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【スタッフインプレ】TTバイクから受け継がれる究極のエアロ SCOTT FOIL RC10をインプレッション
by: 山崎 航世

こんにちは、広島店の山崎です。

前から気になっていたあのバイクをインプレッション!

※あくまで個人的な感想であり、お店の意見ではありません。
※試乗車と完成車パッケージでホイールスペックに違いがあります。今回のインプレッションは試乗車スペックで行っております。


SCOTT FOIL RC10

完成車価格:¥1,100,000-inTax
フレームセット価格:¥649,000-inTax

試乗車スペック

・SYNCROS CAPITAL SL AERO, 60MM
・vittoria CORSA N.EXT 28Cチューブレス
・ULTEGRA Di2 12速


FOIL RC10

はじめにバイクの軽い説明を致します。

SCOTT FOIL RC10は、UCIワールドチームである“チームDSM・フィルメニッヒ”を支えるエアロロード。同社タイムトライアルバイク“PLASMA”からの技術流用によって設計されており、卓越したエアロテクノロジーをフル活用した平坦爆速バイクです。

インプレ総評

外観通りのエアロバイクです。高い剛性と速いパワー伝達速度を持っており、トップスピードでの安定感や踏み込んだ時の前に進もうとする加速力は流石と言うべきです。
河川敷などの長い平坦を、シッティングのまま足を回転させる事で爆発的な加速と速度維持を可能とするので、平坦を飛ばすのが好きな方に最高のバイクと言えるでしょう。

加速力・平地巡行

最初の漕ぎ出しは、軽くもなく重くもない。多少モッサリした反応ですが、この見た目のエアロバイクにしては比較的軽い漕ぎ出しです。

しかしながらそこからの加速力は素晴らしいです。桁外れの反応速度と剛性感から爆発的に加速していき、あっと言う間に40㎞前後の速度域に到達しました。加速していくにつれて、漕ぎ出しに感じたペダリングのモッサリ感が消えて、自然とケイデンスが上昇していきます。高剛性ながらもしっかりした安定感を感じるので、淡々とペダリングに集中する事が出来ます。バイクと体のリズムが合わさると最小の入力で最大の出力を、連続して続ける事が出来るでしょう。

登坂力

登坂力は残念ながらありません。3~4%の坂であれば勢いのまま登りきる事は出来ますが、それ以上となってくると明らかにモッサリ感が出てきます。

“最高のエアロマシン”をコンセプトに設計されているので、仕方がないといえば仕方がないですね。昨今の流行りである“エアロオールラウンド”をコンセプトとしたバイクはADDICT RCに譲る事で、エアロバイクとしての純度を高めていると言えるでしょう。

剛性

フレーム

硬いフレームではあるのですが、独特の癖を感じました。TTバイクの技術流用での設計だけあって縦剛性は硬いです。シッティングで漕いでいる時にそれを強く感じます。加えたパワーがロスなく全て推進力に変換される為、踏める間は風の如く加速していきます。
しかし勾配1~2%の区間でダンシングした時、ほんの少し溜めを感じました。“ペラペラに作ってるから横は少し柔らかいのか?”と乗っている時に思いましたが、実際その様です。
シッティングで加速しつつ間で休みながらダンシングを織り交ぜて漕ぐことで、体力が底をつく限りコンスタントに加速出来ます。

ホイール

試乗車に搭載されたホイールは完成車スペックと異なります。搭載されるホイールはSYNCROS CAPITAL SL AERO, 60MM。FOIL RCフレームに付けて下さいと言わんばかりの存在感がありますが、実はフレームセット価格よりも値段が遥かに高いホイールです。ハブフランジ・スポーク・リムの全てがカーボン一体成型となっており、極限まで剛性を引き出しつつ1,290gという軽さも誇ります。

率直に言って、硬すぎます。一体構造であるが故に縦にも横にもしなる事無く、踏み込んだパワーがすぐ推進力に変わる事から、それを扱うだけの強靭な脚力が必要です。純正スペックであるSyncros Capital 1.0 50㎜であれば、パワーの溜めを感じながらダンシング出来るはずなので、もう少し楽に走れるでしょう。

ハンドリング

エアロに振り切ったバイクの中では比較的クリアなハンドリングを行えます。嫌な抵抗感が少なく、コーナーにおいても膨らむ事無くキレイに曲がりきることが可能です。特にダウンヒルにおいてイメージ通りにバイクをコントロールする事が出来るので、いつも以上にスピードを上げて下る事が出来ました。

こんな方にオススメ

スプリントが得意なレーサーや平坦を速く走りたい方にオススメの1台です。本格的にスプリントを行うにあたって、ここまで完成度の高いバイクは数少ないでしょう。

価格面でも魅力的なFOIL RC。フラッグシップフレームが約65万円となっており、ヨーロッパブランドと比較すると良心的な価格となっています。
また弟分であり、105Di2を搭載するFOIL RC30は、RC10と同じフレームを使用していながら770,000円となります。大きな違いはコンポーネント・ホイール・ハンドル周りにありますが、フレームセット価格と105 Di2のセット価格で既に約86万円になる事から、コストパフォーマンスに長けていますね。


如何でしょうか。この機会に是非広島店へお越しくださいませ。

ご来店お待ちしております~

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