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今更ながらフックレスリムの特徴についてまとめてみました
by: サカグチ

2021 GIANT Bicycles | Showcase GIANT Hookless Technology

こんにちは。お茶の水店、坂口です。

GIANT、ZIPP、ENVEなどが最新ホイールにこぞって採用しているフックレスリム。今更感はありますが、フックレスリムはどのようなメリットがあるのかをまとめてみました。

なお、今回の内容はGIANT様とダイアテック様のメーカーサイトが非常にわかりやすかったので参考&写真やイラストを拝借させていただきました。

↓GIANT様のサイトへのリンク
https://www.giant.co.jp/giant22/showcase/hookless-technology/
↓ダイアテック様のサイトへのリンク
https://journal.diatechproducts.com/archives/1959

その1:軽量化!

 

まず第一のメリットとなるのが、ホイールが軽くなること。従来のホイールはイラスト左と真ん中のように、タイヤに空気を入れても外れないようにするため、コの字のフックビードがついていましたが、フックレスではイラスト右側のように取り除かれています。フックがない=HOOK LESSというわけです。
これにより単純に部品の素材を少なくすることができるため、ホイール全体の軽量化が可能に!

IMG_5550[1]

実際、フックレスを採用している大人気ホイールZIPP 303 FIRECRESTは40mmハイトで1355gと、ディスクブレーキ用ホイールの中では非常に軽量に仕上がっています。リム単体の重量は公表されていませんが、とあるサイトでバラしたところ370gほどとのこと。

リムの重量は走りに大きく影響するので、フックレスホイールは持っても軽い・走っても軽いホイールといえるでしょう。このあたりの内容については以前挙げたブログで詳しく説明しているので、よろしければご覧ください。

↓ホイールのリムについてのブログ
http://ysroad.co.jp/ochanomizu/2022/04/05/73792

 

その2:耐久性の向上!

スクリーンショット (8)

二つ目は耐久性が上がること。通常のリムの場合フック部分はカーボンを90°に折り曲げる必要がありますが、フックレスではカーボンの繊維に対して自然な方向で折り曲げることができます。これにより、ホイールがより長持ちするようになり、衝撃にも強くなります。また、フックがなくなることでリム打ちパンクのリスクを少なくすることができるのもメリット。

画像

(写真:Many’S公式ツイッターより)

ZIPPがスポンサーのプロチーム、モビスターは石畳レースのパリ~ルーベでフックレスの303 FIRECRESTを使用。パリ~ルーベは脳みそが揺れる程の衝撃が襲ってくる超過酷なレース。伝統的なチューブラータイヤをレースで使う予定でしたが、数週間前に303で現地でのテストを行ったところ、選手たちからポジティブな反応を得られたため、事前にチューブレスへスイッチしたそうです。

その3:グリップの向上!

スクリーンショット (9)

三つ目はグリップの向上。フックレスリムの場合、従来のフック付きリムと比較してタイヤが真円に保たれるという特徴があります。これにより、コーナーでバイクを傾けた時のサポートが増え、結果としてグリップとハンドリング力が増します。ちなみにこの真円に保たれることによるグリップの向上は、プロ選手がいまだにチューブラータイヤを使用している理由の一つでもあるんです。

その4:エアロ効果!

Hookless Rim Design - технологии Giant на официальном сайте

四つ目はエアロ効果。フックレスリムにタイヤを装着するとタイヤとリムの段差が少なくなり、ツライチになります。これにより空気の流れがスムーズになり、エアロ効果が上昇。結果、リムハイトなどが同じ場合、フック付きのリムと比較してフックレスリムは空力が向上します。

安全性や注意点について

ここまでメリットを挙げてきましたが、そもそもフックレスにしたらタイヤは外れないの?と思われている方もいるでしょう。ENVEによると、チューブレスタイヤの場合リムとビードがしっかりと密着されるため、フックビードは本来の役割を果たしていないとのこと。つまり、チューブレスタイヤであればフックがなくても大丈夫ということです。

しかしここで注意しなければいけないのが、チューブレスの中でもフックレスリムで使えるタイヤは限られるという点。構造上タイヤのビードに頼ることになりますので、径や固さが適切なものでなければ使うことができません。ENVEやZIPP、GIANTなどは適合するタイヤリストをメーカーHPで公表しているので、そこに載っているものであれば問題なく使用できます。

↓ENVEのリスト
https://www.cog.inc/enve/elements/pages/tire-compatibility
↓ZIPPのリスト
https://manys.work/2022/03/post-1472/
↓GIANTのリスト
https://www.giant.co.jp/news/bike/7454

 

 

Corsa NEXT - Rendering

とはいえ、リストを見ていただくとわかると思いますが、選択肢はそれなりにあります。どちらかというと、ある特定のタイヤはフックレスで使えないという方が正しいかもしれません。また、新製品のチューブレスタイヤはフックレス対応となっているものが多いので、どうしてもクリンチャーがいい!という方以外は特に困ることもないのではないでしょうか。

PANARACER ( パナレーサー ) タイヤゲージ ( 低圧用 ) 低圧用

また、空気の入れすぎにも気を付ける必要があります。同じフックレスでもメーカーによって異なりますが、最大空気圧がかなり低く設定されている場合が多いので、ホイールに指定されている数値以上の空気を入れないように!最悪の場合タイヤがリムから外れる可能性があります。

 

ASPITE PRO S-LIGHT | アイ・アール・シー 井上ゴム工業株式会社

以上のことから、フックレスは基本チューブレスオンリーですが、例外としてIRCの新型ASPITEはクリンチャーながらフックレス対応の設計であるため使用することができます。ご参考までに。

おすすめ製品

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今フックレスホイールで私がオススメするとしたら、CADEX 50 ULTRA DISCです。価格は前後で¥385,000(税込)と決して安くはありませんが、カーボンスポークにセラミックベアリングのハブを採用し、前後重量1349g(メーカー公表値)と50mmハイトクラスの中では非常に軽量。ハイエンドホイールをお探しの方には是非オススメしたいホイールです。
ちなみにこちら、12/15日現在、店頭在庫あります。

20万円以下でフックレスホイールをお探しの方にはGIANT SLR1 42 DISCもおススメ。前後で¥176,000(税込)というコスパの高さはさすがGIANTといったところ。前後重量も1452gとかなり軽め。価格を超えた走りが期待できそうです。

まとめ

・フックレスには軽量化、耐久性の向上、グリップの向上、エアロ効果のメリットがある。
・タイヤはチューブレスの中でも適合するものでなくてはならない(一部クリンチャーでも使用可)。
・空気のいれすぎに気を付ける必要がある。

今回のブログをまとめるとこんな感じです。チューブレス派の方や、これから新しいホイールをお探しの方にはオススメしたい規格になります。フックレスに限らず、ホイールについて相談したいという方は是非お茶の水店へ!お客様に合うものを一緒にお探しします!