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ワイズロード 名古屋本館 Y'sRoad Nagoya Honkan
2026/08/19 17:30
どうも、アルバイトスタッフのヒライです。
先日、スタッフと会話をしていて、ホイールのベアリングの話になりました。
そこで、ふと思いました。ホイールの回転の寿命ってどのくらいなんだ?と。
というわけで、ロードバイクにまつわる様々な要素を仮定して計算していこうと思います!
今回はベアリング編です。他にも続きを執筆予定なのでお待ちください。
ホイールの回転を支えているパーツ、ハブ。その中身では、「ベアリング」や「軸受け」と呼ばれるパーツで回転を支持しています。
(SHIMANOホイールは厳密には少し構造が異なるので、今回では考えません)
そして、これらのパーツにも寿命が存在します。その寿命はいかがなものなのか?
という訳で、様々な仮定を敷いて計算していこうと思います。
【注意】ここからいろいろと数式を並べていきます。
もし、読みたくないという方は計算のところはスキップしてください!!
車重を8kg、乗っている人間の体重を70kgとする。また、前後輪では、4:6の割合で荷重がかかっているとする。
ホイールはMAVICのホイールとすると、前輪には6902という型のベアリング、後輪には6903という型のベアリングが使用されており、それぞれ2つのベアリングが使用されていて、前後輪それぞれにかかる荷重を2つのベアリングで等しく分散して支持するとする。
また、走行速度は平均して25km/hで一定だと仮定し、簡単のためにダンシングや路面の衝撃による力を無視し、ベアリングは車重と体重のみを支えているとする。(すなわち、ベアリングに横方向の力は加わらないとする)
そして、ベアリングの劣化はここでは考えないものとする。
という仮定の下、寿命を計算してみます。
本来、ベアリングには軸方向の力とそれに垂直な方向に力がかかるため、それを考慮して力を仮想的に計算する必要がありますが、今回はそれを考えず、掛かる荷重がそのままベアリングの軸に直交する力として加わると仮定します。
すると、78kgの荷重を前後輪で4:6で支えるので、前輪に31.2kg、後輪に46.8kgがかかります。
よって、前輪の6902ベアリングは一つあたり15.6kg=152.88[N]、後輪の6903ベアリングでは一つあたり23.4kg=229.32[N]がかかることになります。
そして、ベアリングの特性値として、基本動定格荷重(Cr)というものがあります。これは、ベアリングの基本動的負荷能力を表し、100万回転するときの基本定格寿命を与える荷重となります。金属製の6902ベアリングでは4.05[kN]、6903ベアリングでは5.15[kN]となっています。(参考:https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/digital/2203/index.html#target/page_no=21)
これらの値を用いて計算します。
ベアリングの寿命は↑の式で与えられます。左の式は回転時間、右の式は回転数で寿命を与えます。
25km/hで走行しているとき、ホイールの回転数は、周長を2.1mとすると、25km/h=416m/minであり、周長を2.1mとすると416/2.1で約198[rpm]となります。これに加え、Cに基本動定格荷重、Pに実際にベアリング一つにかかる力を入れて計算すると、以下のようになります。
ふぁっ!!??
ホントかよこの数値!?
前輪について、わかりやすい単位に直してみます。
1,564,936[h]=65,205[日]=178[年] ←?????
18,591.44×1000000×2.1÷1000=39,042,024[km] ←?????
一生モノどころか一生かけても寿命来ないやん・・・
いや待て。さすがに条件を簡単にしすぎたか。
というわけで、ベアリングの使用状況や安全率、衝撃なども考慮して荷重を変えてみます。
まず、衝撃について、荷重の2.5倍がかかるとします。これで、よっぽど大きい衝撃でもないかぎり、路面の細かな凸凹からくる負荷を仮定できるとします。
つぎに、ベアリングの使用環境について、普通の汚染状況、すなわちシールなし、摩耗粉や周囲から粒子が侵入する状況を仮定します。シールされていないわけではないものの、異物が侵入する可能性は考えられるので、このように仮定します。この状況では、寿命に係数0.2を乗じます。
そして、安全率として3を採用し、寿命を3分の1に見積もることで故障までのゆとりを考慮します。
これ以外の条件はさきほどと一緒であるとして、再度計算すると・・・
さっきよりは現実的な値が出てきました。
回転数では分かりにくいので、具体的な距離に直してみると、
79.323×2.1×1000000÷1000=166,578.3[km]
それでも16万キロという結果になりました。こんなに回転できるもんなんですね。
ただし。
今回はあくまで荷重が合計78kgであったり、ベアリングの劣化(錆びや摩耗)を考慮していなかったり、速度を25km/hで一定と仮定したので、必ずしも全てのホイールがこれほど走れるわけではありません。また、製品ごとに精度にバラツキがあったり、異物(水や粉じん)の侵入、グリスの劣化なんかも考えられます。それに、想定されていない衝撃が加わることも結構あり得る為、あくまで参考値でしかないことにご注意ください。
だとしても寿命長すぎますよね。
これは私の一意見でしかないのですが、スルーアクスルになってベアリングが大径化したことにより、ベアリングの耐久性も上昇したことが考えられるのではないかと思います。だって、前輪のベアリングで、定格荷重が4050N、つまり約413kgですよ。自転車に使うには結構過度なスペックなんじゃないか?と考察します。
ホイールのベアリングは、(水などの異物が入らないよう注意し、メンテナンスもしっかりすれば)よっぽど壊れるような使い方をしない限り安心して乗ってよいことがわかりました。
ここでまた疑問が生じました。
「セラミックベアリングは、なぜ良いんだ?」と。
一般に、セラミックベアリングは、「耐久性が高く、回転もスムーズになる」といいます。でも、耐久性について、上の数値を見る限り、金属製でも耐久力が高く、関係ないように思えます。それでも、実際にはセラミックベアリングの方が壊れにくいと言われるのはどういうわけなんでしょうか?

(引用:https://www.oiles.co.jp/products/bearing/media/bearing/)
一般に、セラミックベアリングは通常金属でできている転動体(玉)をセラミックに変更したものです。ものによっては外輪や内輪にもセラミックを使用したり、特殊な加工がされているものも存在します。
セラミックは、素材として金属よりも硬く、錆びないという特性があります。そのため、耐摩耗性能が高く、また劣化しにくいことが、高耐久力と呼ばれる所以となっています。また、自己潤滑性が高く、高熱にも強い特性(熱変形しにくく、削れにくい)を持ちます。
つまり、高速巡行であればあるほど、セラミックであることのメリットが大きく、また走りもスムーズになると言えるでしょう。
また、金属よりも軽量です。細かい部分の軽量化を重ねることも、スピードを求める方には重要かも!?
その一方で、硬いということは、すなわち強い衝撃に弱いということです。硬さ(硬度)と衝撃への強さ(靭性)はトレードオフなので、極端に強い衝撃が加わらないよう配慮してやる必要がありますね。
MAVICでは、最近のモデルに元からセラミックベアリングが搭載されているものも登場してきています!
また、MAVICはハブの点検がしやすい特性を生かし、セラミックベアリング化キットも存在しています。
それから、驚くほど滑らかになると評判のONI BEARINGもセラミックベアリングです!
ワイズロード名古屋本館ではONI BEARINGの導入も可能ですよ!
ホイールに合うベアリングは様々な型番があるので、気になる方はご相談ください!
ご来店お待ちしております。