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【よくある質問】テールランプ(尾灯)って必要なんですか?
by: 佐藤篤

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    ブルベライダーの佐藤篤です

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    今日は安全に関してのお話です。

    真面目になが~く語りますよ。

    あまり面白い話題じゃないけど是非。

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    当店でもよく受けるパーツのご質問

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    あつし

    「反射板が付いてるのにテールランプ必要なの??」

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    法律的には反射板のみで問題はありません。

    ただ、あくまでも個人的な見解ではありますが……

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    日没近く~日の出近くまでの時間帯で

    車道を走る可能性が少しでもあるのであれば

    テールランプを装着しておいた方が良いでしょう。

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    「必要」という方も「不要」という方も

    しっかりと考えた上で今一度判断をしましょう。

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    私が「必要」と考える理由としては以下の三点

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    ①反射板は『受け身』の安全装備

    ハイビーム使用率の問題

    ③反射板とテールランプでは見え方がそもそも違う

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    ①反射板は『受け身』の安全装備

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    まず基本的な事になりますが

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    ・反射板(リフレクター):他の光源からあてられた光を反射するもの

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    ・テールランプ(尾灯):自ら光を発するもの

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    つまりいくら反射板を大量に装備していても

    反射する光源が無いとただの板なのです。

    いわゆる『受け身の装備』ですね。

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    一方でテールランプは自ら光を発していますので

    他に十分な光源が無くても自分の存在をアピール出来るんですね。

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    言われてみれば当然の違いなのですが

    この違いはかなり大きいです。

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    ハイビーム使用率の問題

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    自動車やオートバイの話になりますが

    これらの前照灯には

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    前方40mの障害物を照らすことが出来る ロービーム

    前方100mの障害物を照らすことが出来る ハイビーム

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    の二種類を選択して使うことが出来ます。

    夜間は基本的にハイビームで走行することになっていますが

    対向車や先導車の多い都市部では実質ロービームでの

    走行が基本になってしまいますよね。

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    ではここで話を反射板へ戻します。

    法律で定める反射板の性能は以下の通り

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    (反射器材)

    第9条の4 法第63条の9第2項の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。

    1 自転車に備え付けられた場合において、夜間、後方100メートルの距離から道路運送車両の保安基準第32条第1項の基準に適合する前照燈(第9条の17において「前照燈」という。)で照射したときに、その反射光を照射位置から容易に確認できるものであること。

    (道路交通法施行規則より)

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    「夜間はハイビーム走行を原則にしよう」

    「じゃあ反射板は100m後ろから見えればいいよね」

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    という感じに決まったかどうかは不明ですが

    距離設定の根拠はこのあたりにありそうですね。

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    制動距離100mというのは時速90km/h走行時

    とほぼ等しい状態ですから一般道路では十分な距離ですね。

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    一方でロービームの照射範囲40mを制動距離に直すと

    約60km/h

    になりますので一般道でも十分かどうかギリギリの所。

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    JAFがユーザーテストにて行った実験では

    前方の障害物を認識してから停止するまでの距離に大きく

    影響があるとされています。

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    hi

    ↑ハイビーム時↑

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    low

    ↑ロービーム時↑

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    (出典:https://youtu.be/d9qHfXeq5qw)

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    自転車の反射板が汚れていたり角度が曲がって取り付けられていたり

    車のライトが弱まっていたり…

    外を走っているとそういう整備不良な車体って沢山ありますよね?

    もしそういう車体が自分の後ろから近づいて来ていたら……

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    もはや

    「自分は他人から見えていないんだ」

    くらいの認識で夜間は走行した方が良いかもしれませんね。

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    より遠くから自分の存在を第三者に知らせる

    それがテールランプの仕事なのです。

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    bon

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    Bontragerのテールランプは本当に明るいので

    本当に2km先からでも認識出来そう……

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    ③反射板とテールランプでは見え方がそもそも違う

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    これは実際に見てもらった方が良いでしょう。

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    CATEYE VOLT700をHiにて照射

    (700ルーメン、6000カンデラ)

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    テールランプはCATEYE RAPID 3 AUTO

    (ルーメン・カンデラ数非公開)

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    s_IMG_0052

    5m地点(距離はおよそ)_

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    10m地点

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    15m地点

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    20m地点

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    テールランプはLEDから強い光が発せられているので

    実際のLEDの大きさよりも大きく光源を捉えることが出来ます

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    一方で反射板は当然機能していますが

    あまり強い光源ではないので特定の一点のみが

    明るくなっているといった感じになります。

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    特に20mの画像では反射していることを確認は出来ますが

    窓から漏れる室内灯の方がが明るく見えてしまいますので

    あまり効果が無いように思えます。

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    これらの点を踏まえて私なりのまとめは

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    (リアの)反射板のみの自転車は法的には問題ない

    時速60km/hで走行する車体にとっては

    とても危険

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    走行中の車からはあなたのことは

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    s_IMG_0056

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    この程度しか見えていません。

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    自分のミスで事故をおこすのはまだ納得がいきますが

    巻き込まれるのだけは絶対に嫌なので

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    「私はここにいる!!スマンが避けてくれ!!」

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    というアピールの為に

    私はテールランプが必要だと思うのです。

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    あつし

    「ライトを水平照射すると目くらましになるので注意しようね」