街乗り文化からスポーツ文化へ!!
ワイズロード池袋本館 Y'sRoad Ikebukuro honkan
[英語対応可]
2022/04/22 12:49
こんにちは、スタッフの安井です。
ここ最近、
PanarecerのAGIRISTや
IRCのASPITEモデルチェンジなど
自転車の足元を支えるタイヤの新製品情報で話題が尽きません。
走行中に唯一地面と接する部品なだけあって
タイヤを変えれば走りは変わる!というのも
オーバーな表現かもしれないですが、
本当にいいタイヤは体感でわかるほどなので
費用対効果が得られやすい重要な部品でもあります。
実際、私も今のタイヤが寿命になったら
次に交換するタイヤの事を考えています。
ですが、交換にあたって思わぬ落とし穴がありますので
今回は主にこれからロードバイクに乗られている方で
タイヤ交換やホイールの交換を考えている方へ向けた情報になります。
目次
街中を見ていると
スポーツタイプや軽快車や電動アシストのものなど
自転車といっても様々なものがあります。
それぞれの自転車についているタイヤの大きさもまちまちで、
様々なサイズのタイヤに合わせて
ホイールがあるのは何となくお分かりかと思います。
ですが一目見ただけでサイズがハッキリわかるわけではないので
タイヤに〇〇インチ~と外径のサイズを刻印し区別されています。
しかし、インチだけでサイズを見るのは要注意!
特に小径車でお問い合わせが多いのですが、
「20インチのタイヤを買ってみたけれど、タイヤが合わない」
というお問い合わせになります。
なぜ適合しないのか簡潔に言うと、
タイヤの固定方式にH/EとWOという
2つの規格が存在するからです。
この両者は方式が違うため微妙にサイズが変わります。
自転車にはetrto(エトルト)と呼ばれる
タイヤ(ビード)とホイール(リム)の規格が存在します。
詳細については後述しますが、
それぞれに推奨の組み合わせがあると考えてもらえれば問題ないです。
26インチや700Cなどタイヤのサイズは様々な呼び方があります。
ですが、どのタイヤ同士が互換があるのか一目では判別が付かないために
共通の規格を定めることになりました。
タイヤの各部名称、その中でも「ビード」と呼ばれる
ホイールに引っかかる部分があり、
そのビードの直径を数値化し、タイヤのサイズが決定します。
ロードバイクに置き換えると、
皆さんはタイヤを購入する際によく700の〇〇Cと言いますが
もう一つタイヤに《〇〇-622(ビード直径)》と
表記があるのを見かけたことはありませんか?
それがetrto規格でのタイヤサイズとなります。
つまり、700×25Cは25-622とイコールです。
先ほど触れた20インチのタイヤも
タイヤの外径は約20インチですが、
ビード直径が406と451があるため適合しないというカラクリです。
タイヤに様々なサイズがあり、そのサイズを決定する要因が
ビード径になります。
先程タイヤにビード直径があるとお話ししましたが、
ホイールにもビード径に対応したものがあるという認識で大丈夫です。
しかし、タイヤにも幅があるように
実はタイヤのはまる部分の幅に大きさがあります。
青色の部分がそれに該当し、
これをリム内幅と呼びます。
数年前はここのリム内幅が15C(1.5cm)のものが主流で
メーカーも15Cのリム内幅に25Cのタイヤ がはまると
タイヤ幅はちょうど25mmになるように設計されていました。
ここの青色の部分に様々な幅があるのですが、
近年、リム内幅が広がっている傾向にあります。
幅が広がる理由については一言で説明すると
より安定した走行をしやすくするためといった感じです。
さらにリム内幅が広がっている要因に
ディスクブレーキの存在があります。
ホイールの外周部にブレーキが存在しなくなるので
幅の広いタイヤを履けますし、
それを見越したうえで安定性を重視してリム幅が広くできます。
このようにタイヤとリム内幅が広くなってきたのですが、
タイヤメーカーが想定しているリム内幅と
ホイールメーカーのリリースしているホイールのリム幅が違うと
想定している性能が十分に発揮できない場合が出てきました。
タイヤとホイールの開発・販売を
全て一つのメーカーで行っていれば話は別ですが…
そこでこれからのスタンダードとなる
タイヤ幅とリム内幅の前提の組み合わせを制定し
タイヤメーカー・ホイールメーカーが
それに合わせて設計を進めています。
それが2020に決まった新etrto規格になります。
上記でタイヤとホイールの規格を定めるetrtoについて触れましたが、
組み合わせについては
リム内幅15Cとタイヤ幅25Cを基準としていました。
その組み合わせの見直しがされ、
リム内幅19Cとタイヤ幅25Cがスタンダードになりました。
これが現在基準となる“新”etrto規格となっています。
イメージしやすいようにリム内幅:タイヤ幅が
15:25から19:25に変わったというわけです。
これの何が問題なのかというと
リムブレーキユーザーの方が多くあてはまる問題になり、
今現在のリムブレーキ用のホイールは
リム内幅が15Cか17Cのものがほとんどです。
装着しているタイヤも25Cのものかと思いますが、
同じ25Cタイヤでも新etrto規格のタイヤに交換したと仮定します。
新etrto規格では19:25を基準にしているのはお話ししましたが、
17:25等の基準外になるとどうなるのか簡潔に説明させていただくと
理論上では
リム内幅が2mm変わるとタイヤ幅は1mm変化するようになっており、
17Cのリム内幅の場合だと
25mmのタイヤ幅は実測では24mmになります。
21Cの場合は26mm幅に変化します。
タイヤ幅が変わると地面との触れる面にも変化があり、
メーカーの推奨の組み合わせから変わることになります。
普段使い等をメインの方はあまり気にならないかと思いますが、
レースやロングライド等でガンガン走るぜ!って人には
メーカーの推奨している組み合わせから変わるわけですから
先ほど説明した十分に性能を発揮できない可能性があります。
実体験を元にお話しすると、
リム幅15Cのホイールに新etrto規格準拠の
28Cタイヤを組み合わせたら
通常であればタイヤ幅も広がって快適性UP!となるはずが、
旧規格の25Cタイヤよりも
振動を拾い挙動も心地の悪い状態になりました。
ではタイヤを選ぶにあたってどうしたら良いのかというと
コツはパッケージの見方にあります。
ここ最近のタイヤのパッケージには新etrtoの表示があり、
購入前にタイヤのetrtoの規格が旧規格か新規格か確認ができます。
↑パナレーサータイヤには推奨の組み合わせが明記されています
実際、今メインで使用している
私のリムブレーキのホイールのリム内幅は17cでしたので
自分が買う場合は23Cのものを選ぶことになります。
もしこの表記のない場合は旧etrtoの場合がほとんどです。
これからタイヤやホイールを選ばれる方は
パッケージやカタログスペックを要チェックです!
もし分からない事があれば
店頭のスタッフに聞いていただいても大丈夫です!
ご不明な点等ございましたら
ワイズロード池袋本館(03-5992-4070)までどうぞ!