日本最大級のスポーツサイクル専門店
2026/04/16 13:33
「こだわる」という言葉はもとは[些細なことに執着し、物事の進行を妨げる]といった悪い意味でつかわれる言葉でした。
しかし現在ではむしろポジティブな表現として、良い意味でつかわれる言葉となっています。
時代とともに文明が発展し、機械が発展し、インターネットが普及し、コミュニティが拡大し、比較されることが多くなった現代。
今までは「無駄」「要領が悪い」と言われていたような細部への”こだわり”が他との差別化を図る”価値のあるもの”となり、「こだわる」という言葉の語義も変遷していったのではないかと思います。
特に趣味の世界とあらば”こだわり”に意味を見出す選択をされる方が多いのではないでしょうか。
AIが発展し、手元の端末で自分の要求を入力すればネット上の膨大なデータから情報を集めて要約してくれる便利なツールがある現代。
ネット通販が普及し、手元の端末で購入ボタンをタップすれば商品を自宅まで配送してくれる便利なサービスがある現代に、実店舗に足を運び、買い物をする理由がどこにあるのでしょうか。
目次
前置きが長くなりました
皆さん、初めまして!
ワイズロード金沢野々市店でTECH(組み立てや修理など)を担当します高橋です!
オープンに向けた準備が着々と進む野々市店。
先日私も引っ越しの荷物の片付けが一段落し、つかの間の休息を無駄にすることなくライドに出かけました。
道幅も広くてキレイで景色もいい。
北陸、控えめに言って最高です。(風は強かったけど…)
実走派ライダー兼TECHですので走りに関する質問から機材の質問まで何でもどうぞ!
大量に入荷した第一便のバイクたちの組み立てを進めていますがせっかくなのでバイクの組立てに関して、”プロとして”どういったことをしているのか一部ご紹介したいと思います。
メーカーによってどこまで組立てがされた状態で入荷してくるかは様々ですが、基本的には工場から出荷された状態の品質は信用していません。
ほとんど組まれた状態のものであっても一度バラして各部位のパーツの固定確認を行ったり、変速機やブレーキのケーブルの長さを調整したりなどします。
こちらはお店で組み立てられたものですが、組み立て初めての方のものでしょうか。ケーブルが無駄に長くてスマートでは無いですね。やり直しです。
手直し後はこんな感じ。だいぶスマートになりました。
この車体の場合、多少ゆとりを持たせたのはサイクルコンピュータマウントなどを取り付ける際の隙間を確保するためです。詳細は長くなるので省きますが、このように後々まで考えて組み立てを進めていきます。
工場でも検品は行われ、問題なしと判断されて製品は世に出回ります。
もちろんその状態で機能するものがほとんどです。その時点でダメであれば初期不良として処理されますから。
ただし、ペダルの回転を支えるBBという部分も、メーカーによっては完璧には精度が出ていないものが存在します。
コチラ、BBが接する部分にまで塗装が乗ってしまっています。
この状態では極僅かではありますがBBが傾いた状態で取り付けされることになります。その小さなズレはクランクシャフトやベアリングに常にストレスをかけ続けます。
この状態でもクランクは入りますし変な引っ掛かりもなく回転します。が、真価を発揮するにはここからひと手間加えます。
専用の切削工具を使って表面を削る作業「フェイシング」を行います。
フェイシングの工程を経て精度が出た状態のBBシェル。塗装面が削れ、左右のBBシェルの面が平行になった状態です。
フェイシング前
フェイシング後
BBを変えずとも部品精度が出ているかどうかだけでこれだけ違いが生まれます。
もちろん非常に工数のかかる作業ですし、そもそもこういった作業に対応していない規格の製品も数多く存在します。
全てのバイクにこの作業を行う(行える)わけではありませんが、こういった作業もバイクのポテンシャルを引き出すには非常に重要な作業であり、高級車を高級車たらしめる「必然の作業」だと思っています。
現在29店舗が展開されているワイズロードは会社全体としては恐らく日本一のスポーツバイクの作業実施件数ではないでしょうか。
ワイズロードではグループウェアを活用した技術情報のデータベースを作成し、個人・個店の持っているノウハウや情報をそのスタッフ・店舗だけに留めず、全店に横展開できる仕組みを構築しています。
整備の進め方のみならず、パーツの不具合やリコール情報の共有もされており、お客様の安全に関わる情報をいち早く収集し、万一の事故発生を可能な限り速やかに防ぐ目的でも活用されています。
お客様とのお話の中でバイクの使い方について伺うことが必ずあります。それによって組立ての方法を少し変えることもあります。
例えば、「トライアスロンで使用する」という会話があった場合、トライアスリートのバイクトレーニングの方法は時間効率の良いスマートトレーナーによるものが多く、その場合ヘッドベアリングは汗によってダメージを受けやすくなります。
さらには本格的な大会になるほどトライアスロンではそこまでテクニカルなコースではなく開けた直線のようなコースが多くなり、ハンドルの旋回性能はあまり重要ではなくなってきます。
その場合、ヘッド周りに使用するグリスを耐久性を重要視したものに変えたりすることがあります。
他にも「今後ハンドル位置を近付けると思う」という会話があった場合には、相談のうえで若干短めのケーブルのセッティングにすることもあります。
今回ご紹介したのは極一部にすぎません。
こういった「こだわり」の数々は、そのほとんどが気付かれることないのは承知の上です。
それでも「こだわり」を維持し続けるのは、私の手から渡った製品がお客様のもとで安心・安全・快適に機能させるためであり、ワイズロードをスポーツバイクのプロショップたらしめるためであり、TECHを任された私のプライドです。
ネットやAIが普及した現代だからこそ、人と人とのつながりを、想いを大切にしていきたいと思っています!
スポーツバイクのご購入は是非ワイズロード金沢野々市店で!
スタッフ一同、皆様のご来店を心よりお待ちしております!