街乗り文化からスポーツ文化へ!!
ワイズロード池袋本館 Y'sRoad Ikebukuro honkan
[英語対応可]
2023/04/11 21:56
皆さんこんにちは!
池袋本館の河崎屋です!
今回は先日埼玉県某所にてメーカー様のご厚意でピナレロの新作バイクを試乗する機会を設けていただきましたのでその試乗レポートになります!
関係各位の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。
23年モデルよりPINARELLOのロードラインナップが刷新されたのをご存知でしょうか。
様々な自転車関係のサイトやワイズロードのポータルサイトでも紹介されているので興味のある方はもうご存知のことでしょう。今まで、RAZHA、PARIS、PRINCE、PRINCE FX、DOGMA FというラインナップがRAZHA、X、F、DOGMA Fというラインナップとなりました。
では、新たに誕生したFシリーズとはどのようなものなのか。Fと聞いてまず容易に思い浮かべることが出来るのが、DOGMA FやGRAVIL F、BOLIDE F TTといったドグマをはじめとしたPINARELLO最高峰のモデル。
しかしこのシリーズはそれら最高峰のDNAを受け継ぎ、レーシング・パフォーマンスを求めるより多様なサイクリストの為に開発されました。そのため、複数の種類のカーボンフレーム素材とビルドタイプが用意され価格も様々なものとなりました。今回Fシリーズで試乗が出来たのはF9とF5。最もDOGMAに近いFと、より身近になったFです!
ピナレロロードバイクの最高峰に君臨するDOGMA F。そのDOGMAに引けを取らない性能を持つのがこのF9です。
メインコンポーネントはシマノ R9200系デュラエースDi2とDOGMAと同じ。それ以外のパーツも主に最上級のパーツを使用しています。
DOGMAと大きく異なるのは主に2つ。フレーム形状とフレームに使用しているカーボンの種類です。DOGMAは東レ T1100 1K DREAM CARBON、F9は東レ T900 CARBONと異なります。またフレーム形状もやはりDOGMAの方が薄いなと感じます。DOGMAに一番近いからこそ見劣りはしますが、スペック等をみればハイエンドバイクそのもの。
果たして実力は!?
まず、加速感。DOGMAのような最初からロケットスタートのような加速感ではなく、スムーズで伸びのある加速感です。なので、「うおっ」とびっくりするような感じではないのですが、気づいたらあっという間に時速30kmに到達していきます。
そこからの速度維持はお手の物。風を切り裂くように進んでくれます。個人的には時速25km前後で巡行するより時速35kmを超えた速度での巡行のほうが軽快で心地よく感じました。ちなみにこの感覚はのちにご説明するF5でも感じられたので、より高速度域での巡行に重きをおいたフレーム設計になっているのではないかと思います。この速度維持という点に関してはDOGMAに迫るものでした。
登坂についても、ハンドルが一体型であることによるハンドル回りの軽量化と高剛性化によってか非常にバイクがふりやすく、とてもよく登ってくれる車体だと感じました。ただ、DOGMAのように登坂に関してもグングンと驚くほど進んでくれるわけではないので、この分野では劣るようには思います。
今回試乗して感じたのは、ハイエンドバイクの性能ながら癖がないということ。ハイエンドバイクは割と好みがわかれやすい乗り味のものが多く感じます。しかし、このバイクはあらゆるライドスタイルを許容してくれる乗り味で、ハイエンドグレードとミドルグレードの間の壁を取り払ってくれるような絶妙な立ち位置にあるバイクだと感じました。そのため、ハイエンドバイクに乗ってみたいけど具体的なライドスタイルが確立していない方や、近年の価格高騰によって200万円を超えるようなハイエンドバイクに抵抗がある方などに特におすすめしたいバイクです。
今回はMOSTのホイールが装着されていましたが、これを先日発表されたCAMPAGNOLOの超軽量ホイールHYPERON ULTRAにしたり、より高剛性なホイールを装着するとさらにこのバイクの楽しみ方が増えると思います。
先に説明したF9、及びその下のグレードにあたるF7と同じフレーム形状を採用したFシリーズ内最安価なモデルがこのF5です。最安価とはいえど¥836,000税込であり、価格においては従来のPRINCE FX DISK ULT Di2と同等です。ではそのPRINCE FX DISK Di2と比較してみると、フレームのカーボンは東レ T900に対し、F5はT700。これはPRINCE DISKと同じカーボンを使用しています。メインコンポーネントはR8100系ULTEGRA Di2に対し、F5はR7100系105 Di2です。スペックの面から見ると一見値上げしたように感じますが、実際またがってみるとその先入観が見事にぶち壊されることになります。
加速感はPRINCE FXとほぼ同等。さて少し前の文を見返してみましょう。『フレームのカーボンは東レ T900に対し、F5はT700。これはPRINCE DISKと同じカーボンを使用しています。』この時点で同じカーボンを使用しているPRINCEを超える加速力と剛性感を持っていることに気づかされます。
巡行性能についても時速35±5kmの速度維持が驚くほど快適で、これに関してはPRINCE FXさえ超えた性能を持っているように感じました。フレームに使用されているカーボンのグレードが落ちているにも関わらずこのように感じられるのは、やはり先述の通りフレーム形状の刷新が大きく寄与しているのではないでしょうか。よりエアロにより軽くなったことにより快適さと速度維持を見事に両立されたバイクになっています。
登坂性能に関してはF9に劣りますが、フレーム重量的には40gしか変わりませんし、PRINCEよりは優れており、ホイールが重めなアルミ製であることを考慮すると非常に高い性能を持っていることがうかがえます。
従来のPRINCE FXは販売当初から人気の高い仕上がったバイクでした。しかし、その仕上がっているものを刷新し、全く新たなフレーム形状にするにはそれ相応の理由があり、それだけ自信があるという考え方もできます。このF5にはその理由と自信がしっかりと感じられる「深化した」バイクであると思いました。
初めてカーボンロードバイクを購入したいという方はもちろんのこと、ハンドルを一体型にしたりホイールを変えたりといったカスタムを前提とした2台目以降の購入を考えている方にもおすすめできるバイクです。また、前述の通り速度維持性と快適性が見事に両立されていることもあり、長距離をメインに走られる方にも満足いただけると思います。
今回はFシリーズのなかでもF9とF5というグレードでいえば両端にあたる2モデルを試乗しました。
試乗する前はPRINCEシリーズとあまり変わらないのかなと予想していましたが、蓋をあけてみればFの名を冠するにふさわしいピュアレーシングな性能と、フレーム素材とコンポーネントの組み合わせの違いによって広がったバラエティにより、それぞれのグレードの個性が引き出され、PINARELLOが誇る自転車開発の技術をより身近な存在にしてくれるような懐の深いシリーズになっていると感じました。
以下フォトギャラリーになります!お時間がよろしければご覧ください!
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