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【2022佐渡国際トライアスロン出場】長い長い旅でした。
by: 桂川貴充

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皆様こんにちは!パパとしては100点!旦那としては0点!と妻に言われた桂川です!ちょっと意味不明でしたが何となく察し議論せず。休みの日は子供達送ったら全力トレーニング、帰ってきたら全力で子供達と遊ぶ。の日々で、確かに妻との時間が少ない…。反省です!何事もバランスが大切ですねー。

 

さて、私事で恐縮ですが、9月4日に開催された2022佐渡国際トライアスロンAタイプに出場してきました!ズタボロだった2019年佐渡Bからリベンジに燃え、コロナ禍でも気持ち切らさず灯し続け、3年ぶりに佐渡に戻りました。
トライアスロン歴15年目にしてやっと辿り着き、
初めて挑んだロングディスタンス、
無事に完走!!
ASTROMANになりました!
※佐渡AはIRONMANよりスイム200M、バイク10㎞長い国内最長レースで、完走すれば晴れて鉄人越えの宇宙人の勲章を手にできるんですねー。

とんでもなく長く、厳しく、リタイヤが頭を過ったレースレポートをお伝えさせて頂きます。

 

大会前

前日入りでテント持参のキャンプ泊をしてレース当日に身体が休まっていなかった前回の反省から、今回は2日前に佐渡入りしました。バイクに枕に冷感&防寒グッズなどをたっぷり詰め込まれ重量制限オーバー気味な遠征バックと共に、新幹線・フェリー・バスと約8時間の移動を経て、学生達で満員のバスから吐き出されるように宿泊地最寄りバス停に降り立ちました。
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このバス停(背合)何となく良い雰囲気だなーと写真撮りましたが、「海 バス停」で検索すると画像が出てくる有名な胸キュンポイントでした。激重な荷物を引っ張り15%の激坂を150m程登り辿り着いたのが、景色抜群なキャンプ場です!
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宿泊予約が取れず困ってた時に大会事務局の方々が探してくれた場所がここでして、前回の反省からキャンプ場は避けたかっただけに、またキャンプ場かいっ!と突っ込みいれたくなりましたが、ここ(潮津の里)が素晴らしく良かったです。テント設営済みで、敷布団に毛布、タオルなど借りられ、飯は2食付きでめちゃ豪華、お風呂はなんと24時間入れます!海は目の前で、宿主にシュノーケリングも楽しめると言われたので、早速海へ行きスイム練習しながらお魚さん探しと、明日子供達と遊ぶので海の調査。初日から佐渡の海と食を愉しめてマイ枕でぐっすり就寝。
大会前日はバイク預託と選手登録の予定があるぐらいなので、のんびりと過ごし、身体をしっかり休ませる目的を果たせました。家族と合流し子供達に癒され、昨日調査した海で遊び、透明度高い綺麗な海と魚達に癒されました。
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海から上がったら風呂入り6時に夕食、明日の準備を済ませ、8時には床に就きました。

 

当日

2時30分起床。外は雨、台風が接近しつつある状況で当日の天気予報が二転三転していましたが、朝には雨上がる予報になっていて安堵。この日は特別に朝食を3時に用意して頂き、また会場までの往復送迎もして頂きました。宿の方々にはほんと感謝です。さっきまで雨を降らしていた空には天の川が見えるほどの星空が。感動ー。起きてくれた家族にお別れし送迎バスに乗り4時出発。バスの中ではモルテン500㎖を完飲しエネルギー補給はバッチリ。水分とミネラル補給は経口補水液500㎖をレース前までに完飲。会場に到着し最終選手登録を済ませ、ライトアップされたゴールゲートへ。
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ここにゴールすることを目標に数年間漸進してきました。いよいよ始まるのかとまた感動―。無事にこのゴールへ辿り着けることを祈りました。

スイム 

距離:4㎞ タイム:1時間15分36秒 順位:124位 TSS(トレーニングストレススコア):96

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6時、佐渡Aタイプ約1000名の選手達がそれぞれの目標に向かい一斉にスタート、長い旅が始まりました。2㎞以上をまとめて泳ぐのは初めてでしたので、とにかく無理せずマイペースに佐渡の海を楽しもう!と思ってましたが、何を血迷ったか最前列でスタートしてしまい500mぐらいまで抜かれまくりで思うように泳げず。ある程度周りが同じペースになり適度な間隔を保ちだしてからは、呼吸も落ち着きマイペースに泳げました。一周2㎞を2周回するコースは、1度浜に上がり水分補給できるので、発汗で失われた水分をしっかり補給しました。私はこれまでスイム中またはスイム後に脚攣りがちでしたので、今回は対策としてレース前の経口補水液と2㎞地点での水分補給を心掛けました。前回佐渡Bではスイムアップ後に攣ってバイク&ランが最悪でしたし、それが佐渡Aとなるとスイムでの攣りは完走できるかどうかの運命の分かれ道となってしまいそうでして、攣らない事を切に願い2周目に入りました。意外にも2周目はむしろ1周目よりも順調で、体力的な疲れも無く、ベタ凪の海面をプールで泳いでいるかのようにマイペースに気持ちよく泳ぐことができました。水温は28度、ウェットはROKAロングジョン(袖なし)にして正解でした。冷たさ感じず適度な体温を維持でき快適でした。ウェットの割合的には袖有りが多かったですけど、佐渡のように例年25度以上の水温なら腕回しやすい袖なしを私は薦めます。目標より8分早く、懸念していた脚攣りも起きずスイムは大成功―。

 

バイク 

距離:190㎞ タイム:6時間16分36秒(T2タイム含む) 順位:58位 TSS:298

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瞬間チャージ2個(400KL)を同時注入し佐渡一周がスタート。ウェット脱ぐ時やバイク走り出して数キロで脹脛がピクピクと攣り始めてしまうトラウマを抱えてましたが、今回は対策が奏功したのかピクツク事なく脚はよく回りパワーも出て快調に走りだせました。もっとも心配していた第一の課題をクリアし、あまりの嬉しさに走りながら海へ歓喜の雄叫びをあげちゃいました。第二の課題は160㎞地点の小木坂。終盤に待ち構える小木坂には2戦2敗で、いづれも痙攣に泣き、脚が完全に硬直しバイクと共にゆっくり倒れた事もあり、どれだけ脚を残して、水分・ミネラル・エネルギーのバランスが取れた状態で小木坂に入れるかが課題でした。佐渡Aの獲得標高は約1800ⅿで登り多めです。対策として距離と登りへの耐性強化で2週間前に、上尾から秩父方面に松郷峠~定峰峠~白石峠~松郷峠~物見山3周する170㎞獲得標高2500ⅿのコースをFTP70%でシュミレーションし好感触を得られました。
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また佐渡を一周する風光明媚でダイナミックなコースは楽しまなければ損!だと思い、サイクリング気分を味わい、またクライムプロ機能での登坂把握目的にガーミンでルートを引きEDGE530でナビしてもらいました。また補給所と現在地確認の把握にマップをDHバーに貼るなど、どれも結構効果的でした。エネルギー補給はモルテンドリンク2本にエネ餅3本、水分は1時間に600㎖を目安にエイドで適宜補給。
機材的な対策は必要にかられて相棒になった新車のCERVELO PX。
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これまで私はPXを何度も試乗し、これが世界最高のトライアスロンバイクだとお客様にお薦めしてきました。佐渡三か月前に落車でP3が壊れてしまい、奇跡的に妻の決裁が通り、次の相棒として選んだバイクは勿論PXでした。所有し更に好きになったPXに乗り、パワー抑えた省エネ走行ながら向かい風を感じさせないPX効果もあり平均速度36㎞/hで50㎞地点まで快調に走りました。そこからは難関であり楽しみでもあったZ坂と大野亀坂。疲労感はさほど無く脚はまだまだ元気でしたので、想像以上に雄大で素晴らしい景色を旅気分で愉しみながら登れました。が、100㎞過ぎたぐらいから暑さも加わり疲労感が急激に増し景色を楽しむ余裕は無くなり、斜め前方の白線だけを見て走ってました。炭酸はレース後のビールを究極美味しくするのに控えるつもりでしたけど、116㎞地点でのエイドでついつい受け取ってしまった冷えたコーラが美味過ぎて美味過ぎて、それからは次のエイドでのコーラを楽しみに距離を稼ぎました。そして158㎞地点でのエイドコーラで気合入れて、3年ぶりに小木坂突入~。疲労感はかなりきてましたが、脚の状態はこれまででベストで、2週間前の峠ライドが奏功し、まだまだ登れる脚になっていました。
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小木坂では家族が応援してくれるメチャ嬉しいサプライズもありつつ、一定のパワーケイデンスで危なげなく登り切り、その後続く2つの坂もペース落とさずに問題無くクリア、やっと小木坂に勝てました。第二の課題もクリアし、190㎞のバイクコースも残り平坦10㎞。最後までFTP約70%を維持し平均速度は31.5km/h。目標タイムよりも30分速い5時間59分でバイクフィニッシュでき、スイムに続いて大成功―。

 

ラン

距離:42.195㎞ タイム:5時間58分4秒 順位:659位 TSS:240

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第三の課題は42.195㎞を歩かずに走り切る事。前回の佐渡Bでは21㎞ほぼ全て歩いてまして…。苦手種目で高過ぎる壁のフルマラソンを走り切る為に、一旦気持ちをリセットし、リフレッシュが必要でしたので、トランジットでたっぷり休みました。体内温度を下げたくスタート前にエイドで全身水浴びしまくり、靴を濡らさないようにするべきでしたが、ビチャビチャになってしまったシューズでランをスタート、これが失敗の元に。脚は問題無く動きましたが、30度近い暑さでペース上がらず。1周7キロを6周するコースでしたが、まともに走れたのは1周のみでした。2周目からはビチャビチャな靴の中でふやけた足の裏が靴擦れし痛すぎる…。激痛で歩いてるのと変わらないペースで進み、11㎞地点で我慢ならず歩いてしまいました。14㎞地点で救護室に行き、今にも切れそうな可哀想な状態の足裏に絆創膏貼るも効果無し…。歩くのもキツイ状態で残り4週…28㎞…絶望…。ここでリタイヤも考えましたが、家族来てるしそれはないかと、気力で進みました。進んでいくうちに痛みが若干麻痺してきたので、1㎞を半分走り半分歩く8分30秒ペースで刻み1周7キロ1時間を目標としました。1時間に1度家族に会えるその瞬間だけ疲れ飛び元気取り戻し、また無心で前に進みました。

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脚も攣ってましたけど痛みなど考えず、とにかく無心で走ること6時間、やっとゴールゲートに辿り着けました。6時間の内2時間は歩いたでしょう、そこは非常に悔しさ残りますが、無事にゴールテープを切れて感無量です。

総距離:236㎞ 総合記録:13時間37分41秒 順位:251位 TSS:634
今持てる全ての力を出し切ったと思います。ほんとーに、長い長い旅でした。

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昨年9月に腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた時はトライアスロンを辞めようかとも思いましたが、腰の痛みを和らげるために色々研究し始めた身体のメンテナンス(ストレッチ、体幹&お腹周りの筋トレ、筋膜リリースによるリセット、左右バランス強化)を毎日朝晩継続してからは劇的に改善し、なんとか佐渡A完走に至りました。医者にも親にも辞めた方か賢明だと言われてましたが、自分を信じ諦めないで良かったです。
佐渡が楽しかった子供達にまた来年も来たい!と言われはっきり答えられないでいましたが、疲れが癒えた今はまた来年も行こうね!と言えそうです。実力不足を再度痛感したランを鍛え直して、来年も佐渡Aの舞台に立てるよう頑張ります!

最後に今大会運営に携わったすべての関係者の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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