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2016/11/13 23:29
FELTセミナーin船橋店「もちろん私は最前列」の巻
「フレームの魔術師」、このフレーズは皆様もう覚えていただけたでしょうか。
そう、それはドイツが誇る自転車メーカー「FELT」の創業者「ジム・フェルト」の持つ異名です。
(「なにそれ?!」という方は是非私の過去のブログをご覧下さい。)
兼ねてよりFELTを推して参りました当店ですが(主に私ですが)、なんと先日営業終了後に、メーカー様をお招きして「深夜のFELT会」が開催されました。
当然のごとく私は最前列中央に陣取り、メーカー様にグイグイいく姿勢でプレゼンテーション拝聴して参りました。
今回の勉強会のポイントはズバリ!FELTの「カーボン繊維の重ね方」、そして「カーボンフレームに課す検査」に対するこだわりでしょうか。
以下、簡単にご紹介いたします。
☆FELTのココがすごい!その1「カーボン繊維の重ね方」
カーボンフレームはカーボンのシートを必要な大きさに裁断し、それをモールドと呼ばれる型に重ねながら敷き詰めていくことで作られていきます。
もちろん素材となるカーボンシートの「質」も重要ですが、昨今ではどのメーカーにおいてもその質は拮抗している状態だそうです。
そこでFELTがこだわったのが、カーボンシートの重ね方。
料理に例えると「材料」ではなく「調理方法」にこだわったわけです。
FELTのカーボンフレームにおいては、カーボンシートの大きさ、形状、モジュラス(引っ張り応力)、方向などを指示するレイアップ指示書、つまり「レシピ」の量がなんと他社の6倍以上!
ハイエンドモデルからエントリーモデルまで、全てのグレードで用意されているこの綿密なレシピによって、FELTでは「FAST」「LIGHT」「SMOOTH」のバランスが調和されたバイクが生み出されているのです。
☆FELTのココがすごい!その2「カーボンフレームに課す検査」
カーボンフレームを含めた自転車のフレームはもちろん欠陥が起こり得る工業製品なので、その品質を維持するためには品質チェックが不可欠となります。
そして一般的な自転車メーカーでは製造したカーボンフレームに課すこの品質チェックを全製造数の約5パーセント程をランダムに選び行なうことで、品質を維持しています。
しかしFELTは違います。
FELTでは、なんと製造した全てのカーボンフレームに対して品質チェックを実施。それに加えて「限界強度試験(フレームが何処までの力に耐えられるか)」のチェックもランダムに選ばれたフレームで実施しているそうです。
つまり今当店に並んでいるFELTのカーボンバイクも、私が次に買うかもしれないFELTのカーボンバイクも、品質チェックをクリアした車体 だということなのです。
FELTというブランドがいかに強いこだわりをもったブランドか魅力が伝わったでしょうか。
さて、実は今回メーカー様のご好意により、FELTを代表するいくつかのモデルを持ってきていただけましたので、そちらも軽くご紹介いたします。
もちろん当店でも取寄せ可能ですので、気になった方は是非お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
■AR FRD
まずご紹介いたしますのは、まさにFELTの代名詞ともいえるエアロロード。
トライアスロンの先駆者的メーカーであるFELTが放つエアロロードだけに説得力がある一台となっています。
FELTのカタログの中でも一番に登場するこのモデルは、「現時点で実現可能な究極のカーボンフレーム」とメーカーが豪語する自信作。
FELTが誇る最高グレードカーボン素材「UHC ULTIMATE」を採用したフレームは、競合他社のエアロロードとは一線を画する重量剛性比を実現しており、FELTのトップを飾るに相応しい一台となっています。
この車体で最も特徴的なのが、車体全体を彩るカーボン模様。
実はこの模様、多くのメーカーで行われている「カーボン柄」と呼ばれる意図したデザインではなく、使用される「TEXTREME」という最新のカーボンマテリアル特有の模様なのです。
スウェーデンのOXEON社が誇るこの最新素材は、カーボンシートを編み込む際に使用するカーボンを糸状のものではなくテープ状のものとすることで素材同士の隙間を少なくすることが出来る画期的な技術。
(断面が丸い物を重ねるよりも断面が四角い物を重ねた方が隙間が少ないと想像していただければわかりやすいですね。)
隙間が少なくなることによってカーボンの質を下げる接着剤の使用を少なくでき、カーボン本来の強度を発揮しながらより軽量にすることが出来るのです。(更に詳しい情報はFELTのホームページでご確認頂ければと思います。)
F1や航空機などに採用されているこの技術を今現在自転車のフレームに採用しているのはなんとFELTだけだそうです。
そう、それは高度なカーボン技術を有するFELTだからこそ扱える最先端の技術なのです。
■FR2
「FELT RACING」の名を冠するこのFRは、今年度モデルより新たに登場したピュアレーサーモデル。
好評だった前モデルのレーシングジオメトリーを継承しつつ、FELTが培った最新の研究成果によって快適性と路面追従性が向上したフレームは、レースだけではなくオールラウンドに使っていただけるポテンシャルを秘めております。
上述のTEXTREMEカーボンマテリアルを採用した美しいフレーム。
FRの快適性の向上に大きく貢献しているのが、このトップチューブに直接接続されたシートステイ。
こうすることでサドルからボトムブラケットにかけての柔軟性が12%向上し、加えてシートステイ間の幅が広がることにより横剛性も向上しています。
そしてもうひとつ、写真のシートステイには本来あるべきものがないということにお気づきでしょうか。
そうなんです、リアブレーキを設置するためのブリッジ、加えてブレーキ本体がありません。
FELTによる最新の解析の結果、実はブレーキを設置するためのブリッジは剛性に 影響するどころか、逆に快適性を損ねてしまっているということが判明したそうです。
そこでFRではこのブリッジを取り払うことによってシートステイを柔軟性に特化した造りとし、垂直方向での柔軟性を向上させています。さらに台座を減らすことによって軽量化をも成し遂げることが出来ているのです。
リアブレーキはシートステイからBB下に 移動。
BB下は もともとライダーのペダリングパワーを受け止めるために剛性が高く作られているのでライド時のたわみが少なく、シートステイに設置されるブレーキよりも高い制動力を確保することが出来るのです。
そして何よりも重要なのが「私の好きなイイ青色」という点です。はい、これは非常に大事な要素です。
当船橋店では「青の魔術師」の異名を持つ私新里が自信を持ってオススメできる綺麗な青色の発色となっています。
■VR5
こちらも今年度から新しくなりエンデュランス色が高められたVRシリーズ。
昨年までエンデュランス系という位置づけであったZシリーズに比べても快適性が強調されています。
すべてのモデルにおいてディスクブレーキを搭載している上に、最大で35mmのタイヤ幅に対応しており、グラベルロードとしても立ち回れる懐の深さが魅力となっています。
ちなみにコチラも青!先程よりも淡い青色ですが、車体のメインとなっている黒色と相反する形でその淡さが強調されており、コレはコレでありなのです。
上述のFRにも採用されている快適性が意識されたシートステイ形状を採用。
シートステイエンド部分に施された独特の形状加工。こちらも路面からの衝撃を効果的に緩和する役割を担っています。
フロントチェーンリングには48/32Tと、ロードバイク系に採用されるものよりも軽いギア比のものを採用しており、グラベル的色合いがより一層強くなっています。
今回ご紹介したモデルはほんの一部でありどれもハイエンドモデルですが、FELTのバイクにはエントリーモデルからハイエンドモデルまで全てのモデルにおいてジム・フェルトのスピリッツが宿っています。
今後も精力的にブログアップしていきたいと思いますので、FELTをお考えのお客様は是非、当船橋店までお気軽にお問い合わせいただければと思います。