1,493

やっぱり新型MADONE SLR GEN7は速かった・・・常に時代の最先端を行くTREK渾身のエアロロード
by: 遊佐崇史

こんにちはY’s Road福岡天神店のユサです。
個人的に試乗会で一番気になっていたのは自分も所有しているMadone SLRの新型の試乗。リリースされて時間が経ちますが今回ようやく試乗する機会を得たので感想をお伝えします。

【TREK】MADONE SLR6 GEN7

IMG_0327IMG_0334 IMG_0333 IMG_0331トップグレードの800 Series OCLV カーボン製のTREK最軽量のエアロロードバイク。シート後部に設けられたIsoFlowテクノロジーの見た目は大きな反響を呼びました。フレーム、コックピット、ライダーポジションのすべての空力面を見直し時速45キロで一時間走行した場合、前作より60秒も先行することが出来ます。

IMG_0341

一番のトピックはこのIsoFlowでしょうか。バイク表面の気流をスムーズにフレーム内で加速させることによって更なる空力性能を獲得しています。よって前モデルで用いられた調整式のIsoSpeedは廃止となりました、後述しますが乗り心地は非常に良かったです。

①ハンドル周りの軽さでオールラウンダー並みの軽快さ

IMG_0346

IMG_0345先ず乗ってみて際立ったのはハンドル周りの軽さでハンドルをぐいぐい引きながら力を籠める動作の軽快さ。取り付けられているハンドルバーはステムハンドル一体型で今作に合わせて形状を一新させている。一応公式サイトの記載では390mm/420mm x 110mmで293gとある。一方で僕が使っていた旧Madone SLRのハンドルバーは取り外して重量を計った際の数値がハンドル420mm/272g、ステム110mm/213gだった。実にその差93g!それでいてハンドルに柔さは全く感じず体重全体を推進力に換える剛性を持ち合わせている。特に新型のフレア形状は今はやりのブラケットを内に向けるセッティングが出やすくなっていて、前面の投影面積を抑えるので露骨に速さを感じる。前作のハンドルバーはドロップの形状も一般的な日本人の僕にはやや握りづらく、やや不満があったのだが今作の形状はしっくりくる人も多い様に思う。ハンドルバーは汎用ステムで利用可能なものがTREKから発売されていて、気になる方は是非試してほしい。

②IsoFlowは決して快適性を損なっていない

IMG_0339

新しいMadone SLRで特にSNS上で話題になったのはIsoFlowの形状だったが、個人的に気になっていたのは乗り心地の変化だ。前作はいわゆるブーメランのような形状のシートがしなることによってライダーに伝わる不快な振動を除去してくれていた。今作はどうだろう、試乗車体はSLR6だったのでホイールはAeolusPROでタイヤもR1タイヤのクリンチャー仕様、対して私が普段乗っているマドンにはAeolusXXX6ホイールにVittriaのCorsaNextをチューブレスで装着している。

IMG_0338

試乗前の懸念はどこへやら、乗って感じるのは紛れもないスーパーカーの乗り心地。硬質なタイヤアッセンブルではあったが、車体の軽量さも相まって地面を流れていく感覚に病みつきになった。一応メーカーとしては調整式IsoSpeedの一番硬いセッティングが今回のIsoFlowの乗り心地にあたるとのことだったが、自分の感覚としては調整式スライダーの柔らかめの設定に近いとすら思った。IsoFlowも穴の形状に目をとらわれがちだが横から見てみるとかなり大きくライダーを支えるシートポスト全体がフレーム形状に対して後ろに出ている。この部分のしなりがしっかり効いているのだろう。

③肝心の空力性能は

IMG_0336IMG_0335

空力に最も大きな効果を生み出しているのはIsoFlowだとTREKは言う。上の動画のようにIsoFlow内部を通過する空気は乱れが少なく、ライダーを後方にひっぱるドラッグが発生しにくいのだ。実際乗ってみて他のバイクとは違う高速域での速度の落ちづらさを体感出来る。実際にその全てをIsoFlowが担っているわけではなく、新しいフレア形状のハンドルバーが生み出すポジションであったり、細部のフレーム造形、OCLV 800の軽さのすべてを総合して速く、空力性能の高いバイクを完成させていると思った。ただ一つだけ言えるのは自分が所有しているGEN5のMadone SLR(OCLV 700時代)よりは軽く、速く感じた。

④まとめ

IMG_0612

予想していた通り自分のバイクより速かった。若干悔しくはあるが、世代を追うごとに正常アップデートし速くなっていることに安心もした。やはり次買うバイクもMadoneだなと思わせる、そんなバイクだった。ロードバイクの中でも常に空力性能はトップクラスのMadoneはこんな人にオススメ。

・レースバイクとして最高峰のものが欲しい、でも乗り心地も良いのが欲しい!
・とにかく新しい物好き、制作秘話をしっかり公開しているバイクが欲しい
・見た目がカッコ良くて気に入ったから欲しい!

エアロロードでありがちな重い、乗り心地が悪いイメージを覆す全く新しいMadone SLR。もし、予算に都合が付かなければカーボン素材のグレードを下げたMadone SLもオススメです。形状はSLRと全く同一でIsoFlowも搭載され、素材のOCLV500カーボンは800に比べれば重量比で増ですが、その分初心者や脚力に自信がない人でも踏み負けたり疲れやすくなったりしにくいはずなので最初の一台に。

福岡天神店では現在全店で在庫が無いMadone SL GEN7のカーボンスモーク52サイズ(166-172cm)を在庫分としてオーダーしています。メーカー入荷予定は現在12月の予定となってます。他サイズについても現在完売にはなっていないので12月、もしくは1月の納期分で予約が可能です。気になる方は是非お問い合わせください。