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【バカ正直インプレVol.16】500km乗って見えてきた。パナレーサーの新作”AGXERO”は「速さ」と「安心感」のバランスが絶妙
by: 下山田航太

交換した直後はどうしても新品補正が入るし、数十km程度では本当の性能まではなかなか見えてこない・・・

物価高で1本1万円のタイヤが相場となる今、ジャパンブランドの底力を感じた1本

耐久性だけを考慮したタイヤなら1本2,000円~4,000円が多く、まだ手の届きやすいタイヤと言えますが、走行性能を考えたタイヤとなると平気で1万円を超えてくるメーカーが増えていて交換するにも容易な気持ちで変えられなくなってしまいました。

そんな中耐久性に関しては賛否ありましたが、価格以上の走行性能を発揮するジャパンブランド「PANARACER AGILIST」の後継「AGXERO」が誕生しました。
アンダー1万円ながら走行性能はそのままに耐パンク性を向上させたと噂を聞きつけ、今回は「VITTORIA CORSA PRO」から乗り換えです。

平坦、荒れた路面、雨上がりの路面、登りや下りなど様々なシチュエーションを走ったことで、このタイヤの性格が見えてきましたので500kmを超えた今、ご検討中の方の参考になるよう、いつものようにバカ正直にインプレしていきます。

インプレッションライダー情報

・身長:177cm
・体重:62kg 実業団時代よりも3kg落ちました…筋肉どこいった?
・サドル高:738mm
・比較機材:DEROSA MERAK×SHIMANO RS171(完成車パッケージと同等レベル) 今の私ではフレームの100%を出し切れませんがサイクリングでも変に足が疲れてしまう剛性ではなく乗りやすいバイク。競技時代だったら適度な硬さでグングン進むそんなフレームです。
・乗り方:カメラ背負いながらのサイクリング(25km/hぐらい)
・最近のトピック:便利なサドルバッグをゲット。近日ブログ公開予定。

第一印象は「軽い」よりも「スムーズ」

AGILESTシリーズと聞くと、とにかく転がりの軽さをイメージする人も多いと思います。

実際、本モデルも十分軽快です。ただ、乗り始めて感じたのは「軽さ」よりも「スムーズさ」。
ペダルを踏んだ力が嫌な抵抗感なく前へ進み、速度が乗った後も失速しにくい印象。特に30km/h前後で巡航している時の感覚が非常に気持ちよく、脚を止めてもスーッと前へ進んでいく感覚があります。

「転がり抵抗が低い」という表現もできますが、個人的にはそれ以上に”走りが滑らか”という表現の方がしっくりきます。ロングライドで脚を温存したい人にはかなり嬉しいポイントだと思います。

路面状況を選ばない安心感

一番印象が変わったのはここかもしれません。最近の高性能タイヤは速い代わりに神経質なものも少なくありません。

綺麗な路面では最高だけど、荒れた路面では気を使う。そんなタイヤもあります。
しかし本モデルは違いました。路面が多少荒れていても接地感がしっかり残ります。

細かな振動を上手くいなしながら進むので、不快な突き上げ感も少なめ。そのおかげで走行中のストレスが非常に少ないです。

特に千葉周辺の道路はお世辞にも綺麗で走りやすいとは言えません。そんな環境で走ることが多い自分にとって、この安心感はかなり大きなメリットでした。

コーナリング性能は予想以上、正直ここは期待以上でした。タイヤを倒し込んだ時の接地感が自然なんです。グリップが高いタイヤは世の中にたくさんありますが、中には限界が急に来るようなものもあります。

本モデルはそうではなく、「まだ大丈夫」「まだ曲がれる」という感覚が掴みやすい。ライダー側が安心してバイクを倒し込めるんです。下りのコーナーや交差点での旋回でも不安感が少なく、扱いやすさはかなり高いと思います。

新たに採用されたトレッドパターンはグリップに影響を及ぼさないと言われていますが、心理的な安心感を持たせてくれるのは多くのユーザーにとってメリットと言えます。

意外だったのは疲れにくさとチューブレス対応

走行距離を重ねて気付いたのがこれ。長時間乗った時の疲労感が少ない。
もちろんタイヤだけの影響ではありません。ですが振動吸収性と転がりの良さが両立しているおかげで、身体への負担が少ないように感じます。80kmを超えるライドでも後半の脚残りが良く、「もう少し走ろうかな」と思える余裕が残ります。これは数値では表せない部分ですが、実際に使う上ではかなり重要な性能だと思います。

また、今回はクリンチャーで使用しましたが、別件でチューブレス作業時を行った際にはエアトラブルが少なく、ビードも比較的上がりやすかった印象を覚えています。

気になる点

AGILESTシリーズの超軽量モデルのような、「踏んだ瞬間に飛び出すような鋭さ」を求める人には少しマイルドに感じるかもしれません。
また、ヒルクライム特化でグラム単位まで軽さを追求したい人なら、別の選択肢となるでしょう。

ですが、その代わりに得られる安心感や扱いやすさ、手に届きやすい価格帯は非常に大きいです。
速さだけを追い求めるタイヤではなく、「速く、長く、安心して走れるタイヤ」という立ち位置だと思います。

在庫状況/まとめ

AGXEROはレースタイヤとロングライドタイヤの中間を狙ったタイヤではなく、その両方をかなり高いレベルで成立させたタイヤでした。

転がりはスムーズ。グリップも高い。乗り心地も良い。そして何より安心して使える。

尖った性能で驚かせるタイプではありませんが、乗れば乗るほど良さが分かる玄人好みの一本。「速いタイヤが欲しい。でも神経質なタイヤは疲れる。」そんなライダーにはかなり刺さると思います。少なくとも500km走った今、自分は次のライドでも迷わずこのタイヤで出かけたいと思っています。

現在在庫しているタイヤは以下となります。

クリンチャー仕様:¥7,920(税込)

チューブレスレディ仕様:¥9,020(税込)