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~スタッフ高橋の奇行~Vol.7 「HELL of FAME」 最もシンプルで最も過酷な挑戦へ
by: 高橋

  • 閉店告知
  • 1701153032244~3

    ワイズロード東大和店の高橋です。

     

    突然ですが「エベレスティング」というものをご存知でしょうか。

    簡潔に言えば”1つのコース“で”1スティント(休憩はOK、睡眠はNG)“で累積標高8848mを登るというもの。

    非常にシンプルなチャレンジで、どこでも誰でも挑戦可能です。

     

     

     

    ただし、

      超過酷。 

     

     

    そんなチャレンジに挑戦してきました!

     

    NO PLAN is MY LIFE

    エベレスティングを決行したのは10月25日のこと。

    もともとは東大和店のスタッフで集まって碓氷峠までサイクリングをする予定でしたが、直前になって碓氷峠が通行止めになっていることが判明。
    どうしたものかと悶々と悩んだ結果、

    「そうだ!エベレスティングをしよう!」
    「いや、そうはならんやろ。」

    頭のネジが外れているどころか、もはやジャンク品となりつつあるスタッフ高橋の前頭前野。

     

    とはいえ、思いつきで地獄の様なライドを計画するのはいつものこと。

    今回もエベレスティングを思いついたのは決行前日の仕事中です。

     

     

     

    長時間バイクから目を離す習慣は無いもので

    仕事終わりに大慌てで装備を整え、輪行袋を持って立川駅へ。

    中央線特急を使って石和温泉駅へ行き、ネットカフェで休息をとります。

     

    しかし、バタバタと準備をしたために休息をとる時間はかなり削られてしまいました。

    普段であればネットカフェで休むときは鍵付き完全個室を選び、バイクは輪行袋に入れて持って入るのですが、時間はすでに午前0時。出発予定は2時30分。
    人気は少ないですし、深夜ですし、なによりただでさえ短いの休息の時間を極力削りたくないため、外置きを決断。
    鍵は3つ付け、風も穏やかだったので輪行袋を被せてチェックインします。

     

    部屋に入って即入眠体勢。

     

    さーて寝るぞ寝るぞー。

     

     

     

     

    ・・・(-_-)

    ・・・・・・(-_-;)

    ・・・・・・・・・(-_-;;)

     

    バイク、大丈夫かな…..。

     

     

     

    結局バイクが心配で一睡もできませんでした

     

     

     なぜ人間は数時間も寝ないと回復できないのか。キリンみたいに20分の睡眠で概ね回復できたら良いのに…。

     

    EVELESTING in 柳沢峠

    眠れはしませんでしたが、スタートが遅くなればその分帰りも遅くなるので深夜2時に行動開始。

     

    今回の拠点となるセブンイレブンに向かいます。

    IMG_20231025_024531

    当然ですがあたりは真っ暗。

    一般の人ならこんな何てことない平日の真夜中に人気のない道路を自転車が走っていたら「やべー奴がいる」と思うでしょうね。間違ってはいませんが。

     

     

    そして午前3時10分。活気付けのコーヒーと補給を済ませ、いよいよエベレスティングを開始します。

     

    舞台となるのは柳沢峠(山梨側)

    16.7kmの道のり、標高差1,000mをひたすら登り続けることができるルートです。

    下った先には24時間営業のコンビニやドラッグストアがあるため、補給も万全に行えます。

     Screenshot_20231128_153358_com.garmin.android.apps.connectmobile Screenshot_20231128_153341_com.garmin.android.apps.connectmobile

    「エベレスティングをやるならここだ!」と以前から決めていました。

     

     

    クライム一回目

    チャレンジの最初というのはだいたい元気いっぱい・アドレナリンドバドバ状態です。

    無論、一回目はやる気満々でスイスイ登っていきます。

     

    真夜中のライドをするとよく「怖くないの?」とか「景色も見れないのに何が楽しいの?」と聞かれることがあります。

    怖くないの?という質問に対しては「怖い時もある」ですが、「景色も見れないのに」は違いますね。

    夜空を見上げたことはありますか?
    星はどれだけ見えているでしょうか?
    ネットに載っている星空より、かなり少ない数しか見えていないのではないでしょうか?

    暗い夜道といえど、街頭がある場所では多少なりとも瞳孔は収縮し、光量を絞っています。

    ところが、人工的な光の届かない場所では瞳孔は開き”見えていなかったもの”まで見えるようになります。

     

     

    今のスマホは撮影設定次第でこんなものも撮れてしまいます。

    IMG_20231025_043731IMG_20231025_043954
    シャッタースピード10s 焦点距離5.56mm ISO感度640

     

    道を照らしてくれる道路灯は便利な反面、人々の目から星を見えなくしてしまう。

     

    この景色こそがナイトライドの醍醐味だったりします。

     

    この写真を撮影するために山頂付近で停車して数分、撮影に奮闘していたのですが、その間に身体は冷却され、下るときには寒さのあまり絶叫しながら下ることとなりました。「もう山頂では絶対止まらない」という教訓を胸に。

     

     

    三回目

    雪化粧をした富士山が陽の光に照らされていきます。

     

    気温は未だに10℃を下回っていますが、日光に照らされると非常に暖かく感じられるようになりました。

     

     

    IMG_20231025_080004 IMG_20231025_080012

    何となくこのあと富士山が見えなくなる予感がしたため、シャッターポイントでは無い場所で数枚パシャリ。

     

     

    IMG_20231025_081628

    その10分後、予感は的中し富士山頂は雲に覆われてしまいました。

     

    五回目

     

    5回目のクライムの前にコンビニで補給をしているとサイクリストに遭遇。その方もなかなかの変態でついつい長話をしてしまい、予定外にタイムロスをしてました。ちなみに後悔はしていない。楽しいひと時でした。

     

     IMG_20231025_120046

    5回目のクライムの最中。正午にちょうどに獲得標高5,000mを達成。

    この時はまだ元気いっぱいだった為、”エベレスティング“を越える”エベレスティング10K“達成を目指してペダルを回し続けました。

     

    七回目

    エベレスティングでは5,000mまでは”フィジカル”。それ以降は”精神力”が達成の鍵となると言われています。

    私自身も6回目までは10,000m登ることを考えながら走っていましたが、徐々に生気が失われ、6,600m以降は数字だけを見つめ「残り上昇量450m…」「残り上昇300m…」「残り100…」と、考えるようになりました。

     

    IMG_20231025_141946_1

    追い打ちをかけるように暗雲が立ちこめ、不穏な風が通り抜けていきます。激しい雷鳴も聞こえます。「いやいや、気のせい気のせい。森林伐採でもしている音だよ。きっと。」

     

    そしてこのクライムでもう1つ問題発生。

    エベレスティング挑戦以前から抱えていた左膝の”違和感”が”痛み”に変化してきました。

    経験上これは無視してはいけない類の痛み

    ここから数時間”エベレスティング”をするか、”エベレスティング10K”をするか。爆弾を膝に、葛藤を胸に抱えながら走り続けることになります。

    IMG_20231025_165948

    ちなみに天気はすぐに回復し、雨風の心配は杞憂に終わり。。。とはいきませんでした。

     

    九回目

    IMG_20231025_200120
    バタバタと風に煽られる幟。視覚的にもげんなりする。

    日もすっかり落ちてしまい、あたりは再び暗闇に包まれ、気温もグッと下がりました。
    予報になかった風も吹き始め(しかも向かい風)、気力は削がれていきます。

     

    エベレスティング(8,848m)の大台を突破するも喜ぶ余裕もなく、それ以上に脳内を支配していたのは

    「この後もう一回登るかこのまま帰るか。」という2択。

     

    正直、登ったところでUターンして重力に身を任せれば、否が応でも帰るためには柳沢峠を登らなければいけない。

    実質的には「この後再び山梨へ下るか、丹波山に下るか。」という2択です。

     

    膝の爆弾が徐々に膨れ上がるのを感じつつ、走り続けること3時間。

    身体は悲鳴を上げ「もう登りたくない」と主張するのに対し、脳内は「柳沢DHすれば10Kしたも同様。嫌でも登らねばならぬのだから。

     

     

    葛藤の末に

    9回目の登頂を終え、折返し地点。

     

    GARMINの停止ボタンを押し、アクティビティの累計データを眺めながら考える

    「[保存]を押したら終わる―」

     

    最後の最後まで迷いつつ。保存の文字に手をかけ

     

    ピピッ

     

    という聞き慣れた音とともに、今回のチャレンジに終止符が打たれました。

     

    安堵とともに迫る後悔の念を「これで良かったんだ」という気持ちで半ば強引に収めつつ、帰路につくこととなりました。

     Screenshot_20231128_154638_com.strava

    今回のチャレンジは

     

    走行距離285km
    獲得標高9,355m
    走行時間14:50:57
    経過時間18:13:50

     

    午前3時にスタートし、終了したのは21時半。

    計画ではこの時間に10Kを終えるつもりだったのですが…。

     

     

    無事 家に帰るまでがチャレンジです!

     

    遠足みたいなノリですが、これは当たり前ですよね。

     

    エベレスティングを終え、「もうあとは下るだけだ」と安堵した私ですが、ここからが一番辛かったかもしれません。

     

    当然辺りは真っ暗で、気温も4℃まで下がってしまっているわけですが、現在ハンガーノック気味。

    身体には発熱するためのエネルギーの余裕などなくなっていたのです。

     

    下り始めて一瞬で凍え、体がガタガタを震え始めます。

    「あ”っ。ア゛ァ゙ァっっ!!!うぅ!!!」と、うめき声を漏らしながらのダウンヒル。

     

    泣きっ面に蜂。丹波山方面は雨が降ったようで路面はビチャビチャ、鹿やらなんやら野生動物のパレードに 吹き付ける冷た~い向かい風。

    勘弁してほしい。

     

    なんとか古里セブンまでたどり着き回復できましたが、ここまでの40kmが一番辛かった。。。

     

    無事帰宅し、体を休めようと思うも、達成感からくるアドレナリンの影響か、なかなか寝付けませんでした。

     

    認定もらえた

     

    everesting.ccにSTRAVAのデータをアップロードして数日。

    STRAVAにコメントが付きました。

     Screenshot_20231126_180637_com.stravaScreenshot_20231128_145043_com.brave.browser

    Andy van Bergen「Congrats on the Everesting Haruki! Great news – this is all approved and live in the www.everesting.cc hall of fame!」

    訳「エベレスティングおめでとう!良いニュースだ。これらは全て承認され、www.everesting.ccの殿堂入りを果たしました!」

     

     

    ★ や っ た ぜ ★

     

     

    認定をもらうことで購入できるようになる「エベレスティングフィニッシャーキット」というものがあり、実はこのジャージ欲しさに走ったと言っても過言ではありません。

    IMG_20231128_160122

    デザインを細かくカスタマイズできる他、文字まで自由に入れることができたりと、非常にそそられるパッケージ。

    IMG_20231128_155536 IMG_20231128_155508

    ジャージ、ビブショーツ、ジレの3つでもそこそこの金額になります。
    今現在金欠の私には買えないので指をくわえながらカスタム画面で楽しむしかできないのですが、お金が溜まったら買おうと思います。

     

     

     

     

     

     

    皆さんも、このジャージを目指してみてはいかがですか?

    特にスマートトレーナーなんかがあると、トレーニング効率は爆上がりしますので冬はスマトレがおすすめです。

     

     

    それではまた別の記事でお会いしましょう!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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    こんな過酷なチャレンジ、思い付きでやるもんじゃないですね。

    つらかったーーーーー。