日本最大級のスポーツサイクル専門店!サイクルライフサポート!
2025/07/21 21:30
ワイズロード東大和店の高橋です。
新たに取り扱いが始まるCOROS DURA。
最長120時間連続稼働を謳うこのサイコンをレビューしてほしいと、スタッフ大元より直々に依頼されたため、
「ロングライダーである私に手渡すということは…つまりそういうことですね?」
ということで1,000kmほど使わせて貰いました。
正直、あまりの化け物スペックに使っていて驚きを通り越してドン引きです(笑)
それではインプレッション!
トピックス
COROS(カロス)はGPSスポーツウォッチやサイクルコンピュータなど、パフォーマンス重視のウェアラブルデバイスを開発・販売する企業です。
2016年9月、アメリカで創業。現在ではランナー向けに多くのスマートウォッチを展開していますが、実は2016年にはクラウドファンディングを通じて自転車用ヘルメットを出していました。
「マラソン界の絶対王者」とも呼ばれるエリウド・キプチョゲ選手のスポンサー企業となり、ランニングウェアラブルデバイスを展開していることから、ランナーに向けた企業かと思いきや、創業直後に出したのはサイクリング用品とは驚きですね。
そんなCOROSがサイクルコンピュータ「DURA」を発表したのは24年6月のこと。サイクルコンピュータという分野においては新米も新米のブランドです。
サイズ: 99.5 x 60.8 x 15.7 mm
本体重量: 97g
ディスプレイ: 2.7インチ MIP液晶
解像度: 400 x 240 ピクセル
保護規格:IP67(防塵・防水)
データ容量:32GB
バッテリー容量:960mAh
稼働時間:70~120時間(ソーラー充電無し)
デバイス接続可能数:12(HRセンサー、パワーメーター、トレーナー、スピード・ケイデンスセンサー、レーダー、SRAM AXS・SHIMANO Di2)
測位:GPS、GLONASS、GALILEO、Beidou、QZSSによる自動GPSモード
搭載センサー:気圧高度計、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、温度センサー
マウント規格:GARMIN
価格:39,600円
アウトフロントマウントなどは付属しますが、センサーの類は別売りとなりますのでご注意ください。
今回、使い古した慣れたEDGE830とソーラー充電機能を持つEDGE1040 Solerを並べて使用するなどして比較してみました。
まずはディスプレイ。
DURAに搭載されているMIP液晶は画素毎にメモリを持っている液晶です。
一般的な液晶は表示している間、常に電流を流す必要があります。対してMIP液晶は一度表示したものをそのまま保持するため、変更が加えられないピクセルには電流を流す必要が無く、消費電力が抑えられるのが特徴です。
GARMINは画面全体がソーラー充電の役割を担っているのに対し、DURAはディスプレイと充電パネルは別々。
明るい場所では彩度、コントラストともにDURAが圧倒的に見やすいという結果に。
DURA>>>830>1040
今回EDGE1050とは比較できませんでしたが、恐らく1050と比較すると僅差で1050の方が見やすいかも?
日陰だとほぼ同じくらいの見た目にはなるものの、やはり少しDURAが優勢。
DURA>830>1040
バックライトがONになった状態。
有彩色はDURAの方が発色が良く見やすいものの、コントラストではEDGE830の方が僅かに勝っている印象。EDGE1040Solerはソーラー充電ディスプレイの関係で少し暗く見えてしまいます。
走行に支障は無いものの、モノクロ表示の数値の読み取り易さでは
830>DURA>1040
夜間走行の場合、画面は黒背景となりますが、この場合も結果はまた変わってきます。
GARMINの方が白黒のコントラストがハッキリしていることに加え、バックライトも明るいため夜間走行ではGARMIN優勢。上の画像は画面輝度100%もしくはMAXの設定。
GARMINの方がぼやけているように見えるかもしれませんが、これはカメラの影響です。
GARMINの画面輝度にカメラを合わせるとこのようになります。
いかにGARMINのバックライトが明るいかがわかりますね。
GARMINのバックライト30%でDURAの画面と同じくらい。
830>1040>DURA
こうして並べて写真に撮ると「DURA見にくい」と思われるかもしれませんが、ヒトの目は明るさを自動調節します。バックライトが明るすぎるとサイコンの主張が激しく煩わしさを覚えることもあるので、明るければ良いというものでもないと思います。
夜間走行もしましたが、特にDURAが見にくく感じることはありませんでした。
優劣をつけてしまうとこのような結果になりますが、そもそも”比べれば”の話であり、単体で使用する分にはどれも視認性に不満はありません。1040は画面サイズが3.5インチと大きく見やすかったです。
COROSのDURAもタッチ操作にも対応してますが、感度はあまり高くありません。
ただし、ダイヤルと物理ボタンによる操作は正確かつ直感的に操作できたため、タッチ感度の悪さがストレスに感じる事はありませんでした。むしろタッチ感度が低いことによって、GARMINで時々発生していた汗による誤作動が起こらなかったのはプラス評価です。
実際、走行中に操作するときはダイヤルとボタンによる操作しか使っていません。
汗が垂れても無反応。この感度の鈍さはむしろメリットだ。
ディスプレイの表示項目の設定も基本的にはCOROSのアプリ上で設定が可能。非常にわかりやすく扱いやすいアプリケーションにより設定も容易で、アクティビティ中であっても同期させて変更を加えることができます。特にサイクルコンピュータ上で複雑な操作が必要ない以上、ボタンとダイヤルだけの操作で特に問題はありません。
操作感に関してはタッチ操作と物理ボタン・ダイヤルによる操作という違いがあるため優劣はつけ難いですね。
強いて言えば今までタッチ操作のサイコンしか使ってこなかった私がすぐに順応できたという事は割と優秀なシステムなのでは?
誤作動防止という観点で言うともう1つイイね!と思ったのがアクティビティの終了方法です。
停止状態から[終了]を選択後、3秒間の長押しでアクティビティを終了できます。これにより、うっかりアクティビティを途中で保存してしまう。といった事故が起こりにくくなっています。
GARMINではこれまで幾度となくスリープ状態にする際に保存ボタンに触れてしまったり、汗や雨などの影響でタッチスクリーンが勝手に反応してしまい、アクティビティが途切れてしまう事故が発生しました。その都度帰宅後にPCを立ち上げてFit File Toolsを使って分断されたアクティビティを繋ぎ合わせていたのですが、そんな煩わしさともオサラバできそうです。
ただ、唯一「んっ?」と思ってしまったのがDi2ボタンによる画面切り替えです。
GARMIN同様、Di2ボタンでページ送りをすることができますが、ボタンを1回しか押していないにも関わらず2ページ進んでしまうことが極稀にありました。その際GARMINは1ページしか移動していなかったため、押し間違いという可能性も無いと思うのですが何故でしょうか。
少し気になった点です。
今回、テスト中に接続したデバイスは計5つ。スピードセンサー、パワーメーター、心拍センサー、レーダーテールライト、Di2。
それぞれ以下のデバイス
スピード:GARMIN スピードセンサーDUAL
パワー・ケイデンス:WAHOO POWRLINK ZERO (シングル)
心拍:CAT-EYE OHR-31(と一時的にGARMIN FENIX 5)
レーダー・ライト:CYCPLUS L7
電動ギア:SHIMANO ULTEGRA R8150
EDGE830とDURAを並べて使用して違い感じたのは、パワーメーターとの接続と、停車時の一時停止までの時間、そして上記[操作性]で説明したDi2ボタンでの操作です。
POWRLINK ZEROと830の接続にもタイムラグは常々感じていましたが、DURAはそれ以上。酷いときには830より1分半ほど遅れて接続されたことも。
他のセンサー類、スピードや心拍センサーなどは830と同程度の接続だったため、相性の問題か何かがあるのかは謎です。
とは言え、一度接続されてしまえばその後走行中に途切れたり何か異常値が出るということもなく。至ってシンプルに、かつストレスなく使用することができました。
スタッフ大元より「パワーデータの拾い損ねがたまにあるらしい」という話も聞いていたのですが、今回使用した6回,1,025kmほどのライドの中で目に見えたデータの欠落を感じることは一切ありませんでした。
データを見返して見ても同じく。
リアビューレーダーの動作もGARMINとDURAで違いはなく、データの精度に関しても特に違和感無しという結果となりました。
信号などで停車した際は830に1~3秒ほど遅れて一時停止になることが多かった印象です。発進時はほぼ同時のように感じました。
そのため、停車回数が多いほどGARMINに比べて運動時間は少し長くなり、平均速度も少し下がるようなデータになります。
これもあくまでも比較すればの話であり、単体で使っていては違和感に感じるほどのことでは無いように思います。
COROSはデバイスのセッティングも含め基本的にはスマートフォンありきで設計がされています。
これは非常にWAHOOと似ていおり、デバイス単体であれこれ設定するGARMINとの違いの1つと言えるでしょう。
デバイスと接続し、アプリ上でディスプレイの表示レイアウトや内容を変更できるため、初期設定はGARMINよりも圧倒的に短時間で終わります。
アクティビティ中にもアプリを介して簡単に変更ができます。
対してGARMIN EDGE830のアクティビティプロフィールは、デバイスの小さな画面の中で設定する必要があるため、初期設定には時間を要します。
しかし、アクティビティ中に表示データを変更したい場合にはサイクルコンピュータ上でササッと変更できてしまうため、これはこれでメリットと言えるでしょう。
COROSとGARMIN CONNECTそれぞれ表示方法の違いこそあれど基本的には同じような内容。大雑把な部分は良し悪しというよりは好みで別れるのではないでしょうか。
細かいところを見ていくとCOROSのアプリには長所と短所が見えます。
まず良いと思ったところ1つ目はラップデータ。
手動で区切ったラップデータの他に、1km,5km,10km毎のラップデータが自動的に作成されます。
GARMINのように○km毎のオートラップなどを設定せずとも勝手にやってくれるのは非常に優秀だと感じました。
良いと思ったところ2つ目はデータグラフの同時表示項目。
GARMIN CONNECTではデータ2つまでしか同時に表示することはできませんが、COROSでは全てのデータを一気に見ることができます。
一度に全てを見ようと思うとグラフはカオス状態になるので現実的ではありませんが、データの表示/非表示の切り替えも可能です。欲しい情報を一度に全て把握できるのは便利ですね。
逆に不満に感じた点はこのグラフをズームしたりはできないことです。
GARMIN CONNECTでは細かく見たい部分はピンチアウトすることで細かく見ることができますが、COROSにはその機能が備わっていません。
これはソフトの問題のため今後のアップデートで機能が追加されることを願うばかりです。
ナビゲーションはCOROSのアプリから簡単に目的地検索、ルート自動生成、転送ができます。Strava、Ride with GPS、Komootなどサード パーティアプリからルートをダウンロードする ことも可能。もちろんGPXファイルなどにも対応しています。
ルートの作成に関してはアプリの自動ルート作成はあまり信用しない方がいいです。これに関してはGARMIN CONNECTでも同じで、曲がる必要のない所で右左折を指示されたりするためです。私は基本的にはGoogle mapで自転車で走行可能かを確認し、頭に地図をインプット、もしくは土地勘や経験則から道を選んで走っているため、あまりコースナビゲーションを使いません。
ルートを作成する場合は手動でStravaもしくはGARMIN CONNECTで作成しています。
マップの拡大縮小はGARMIN EDGE830同様に画面上の+ーを押すことで可能です。
マップの移動に関してはGARMINが手のマークを押してから動かせるようになるのに対し、DURAは単に画面をスライドするだけ。しかしこの動作はタッチ操作で画面をスクロールする動作と同じため、上下にマップを移動しようとしたらページが切り替わってしまった。ということが発生しうると思います。
コースから外れた場合のルート再計算も処理は早く、特段ストレスとなることはありませんでした。
また、本体のアラート音はかなり大きめのため、風切り音が邪魔をしていたとしても聞き逃すことはなさそうです。(過去に暴風雨のブルべで大きくコースアウトした苦い経験が…)
ナビゲーションはターンバイターン方式。右左折などナビゲートされる際には画面下に緑色の枠が出現し、方向指示と交差点までの距離(数値)、距離ゲージが表示されます。
この緑色のナビゲーション画面は走行中しか表示されなず撮影できなかったためCOROSからの拾い画像ですが、画面下のゲージがある事で視界の端で捉えるわずかな視覚情報で曲がる位置がわかるため、非常に使いやすかったです。
DURAの画面表示にはフルスクリーンモードとマルチスクリーンモードの2つがあります。
フルスクリーンモードでは1ページごとに表示内容が全て切り替わる一般的な画面表示です。
1ページで最大9項目まで分割が可能。
対するマルチスクリーンモードでは画面の上2/3を占めるマップ画面は固定。ダイヤルを回したり、スクロールして切り替わるのは画面下のデータフィールドだけ。というモードです。
データフィールドは2項目か3項目のみ。
表示項目はすくないものの、直感的なダイヤル操作によってページの切り替えにストレスがあまりなかったため案外使いやすかったです。
フルスクリーンモードとマルチスクリーンモードはアクティビティ中でも切り替えが可能です。一時停止→上スクロール→マルチスクリーンとアクセスできます。
ブルべや目的地ありきのポタリングなどでは活躍する機能ですね。
COROSも謳う最長120時間ですがこの数値はソーラー充電ナシの場合の話。ソーラー充電も含めた稼働時間はこれまでのサイクルコンピュータの常識を覆すレベルでした。
快晴のなか、奥多摩周遊道路を走った日のライド。
距離:約125㎞
走行時間:4時間30分くらい
経過時間:5時間40分くらい
天気:快晴
1040 SolorとDURAのソーラー充電搭載サイクルコンピュータ対決。1040は充電100%からのスタートです。
結果は15%バッテリーを消費。ソーラー充電により5.7時間の稼働のなかで稼働時間は1時間ほど延長されたようです。
そして気になるDURAのバッテリー消費はというと
0.7%
消費電力も6.2%と低燃費である事に加え、ソーラー充電により賄ったバッテリーは5.5%。GARMINの換算で言うと5.7時間で稼働時間は5時間延長されたような計算になります。
はっ???
また、一時停止中でもソーラー充電は機能するため、もっと休憩をとりながらライドをした場合は消費を上回ることもあるのではないでしょうか?
この驚異的なバッテリーの持ちは「600kmブルべにはモバイルバッテリー必須」という常識をぶち壊します。
別日、福島までのライド。EDGE830との比較です。
目的地は磐梯吾妻スカイライン。天気は曇り。時々陽が差すこともあれば、ゲリラ豪雨に見舞われることもあるような天気。2日間かけて約600㎞走行。
行きの340㎞はCOROSのアプリでコースを作成しナビゲーションをさせつつ、ナビゲーションをガン無視しました。こうすることでルート再計算が必要になるためバッテリー消費も増えるだろうという算段です。
距離:340㎞
走行時間:12時間50分くらい
経過時間:17時間くらい
天候:曇り時々晴れ時々雨
数百回はルート再計算をさせたはずですがバッテリーの消費は16.3%。夜間走行時は充電はされませんし、やはり天気によって充電性能は大きく左右されるのでしょう。ソーラー充電も4.5%という結果に。
とはいえ、これだけ走ってもこの程度。830はというと78%消費。まあ平常運転と言いますか、これが普通だと思います。DURAが異常です(笑)
今回、DURAをお借りしてから1度も充電していません。私の手に渡った時の電池残量は82%でしたが、1,000㎞以上走行してもまだ42%残っています。
バッテリーの持ちは過去最高どころか、比較にならないレベルです。バッテリーを節約するために何か機能が犠牲になっているかと聞かれればそんなことも一切感じることはなく、すこぶる使いやすいサイクルコンピュータでした。
「DURA凄い!」を通り越して「逆に他のサイコンは何故こんなにもバッテリーが減るんだ?」とこれまでの常識を疑ってしまうほどのスペックを誇っています。
所々で日本語の違和感を感じるものや、アプリ内のインフォメーションに日本語がサポートされていない部分があったりはしますがそれもごく一部。使うにあたって支障はありません。(勾配が傾斜度と表示されていたりしますが、意味は分かりますし特に問題視していません。)
ソフトの問題はアップデートによる改善が期待できますし、今後に期待しましょう。
細かい指摘をすればDi2ボタンによる操作の不具合(?)や、アラートの音量調節ができずON/OFFの切り替えしかない事、停車時に何故か勾配表示が狂う(ジャイロセンサーが関係しているのかな?停車する一瞬だけなので特にデータに異常は出ませんでした。)などありますが、基本的には特に不満は無いです。
むしろこのサイクルコンピューが4万円を切る39,600円で販売されている事を考えれば破格すぎるくらいです。
サイクルコンピュータはいささか宗教じみたところがあります。
その理由は蓄積されたデータの統計。GARMIN CONNECTでデータ管理をしている人は一貫してGARMINを使い続けるでしょうし、WAHOOユーザーも同様。
他社に乗り換えたくても”これまで”を失うことに後ろ髪を引かれ、結局同社で揃えてしまう。といった事情があると思います。
しかし、言わせてもらいます。
COROSのDURA、この性能がこの価格。
GARMINとWAHOOは焦った方がいい。
それほどまでにオススメできる優秀なサイクルコンピュータです。
これからサイクルコンピュータの購入を検討している方や、STRAVAなどのサードパーティ製アプリでデータ管理をしている方はもう迷うことなくこのサイコンがオススメです!
先日ようやく東大和店にDURAが入荷しました!
先着2名様にはサイクルボトルのノベルティ付き。
また、近日中に実際に触って動作を確認できる実機サンプルが店頭に置かれるハズですので、気になる方は是非店頭にお越しください。
ご来店お待ちしております!