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~スタッフ高橋の奇行~Vol6.2「こんな過酷なライド、行きとうなかった…」渋々渋峠ライド。【後編】
by: 高橋

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 前編はこちら

前回のあらすじ。

 

髙橋「走る予定?特にないです。」

■■「渋峠行ってきなよ。」

髙橋「350km走るのってキツいんですよ?」

井上「構わん。行け。」

髙橋「は、はいぃぃ~…」

 

 

出発後—

向かい風「よろしく♡」

髙橋「タスケテーーー!!」

 

 

渋峠到着。雪の回廊は…

雪、少なっ!!

まあ ええわ。

 

渋峠に登る理由

渋峠ホテルまでで既に175km。
雪の回廊も特別期待はしていませんでしたし、往復350kmはキツいというのは既知の事実。

さすがにそれを何のモチベーションも無しに走るのは私も嫌です。

では何をモチベーションとしているのかと言えば、「サイクリストたちとの出会い」です。

 

こんなところに挑むサイクリストはだいたい玄人

見たこともないバイクやギア、面白いカスタムをしている人と高確率で遭遇します。

 

すれ違うバイクに目を配り、「おぉ、○○だ。」とか「何だアレは?」と見るだけでも楽しいです。

 

 

渋峠ホテル前で私のバイクと同じ輝きを放つバイクを発見。

 

チタンバイク同士、惹かれ合う何かがある。

 

Tさん「チタンバイク自体あまり見かけないので、見かけると『おっ!』ってなりますよね。」

高橋「めっちゃくちゃ解ります。」

Tさん「写真。撮っても?」

高橋「もちろん。一緒に撮りましょう。」

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 TさんのバイクはKualis Cyclesのオーダーフレーム。
「どこのバイクだろう?」と思い、話を聞いてみると何を隠そう日本のビルダーさんではありませんか。

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左端にチラッと写っているのがTさん。チタンバイク+カメラ。私と非常に近いにおいがする。

しばらくお互いの拘りポイントやら何やらを語り合い、非常に楽しいひと時を過ごしました。

 

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「HGSBT BIKES」ブランド名はビルダーの東畠(Higashibata)さんの子音という超シンプルなものらしい。

横手山ドライブインで遭遇した方のバイク「HGSBT」も初耳。
メインコンポSRAM、ローターはCampagnolo、ブレーキはGROWTACという凄まじい組み合わせ。

 

 

半袖短パンの方も居て驚き。

高橋「寒くないんですか!?」

??「めっちゃ寒いです。」この時の気温は6℃。

高橋「正常な感覚の持ち主で安心しました。(笑)渋峠は初めてですか?」

??「はい。まさかここまでとは…。」

高橋「あ。ご愁傷様です。お気をつけて。」

その後あの方は安全に下れたのだろうかと思いを馳せながら、私も帰路につきます。

 

NORMAL or HELL

帰路につくと言っても現状の選択肢は2つあります。

登ってきたルートを下り、そのまま来た道をなぞって帰る”群馬ルート”。折り返さずに長野側に下り、違う景色を見ながら軽井沢経由で帰る”長野ルート”

群馬ルートは楽ですが、新しい発見も少ないでしょう。
対して長野側はダウンヒルは楽しいですし、私が過去に幾度となく走ったのは長野側。ノスタルジアに浸る事も出来ますし、なにより面白そうです。しかし、走行距離はかなり延びますし、山も1つ追加で越えなければなりません。

 

迷った挙句、風向きで判断することにしました。

追い風アシストありであれば長野ルート、それが期待できなければ群馬ルートといった具合です。

 

行きが北北西に向かって走って真正面からの向かい風だったのであれば、帰りは追い風の可能性が高いはず。

 

下った先の長野県中野市の風向きを確認すると、風向きは南西方向

「いい方向に吹いてくれるじゃあないか!」と長野ルートを選択します。

 

後に私はこの判断を悔いることになります。

 

渋峠ダウンヒル!

長野側のダウンヒルが楽しいと感じる理由は植生の違いコーナーの数やRの違いです。

 

群馬側は森林限界に加え、硫化水素などのガスや火山活動の影響によって映えるスポットが多々あるため、駐車場に入ろうとする車がいます。加えて、コーナーの数も多く、Rもキツイものが多いため、車の流れが詰まりやすいです。

 

長野側は森林限界を下回ると木々に囲まれるため景色を見渡せるような場所は少なく、途中の駐車場に入ろうとする車も比較的少ないです。コーナーの数も少なく、Rも緩やかなものが多いので車の流れもスムーズです。

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渋峠ホテルから1.5kmほど走ると、横手山ドライブインがありますがここからの景色もなかなかのもの。

1.5kmと言っても下りなのであっという間につきます。

 

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横手山ドライブインの隣、「スカイカフェ」。サイクリストで賑わっていました。
寄りたいのは山々ですが、今の私にはそんな悠長にしている時間の余裕はありません。

時間があるときにぜひ立ち寄りたいですね。

 

 

 

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植生が異なるため、雰囲気もまるで違ってくる。

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坊平橋。森の中を走っていると突如現れる開けた道路。

登りの時は反対車線にいるため、さらに圧巻の景色を見ることが出来ます。

 

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 角間大橋を過ぎると道幅も広く、非常に入りやすい道路になります。

そして周囲に見えるのは山・山・山。360°山に囲まれております。

 

思い出に浸りながらダウンヒルを楽しみ、中野市のコンビニで休憩した後はいよいよ家の方へと方向を変えます。

 

WELCOME TO HELL

進む方角を変え、「追い風アシスト頼みます!」と思いながら走り出した瞬間、希望絶望へと変化します。

 

何故だ。。。何故、向かい風が吹いているんだ。。。

それも微風などではなく、結構本格的に向かい風。

 

タスケテクダサーーーーーイ!!

 

想定外の状況はさらに続きます。

長野ルートの場合、軽井沢町(約1,000m)が最高地点だと思っていた私は、須坂市から菅平に続く激坂で再び絶望します。

 

 

いくら登れど終わらぬ坂道。
菅平ってもしかして標高高い?と思い、息を切らせながら恐る恐る検索をかけてみます。

髙橋「Hey Siri.菅平の標高は?」

Wiki「菅平高原は(中略)標高1,250から1,650mの高原地帯です。」

 

タスケテーーーーーーーーー!!!!

 

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まさかこんなにも登らされるとは…

 

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雲行きもだんだん怪しくなってきました。

 

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菅平走りやすーい。

しかし、登りきった頃には天気は回復し始め、「杞憂だったか」と安堵しました

 

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が、日が沈む頃にはしっかり雨に降られてしまいました。

雨雲「油断したでしょ?」

髙橋「What the hell…」

 

 

なんやかんやありつつも、疲労空腹睡魔と戦いながら、無事に日付を跨ぐこともなく帰宅することができました。

今回のライドの振り返り

無題6~2

 

今回のライドは結局400kmオーバーのライドとなりました。

ひとり勝手にブルベをしたようなものです。

事前準備や十分な資金があれば1日400㎞は出来ますが、準備もなし食費もケチってハンガーノック状態で走り続けるというのはそれなりに辛いので、もうやりたくはないですね。

 

とは言っても、渋峠は楽しかったですし、最後の100㎞ほどは追い風になってくれたため快適に走れました。

渋峠は真夏でも20℃前後のことが多いので、是非1度涼みに行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

—後日談—

井上「これで高橋さんはいつでも400km走れることが確定しましたね。」

髙橋「勘弁してください・・・」

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