確か高剛性なほうだったんじゃ…、
それに高剛性ホイールの代名詞のレーゼロってマジで大丈夫か?」
と貧脚ならではの不安を感じつつスタート。
おっ!軽!!
さすが軽量モデル、疲れた体でも、
売り切れて閉店間近の貧脚でも軽さを感じます。
そしてハンドリングが非常にナチュラル。
軽量バイクにありがちなヒラヒラ感からくる落ち着きのなさはありません。
乗り心地も結構快適です。
この辺、まだ10年とたっていないブランドとは思えないくらい老練というかなんというか。
基本的なところはきっちり抑えてます。
で、ここからが他の軽量モデルとはちょっと違う。
剛性高いはずなのに脚に来ない。
最大の特徴はペダリング時に「躍動感を感じる」こと。
ペダルに入力したパワーに対していつもより加速する、
つまり予想より伸びる感じがすることでした。
これが私がBURA slを購入することになった最大の動機です。
多分絶妙な具合にバック三角がウイップしてるんだろうなと。
このカーボンの剛性のコントロールが、
エアロと並んで ニールプライド最大の強みです。
ニールプライドといえばエアロですが、ビューラslに関しては
バランス重視の設計のため、エアロロードのナザレよりはおとなしめ。
しかし平地の単独巡航や下りで、ダウンチューブあたりの
抵抗を感じないのは流石です。
エアロロードのNAZARÉもダウンチューブはエアロロードにしては横に膨らんでいますが
こちらは私でも体感できるほど平地で抵抗が減ります。
BURA slはNAZARÉ slとともにニールプライドのフラッグシップ。(画像はNAZARÉ sl)
近年のフラッグシップは
プロ選手が乗って真価を発揮するように作られたものがそのまま市販されるため
当然ですが私程度の貧脚では性能を十分引き出すことはできません。
というより、端っこのほうをちょこっと…
(鉄の時代は乗りやすいように選手用と市販品で剛性変えることも珍しくなかったらしいです。)
が、BURA sl、すっごい楽しい。
ニールプライド・バイクスを立ち上げた
ブランドマネージャーのマイク・プライド氏は熱狂的なサイクリスト。
それが高じてブランド立ち上げとなったらしいのですが、
設計士の資格ももってるらしく
私の想像するところ
「自分が乗りたいバイクを本当に作って市販した」
なので同じ人類?と思ってしまうサガンやフルームに向けて作られる
フラッグシップとは違うんじゃないかと。
貧脚の私が踏んでも小気味よく前に出ます!
ペダリングもあまり難しいこと考えなくてOK!!
もちろんニールプライドがレース用として
劣っているかというとそんなことはなく
Jプロツアーで活躍したニールプライド・ナンシンスバル
(現インタープロサイクリングアカデミー)は
2016年度はチーム年間総合5位を獲得、
アマチュアーチームランキングでは1位を獲得しています。
つまるところ、
レースで活躍するフラッグシップフレームに乗って
自分のような貧脚でも無理なく走りを楽しめる、
性能の美味しいところをちゃんと引き出せる、
そんなバイクを作るブランドです。
ちょっと蘊蓄
ニールプライド社の設立は1970年。
ヨットのニュージーランド代表選手であったニール・プライド氏が、
ヨットのセイル(帆)をつくるために興した会社です。
帆っていうと麻や綿の分厚い生地を思い浮かべますが
これを当時の新素材のグラスファイバーで作り、
一躍世界最大のセイル供給メーカーになります。
同じ時期に生まれたウィンドサーフィンにも着目し
リーディングカンパニーになりました。
このウィンドサーフィン、風を受けて水面を走るだけかと思いきや
ものによっては(テクニックによっては?)「空を飛ぶ」んですね。
リンク先の動画見てびっくりしました。
で、マストもセイルもしなるしなる!
80年代からはカーボンの製品開発に着手、
カーボン製品の一大サプライヤーとなります。
マスト(柱)はもちろんセイル(帆)もカーボン製があるみたいです。
やっぱりレースになると軽くて高強度なものが必要になるのは
どこでもいっしょですね。
ちなみに同じ80年代、ロードの世界はどうだったかっていうと
アランがカーボンチューブのフレームを世に出しています。
(多分量産としては世界初)
同時期に活躍したベルナール・イノーが涙滴断面のエアロロードでツールを勝利し
エアロのブームが来ることになります。
が、ともに得られる性能のわりに他に失うものが大きく(剛性だったり軽量さだったり)
カーボンロードやエアロロードの本格的な普及は21世紀を待たねばなりませんでした。
つまり、ニールプライドは空力にかけては創業以来47年、
カーボンの扱いもカーボンロードの黎明期からやっているブランドと
同じくらいの蓄積があるということになります。
このニールプライドがロードの世界に打って出たのが2011年。
ニールプライド・バイクスを立ち上げたブランドマネージャーの
マイク・プライド氏は熱狂的なサイクリストですが、
設計士の資格も持つそうで、
自動車、ヨット、飛行機などのデザインで有名なBMWデザインワークスUSAと
コラボで軽量で高剛性なDIABLO、エアロダイナミクスに優れるALIZEを発表。
完成度の高さとデザインの秀逸さからいきなり世界的に最も権威のあるデザイン賞の一つ、iFデザイン賞を受賞しています。