【スタッフコラム】フレームやパーツを守ってくれる仕事人！？ディレイラーハンガーについて解説！！
by: 鈴木 睦生

まず第一、ディレイラーハンガーって何？？

まずディレイラーハンガーというのはこいつのことです。「バイクのフレーム」と「リアディレイラー(後ろの変速機)」の間にある、上記2つを繋げているパーツになります。

なぜこれが超重要なのか

超重要な理由の１つに、とても壊れやすいパーツだということが挙げられます。 壊れやすいパーツなんて厄介なヤツ！！ と非難されそうなディレイラーハンガー君ですが、実は昨今の極限まで軽量化されたフレームやパーツのために、「ワザと」壊れるように作られ、然るべきシチュエーションの時に身を挺して自転車を守ってくれている仕事人的な存在なのです。

ディレイラーハンガーの果たす仕事とは？？

単に自転車を倒してしまった。落車して(乗車中に転んで)しまった。このような場面の際、ドライブ側(変速機器類があり、チェーンが通っている主に自転車の右側)を地面に打ちつけてしまった場合、まず直接地面に打ちつけやすいのは、大きく自転車から迫り出したハンドル、ペダルなどがあります。その中の１つに、リアディレイラーも挙げられます。

↑トップに入れた際大きく飛び出ているリアディレイラー↑

このリアディレイラー本体を地面に打ちつけた際、ディレイラーハンガーの出番というわけです。ぶつけた衝撃の方向にグニャッと曲がってくれることで、その衝撃を吸収、緩和し、リアディレイラー及びフレームを守ってくれるというわけです。(当たりどころによって守れる限界はあります。)

もしディレイラーハンガーが絶対壊れない、ガチガチで頑丈に作られていると、ぶつけた衝撃が全く逃げず、リアディレイラーの故障、運が悪ければフレームまで衝撃が伝わってしまい、フレームの凹みや破断など、廃車にまで追い込まれてしまうケースも考えられます。昨今主流なアルミやカーボンフレームですが、その軽量性や剛性と引き換えに、強い外的要因には大変脆い一面があるため、そうした事故から守ってくれているのです。

もしも曲げてしまったとき

落車など自転車を倒してしまった時は必ずディレイラーハンガーが曲がってしまっていないか確認して下さい！ 曲がったまま乗車してしまうと、簡単に修理出来た状態から大惨事に発展しかねません。転んでしまった、落車してしまった後、正常に変速していたリアディレイラーの様子がおかしいと感じたら、ディレイラーハンガーが原因の可能性がございます。 早急に乗車をやめ、店舗にご相談ください。

↑実際に大きく曲がったディレイラーハンガー。リアディレイラーの位置がズレてしまうため、正常に動きません。↑

壊してしまった時の2つの修理方法

1．新しいディレイラーハンガーに交換

最も確実に修理できるのは、壊してしまったディレイラーハンガーを新しいものに交換することです。当店もこちらの方法をお勧めしています。 交換する際に注意するべきポイントは、モデルによって適合するディレイラーハンガーがそれぞれ違う点。少し大げさにお伝えすると、世の中にある自転車の数だけ、ディレイラーハンガーの種類が存在します。（少しオーバーな表現ですが）

↑一例としてこちらは「2020年以降のBIANCHI C-SPORT 1」と「MERIDA RIDE 80」のディレイラーハンガー↑

お店に全種類のディレイラーハンガーを常備するのは難しいため、メーカーから新しくお取り寄せをしてから修理という流れがほとんどです。 お取り寄せの期間も含め、１週間ほど修理に時間がかかってしまうことをご理解いただければ幸いです。 適合するディレイラーハンガーに関しては、「メーカー」「モデル名」「年式」などの情報をお伝えいただければ、お調べいたしますので、ご相談下さい。

2．曲げなおす

もうひとつの方法としては、曲がったディレイラーハンガーを曲げなおす方法です。 ただしこちらは、あくまで応急処置ということにご注意ください。 ほとんどがアルミ製であるディレイラーハンガーは金属疲労によって強度が大きく落ちやすいです。もう一度衝撃が加わると、大きく曲がりやすく、最悪破断してしまうリスクがあるのは気を付けるポイントです。 このような理由から、やはりお勧めは新しいものに交換になります。

※クロモリ製フレームは一部、フレームとハンガーが一体型となったモデルがございます。その場合は交換が出来ませんので、曲げなおしのみでの修理となります。アルミ製のディレイラーハンガーよりは強度があるクロモリですが、何度も曲げなおしを行っていると、万が一折れてしまうことがありますのでご注意ください。

↑クロモリフレームの一体型ディレイラーハンガー↑

何かおかしいな？？と思ったらお気軽にご相談ください！！

当店でも、新車をご購入いただいたお客様には必ずディレイラーハンガーについてご説明させていただいております。とても小さいですが、壊しやすい重要なパーツの一つです！不具合を感じたらお気軽にご相談ください。

※ディレイラーハンガー修理も含めた作業のご依頼に関しては、完全ご予約制となっております。事前にお電話にてお問い合わせいただいてからご来店をお願いいたします。