【スタッフインプレ】次世代エアロロードの走りは凄まじい「COLNAGO Y1RS」
by: 山崎 航世

こんにちは、広島店の山崎です。

タディ・ポガチャル選手が駆り、平坦ステージだけでなく山岳でも活躍した、COLNAGOの新型エアロロードY1RSをガッツリ試乗してきました！

COLNAGO　Y1RS

とにかく「硬すぎない」のがいい

大前提、グランツールの最前線で活躍するトッププロが扱う機材ですので、我々一般人が扱いきれる程度のマシンとは考えていません。特に剛性面やハンドリングのピーキーさはプロ選手の脚力やテクニックに合わせて設計される為、一般サイクリストが扱うとすぐに足が疲れてしまいます。

と、試乗前に思っていましたが…。
Y1RSにまたがってまず感じたのは、「意外と優しい」という乗り味。当然柔らかいという訳ではなく、根底には剛性の硬さをしっかり感じ、踏み込んだ時の加速は剛性相応の速さを見せてくれました。しかし、他ブランドの超硬質なレーシングフレームに比べると、Y1RSは「突き上げるような硬さ」ではなく、「芯の強さで支える剛性」を持っており、フレーム全体の剛性バランスも整っているため、乗りやすく、扱いやすいと感じたのでしょう。

フレームのバランスの良さは、特に登りで感じました。
ダンシング時でもフロントフォークとリアバックがねじれず、ライダーのリズムを崩さないため、特に登りのシーンでペダルを踏み込むたびに一体感を感じられ、淀みなく進んでくれます。剛性は決して過剰ではなく、ライダーの脚質や体重に応じて素直に反応するため、万人に扱いやすい特性を備えていると感じました。

瞬発力と加速の持続

Y1RSの加速性能は、剛性の高さと軽量設計の相乗効果によって実現されています。そのため漕ぎ出しや初速においてまったく重さを感じることなく、そのまま高速域まで、背中を押されている様な感覚で駆け上がっていきました。
また平坦でのスプリントシーンでは、ペダル入力に対してラグのない反応が返ってくるため、一気に速度を引き上げることが可能です。特に、剛性がフレーム全体に均等に分散されているため、リアホイールへ効率的にトルクが伝達され、路面をしっかり掴む感覚があります。

さらに、Y1RS特有のジオメトリーが直進安定性を確保しつつ、ハンドリングに敏捷性を与えているため、集団内での位置取りやコーナー出口での立ち上がりでも俊敏に反応してくれます。これにより、クリテリウムやロードレースのような「加減速を繰り返すシーン」でもライダーのリズムを損なわないでしょう。単なるスプリント性能だけでなく、長時間高い巡航速度を維持する「持続的な加速感」を与えてくれる点もY1RSの強みですね。

登坂での優位性と操作性

フレーム重量はエアロロードの中では軽量クラスに収まりつつも、剛性や安定性を犠牲にしない設計が施されています。試乗したY1RSは実測7.3㎏とエアロバイクらしからぬ軽さに仕上がっていました。
実際にヒルクライムで使用すると、踏力がそのまま車体を持ち上げる感覚があり、ペダリングに「重さを感じない」ことが印象的でした。そのため淡々とペダリングを行うことができ、リズムを崩さず登りきることが可能です。

また、下りも安定してバイクコントロールが行えました。特に高速域からのブレーキングやテクニカルな下りでの切り返しにおいて、フロント周りが軽量なおかげで挙動が素早いのが特徴です。これにより高速域でも「意のままに操れる」安心感が生まれ、レースだけでなくロングライドにおいてもリラックスしてバイクコントロールが行え、疲労を軽減してくれます。

高速域でも信頼できる挙動

前述しましたが、Y1RSはとにかく安定性が高いのが特徴です。剛性や軽さを突き詰めるとどうしても失われがちなバランス感覚を、このフレームは見事に保持しています。特に下り坂や高速域での直進安定性は、私が試乗してきたどのエアロロードより秀でていると感じます。

例えば、下りでも前輪が暴れることなく、路面追従性が高くラインを正確にトレースできるハンドリングだったり。横風に対してもフレーム全体がしなやかに受け止め、過度なストレスを感じない空力性だったり。
本来もっとピーキーな操作感になってもいいレベルの走行性能を誇るにも関わらず、走行性能と同等の安定性を持ち、走行中は常にその安定感を感じながら走ることが出来ました。

総合評価

COLNAGO Y1RSは「剛性」「加速」「軽さ」「安定性」という4つの要素を高い次元でバランスよくミックスしたレーシングフレームです。ペダルを踏み込んだ瞬間の反応の良さ、登坂での軽快さ、高速域での安心感、そして長距離でも疲労を抑える扱いやすさ。これらすべてが融合することで、最高の1台に仕上がっています。

気になる方はお気軽にご相談ください。ご注文お待ちしております。