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【今月のお題{予算60万で完成車をカスタム}】時代変われど息づく「らしさ」 Pinarelloの真価
by: 山下雄三

ワイズロード福岡天神店では、不定期に【今月のお題】として各スタッフが独自の目線でお客様に様々な商品をご提案する企画を実施いたします。

今月のお題は【予算60万で自分自身が完成車を買ってカスタムするならこれ!】

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「良いバイクとは何か」「良いブランドとは何か」…その答えは時代や様々な状況、答える人のパーソナリティにより変化するもの。
その変化は、進化であったり流行という文言で表現されるものでもあります。

そして、それとは別に『変わらないもの』が存在することも事実。
それは、文化であったり伝統という文言で表現されるものなのでしょう。

バイクチョイスの基準と選んだバイク

改めまして。

まいど、福岡天神店の山下です。

タイムを争い速く走ること、誰よりも速く走り順位を競うこと…私はそれらをずっと昔に諦めた人間なので、純然たるレースバイクは今の私には過ぎたるものなのです。

今の私がロードバイクに求めるもの、それは

「エンデュランスバイクまでは必要ないが、走りに優しさがあること」

「反応性は高すぎなくていいが、しっかり踏んだ際にはそれに付き合ってくれること」

「ライダーを置き去りにしない人車一体となってくれるバイク」

です。

共感してくださる方も少なくないのではないかと思います。

ズバリ選んだバイクは…

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Pinarello RAZHA 105 メカニカル12S(4/10から価格改定で¥340,000とお求めやすくなりました)

言わずと知れたイタリアブランドの一角、伝統を守りつつも革新的なバイクを世に送り出すPinarello。
その末っ子(?)がRAZHAです。

メーカーからのRAZHAの説明文にはこうあります。
『人気が衰えないオーセンティックなONDA シルエットを持つ、DOGMA65.1 直系のベストセラーモデル
「RAZHA」は「DOGMA 65.1」直系といえる最新のアシンメトリック・デザインを身にまとったすべてのサイクリストにお勧めできるパーフェクトなバイクです』

…よく分からんな、と思ったそこのあなた。
あなたは正しい。
説明しましょう。

現行モデルの一世代前にレース界も市場での人気も席巻したバイク『DOGMA65.1』、それを彷彿とさせるシルエットと扱いやすさの融合、決して旧モデルの焼き増しではなく、このモデルのためにジオメトリーを設計し、なおかつこの価格帯であるにも関わらずフレームサイズを10サイズも展開するという、外見も中身も手抜きを一切しないPinarelloの本気がこのRAZHAから見て取れるのです。

フレームのどこかのセクションが強いとか弱いといったバラバラさを感じない車体の一体感、それでいて強く踏んだ際にはすごく適度にたわみを感じ脚に優しい快適性、及び少しのバネ感があるのでそれとシンクロするペダリングを意識すればライダーとバイクの一体感を強く感じることができる味付け。

そして、「安定感や軽快な乗り味があり、加速していくにつれ後ろから押し出されるような感覚」と表現される『Pinarelloらしさ』も薄味だけどしっかりと感じることができる。

今の私がバイクに求める条件を高い次元でクリアしてくれるバイクなのです。
この価格帯でここまでの性能を出せるのか…

パーツをチョイスする

ベース車が決まったので、周辺パーツを選んでいきましょう。

コンポーネントはSHIMANO 105 メカニカル12S、換える必要なし!
十分以上です。
ただし、ここだけは換えておきます。

チェーンとスプロケットのアップグレードです。

ベース車は元からSHIMANO 105グレードのチェーンとスプロケットを搭載していますが、これをULTEGRAグレードにします。
自転車の外装変速は、簡単に言うとチェーンをスプロケットから脱線させる動きをしていると言えます。
ディレーラーでチェーンを脱線させる、チェーンとスプロケットは脱線させられていると言ってもいいと思います。
変速のスムーズさは、脱線させるパーツのグレードも大事だけど脱線させられる側のパーツの精度や強度の方に依存するといっても過言ではないと思っています。

コンポーネントってどのパーツから換える?と聞かれたら、私はチェーンとスプロケットと答えます。

続いてコックピット周辺。
コスメの変化による気分の高揚は当然のこと、車体の上部を軽量化させることによりダンシング時やハンドリングの軽快さを更に向上させることができます。
選ぶのはこれ。

DEDA ZERO100シリーズです。
今回のコンセプトにエアロハンドルもカーボンパーツも要らない。
オーソドックスで、どこまでもユーザーフレンドリーで、かつ高性能なものがいい。
サドルは昔からコレ!というものがありますが、すでに廃版となっている(とても悲しい)ため、まずはそのままで乗ります。

大きなパーツ変更の最後は、ホイールとタイヤ。

まず、カーボンホイールまでなくていい。
というか、アルミホイールを舐めちゃいけない。

価格帯等で並べた場合、挙げられるホイールは…
FULCRUM RACING3 DB
CAMPAGNOLO ZONDA DB 
MAVIC KSYRIUM S
あたりがターゲット。
(シャマルアルミやキシリウムSLが現行品だったら選択肢に入れたけど)

今回は…

FULCRUMだと少しパリッとしすぎるかもしれない、今回はそこまでのキビキビした反応性は求めていない。
MAVICは捨てがたいが、よく見たらPinarelloとDEDAでイタリア色が強くなってるからコスメ的な一体感が薄まる(SHIMANOは?という質問は聞こえない)

乗り味とコスメの両方を満たすホイールとしてZONDAをチョイスします。

タイヤはMAXXIS一択。

理由はいろいろありますが、その中のひとつに「昔レース中に何度もMAXXISタイヤのグリップ力に助けられた思い出があるから」。
お察しください(笑)
あえてクリンチャー仕様で使います。
出先でパンクした時に一生懸命チューブ交換するのもサイクリングの思い出の一つとなるのですよ。
(そこ、うわぁおっさんがノスタルジーに浸っとるなぁとか言わないように)

ペダルはLOOK KEO2MAX

KEO2MAXのボディの適度な硬さとクリートキャッチの感覚が大好きです。

総額どうなったかな

では、結果発表。(価格 黒文字は定価、赤文字はワイズロード店頭価格)

Pinarello RAZHA 105 メカニカル12S  ¥340,000
SHIMANO CN-M8100  ¥5,512
SHIMANO CN-M8101  ¥13,420
DEDA ZERO100ハンドル  ¥18,900
DEDA ZERO100ステム  ¥15,300
DEDA ZERO100シートポスト  ¥12,800
CAMPAGNOLO ZONDA DB  ¥108,900
MAXXIS HIGH ROAD SL TLR(×2)  ¥10,780×2
LOOK KEO2MAX  ¥15,400

総額、¥551,792

うん、しっかり予算内に収まりましたね。

サドルを換えたくなっても予算を超えることはないし、チューブレス化しても問題なし。
シューズやヘルメットの予算に回すのもいいかもしれませんね。

今回挙げたチョイスのバイク、実際に乗ってみたいですね。
おそらく狙い通りの乗り味になっている自信があります。

お題発案者よりご挨拶

こうして悩みながら各社のカタログや情報を食い入るように見て、頭を悩ませながらチョイスしていく…
実際に楽しいのもありますし、なにより勉強になる。
これを店頭でお客様のために活かすことができるというのも嬉しいことです。

今回、福岡天神スタッフひとりひとりが同じように取り組んでいます。
この経験は小さいものかもしれませんが、必ずやお客様の自転車チョイスや各種ご相談に役立てられると確信しています。

今後ともワイズロード福岡天神店にご期待いただき、どうぞお気軽にご来店やご相談を頂ければと思っております。

よろしくお願いいたします。