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2022/03/06 00:01
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みなさんこんにちは。Y’s Road松山店 関です。
今回ご紹介するのはホイールの回転性能の要、ハブのメンテナンスです。
ホイールはメーカーやモデルによって内部構造が異なるのでお使いのホイールに合った周期でメンテナンスが必要です。
今回はマビック2セットとカンパ1セットの作業をご紹介します。


一番商品名が長く呪文みたいな時のコスミックです。
数年間ガンガン使ったのでベアリングの交換とフリーボディーにグリスの追加をします。

まずはフリーボディーを取り外し。
実は最近掃除したばかりなので汚れはほとんどありません。

ベアリング以外のパーツを取り外し。

シャフトも外します。大きな痛みはなし。
交換するベアリングはオレンジ色の部分。

工具でベアリングを引き抜きます。

無事に取れました!

これが新しいベアリング
これは「カートリッジベアリング」というタイプ
社外製のセラミックベアリングに交換することもできます!
このタイプはシマノ、カンパ以外の多くのメーカーが採用。
分解清掃はできないので数年に一度傷んだら交換になります。
目安は3~5年くらい?

ベアリングを圧入

装着完了

組み戻しにあたってはフリーボディーにグリスを追加し、それとは別に水が入りそうなところには防水のグリスを塗ります。
フリーボディーは足を止めるとカラカラいう部分。
ペダルを踏んだ力をホイールに伝える大事なパーツで、ここが壊れると漕げなくなってしまいます。
マビック、DT SWISS、ボントレガーの上位グレード、シマノR9200デュラホイールは写真のような「ランニングフェイスラチェット」(MAVICではID360と呼ぶ)を採用し、駆動剛性が高く、加速力に優れる構造です。
ID360の場合は専用のグリスを使用します。

フリーボディーとスプロケを付けて作業完了!
ベアリングが新品になったので回転性能も新品同様に復活しました!!


少し古いホイールですね。
極太のカーボンスポークが特徴です。
このホイールは中古で入手したということ、回転の悪さを感じるということでメンテナンスです。
中古パーツは外見がキレイでも中身が傷んでいることがあるので注意が必要です。
しっかりメンテナンスして使い始めましょう!

ハブを分解。
フリーボディーが取れました。

工具を使って古いベアリングを引き抜こうとすると、、
まだ何もしていないのにポロッと取れてしまいました。
傷んでガタになっていたんでしょう。

ベアリングを外した状態

外した前後輪分のパーツ
MAVICはハブの構造がシンプルでパーツ点数が少なくシンプルな構造でメンテナンス性に優れます。

パーツを1つ1つ丁寧に掃除します。

ハブ側も清掃

新しいベアリングに交換

このホイールは先ほどのID360ではなく従来の爪タイプのフリーボディー「FTS-L」
これには専用のオイルを使います。

このタイプのハブは定期的に玉当たり調整が必要です。

完成しました!
ベアリングはノーメンテで数年使えますが、時々錆びてないかチェックした方がいいでしょう。
ラチェット部分は半年~1年に一度必ずメンテナンスが必要です。


カンパニョーロのホイールは1~2年に一度の分解清掃がオススメです。
今回はその作業に合わせてベアリングのアップグレードも行いたいと思います。

カンパのホイールはロックナットが硬くて毎回ヒヤッとします。
自分が組み立てる際は次回固着しないように工夫しています。

フリーボディーを取り外し
定期的にメンテナンスさせていただいているので汚れは少なめ。

ラチェット部分。
MAVICのFTS-Lと近い一般的な構造ですが爪は1つ多い3つ。
グリスが乾き気味で適切なメンテナンスのタイミングでした。

外した前後輪分のパーツ
MAVICよりパーツが多いですが、その分防水性も若干高いです。

パーツをピカピカに磨きます。

ネジの溝まで掃除。

掃除しにくいフリーボディーの溝も完璧!
通常はこのまま組み戻しておしまいです。
カンパニョーロやシマノのベアリングは「カップ&コーン式」で基本的には純正パーツしか使えません。
MAVICなどのシールドベアリング式と違い、1つのパーツを定期的に清掃し、長く使います。
そのため一度摩耗してしまうと性能は戻りません。(交換できる場合もあり)
その代わり、調整者のテクニックで性能を最大限引き出したり、グリスの種類などで耐久性や回転などを調整することが出来ます。

今回はベアリングの純正アップグレード!
BORA ONEなどカンパ、フルクラムのミドルグレードはUSBというセラミックベアリングが入っています。
USBグレードでも他社のベアリングより良く回りますが、40万クラスのハイエンドホイールに搭載されるCULT(カルト)ベアリングは他に並ぶものがないくらい、驚異的なスムーズさです!!
まだCULTのすばらしさを体感していない方は是非お声がけください!
手で触るだけで違いは歴然!体感していただけます。

ホイールに圧入されているカップを取り外し

カップを外して掃除したハブ

新しいベアリングを取り付け。

入りました!
特別ブレンドのオイルを適量入れます。

完成!!
カンパ・フルクラムのホイールは構造上リアが汚れやすいので、リアは年1回、フロントは1~2年に1回がメンテナンスの目安です。
また、ご相談いただければ、耐久性重視、回転重視など多少の調整をすることもできます。
CULTベアリングへのアップグレードによって最強の回転性能を手に入れました。
CULTの軽さは手で回してもびっくりするほどの違いがあります。ホイールはライド中、何千、何万回転もするので加速時やライド後半で違いが明確に出るはずです!
ハブの構造は各社趣向を凝らして設計しているので違いを観察するとメーカーがどこに重点を置いているのかよくわかります。
それぞれの構造に合わせたメンテナンスが必要で、怠るとせっかくのホイールの性能がどんどん下がってしまうので定期的にメンテナンスしましょう。
ハブの分解は簡単そうに見えて超精密作業です。
僅かな砂でも混入すればむしろベアリングを痛めたり異音の原因になるので個人でのメンテナンスは推奨しません。
メーカーや構造ごとに必要なメンテナンスをまとめます。
ハブのメンテナンスには回転性能の「ベアリング」と駆動性能の「フリーボディー」があり、それぞれ必要です。
シマノ全モデル カンパ ゾンダ以上 フルクラム レーシング3以上 クロスバイク用ホイール など
メンテ内容
定期的な清掃・グリス交換。フリーボディー清掃込。
メンテ周期
カンパ・フルクラム 1~2年 後輪は年1回推奨
シマノ 3年前後
その他メーカー2~3年に1回
費用
¥10,560(前後セット)
MAVIC DT SWISS ボントレガー その他多くのメーカー
メンテ内容
傷んだら新品に交換。フリーボディー清掃込。
メンテ周期
3年前後・回転の悪さを感じた時
費用
¥10,560+ベアリング代=約¥15,000~
MAVIC(2016以降上位モデル) DT SWISS・ボントレガー(ミドル以上) シマノR9200新デュラホイール
メンテ内容
ラチェットのみ清掃・グリスアップ
メンテ周期
半年に1回・ラチェット音が大きく感じたら
費用
¥2,640~
ランニングフェイス以外のほとんどのホイール
メンテ内容
ラチェットのみ清掃・グリスアップ
構造によってメンテ不可の物やベアリングと同時にしかできないものもあり。
メンテ周期
モデルにより大きく異なる
MAVIC FTS-L 半年に1回
DAHON K3 3~6か月に1回
カンパ ラチェットのみの清掃不可。ベアリングと同時に年1回
シマノなど 分解清掃不可。基本的にメンテフリー
その他メーカーは1~2年に1回以上目安
ラチェットのメンテナンスは音でも判断できます。
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MAVICのラチェット音です。メンテナンスの前後でカラカラ音が全然違いますよね!
音が大きく感じたらメンテナンス時期です。
ホイールのメンテナンスは意外と頻繁に必要です。
5年以上ノーメンテは要注意!!
お持ちいただければ、状態から必要なメンテナンスをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください!!
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