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二兎を追う者? 新型MADONE、軽さとエアロの両立は可能なのか?
by: 関 和貴

みなさんこんにちは、ワイズロードお茶の水店 関です。

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今年もワイズロード社内試乗会の季節がやってきました!

多くのメーカー様にご協力いただき、最新製品など様々な商品や情報を勉強させていただいたので、順番にご紹介させていただきます!!

 

今回はTREKの最新にして唯一無二のレーシングフレーム

MADONE SLRをご紹介します。

 

 

新型MADONE登場

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TREKのロードラインナップは軽量のEMONDA、エアロのMADONE、エンデュランスのDOMANEの3ラインがあり、レースでよく使われるのはEMONDAかMADONEでした。

 

しかし、当然1台のバイクで平坦も山も早いに越したことはない。

技術の進歩でようやくそれが可能になりました。

 

それが第8世代MADONE!

EMONDAとMADONEが1つのラインナップに統合され、史上最速のバイクが誕生しました。

 

スペック上は前作EMONDAと同等に軽く、前作MADONEと同等のエアロ性能を発揮します!

 

まずはフレームを細部まで見てみましょう。

 

 

スペック・外観

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前作MADONE Gen7と比べて基本形状は似ていますが、各パイプのエアロ感が少なくなったようなデザイン。

エアロ性能と軽さを高い次元で両立するための大胆な変更ですね。

 

フレーム重量は796gと大きく軽量化。

 

 

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Gen7ではカムテール形状だったパイプ後端も丸みを帯びたデザインに。

 

見た目だけではGen7どころかEMONDA Gen3よりも空力が悪く見えますが、安心してください、最新の解析による新しいエアロの考え方ではこれでも十分早いのです!

 

その新しい考え方というのが「フルシステムフォイル」という考え方。

これはパイプ単体、バイク単体ではなくパーツやライダーも含めた全体で空気抵抗がどれだけ減らせるかという考え方。

 

バイク単体を風洞実験にかければGen7や極端な話TTバイクのような形状のバイクが好成績でしょう。

しかし、実際にはバイクにはライダーがまたがり、風も風洞実験室とは違い様々な方向から吹いてきます。

そして、ヒルクライムのためにフレームを軽量化しつつも剛性を確保しなければなりません。

 

エアロ性能だけでなく軽さと剛性も確保するために従来のエアロ形状を捨て、バランスの良い形状を追求しています。

 

 

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例えばダウンチューブは前方にタイヤなどがあり速い風が当たりにくいので、エアロ形状の効果が少ないことがわかりました。

そこでよりフレームを軽くできる丸に近い断面にし、パイプ後端もカムテールではなく丸めることで横風でも空力効果が下がりにくいことを狙っています。

 

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ハンドルは新設計の専用一体ハンドルが付属します。

このハンドルも前作よりエアロ感が減っていますが、握りやすさ、快適性を高めるとともに、「フルシステムフォイル」的に空力を向上。

ハンドルとしての空力は下がっていますが、ハンドルが風を乱すことで、足に当たる風の勢いが減少。

足の空力が良くなるので、全体として空力が若干向上し、かつ軽量になります。

 

 

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逆に風の当たりやすいシート部分は空力を意識したパイプ形状になっています。

 

 

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今作の大きなトピックスは新開発のエアロボトル!

フレームがエアロ形状でない分、このボトルがエアロフレームのように空気のながらを整え、空力を改善します。

なので、ボトルを使わないときもつけておいた方が空力が良いということです。

 

 

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ボトルは普通に使いやすそう。

 

 

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ケージの保持力は十分。

なんと普通の丸ボトルも使えるので、非常に便利!

単品販売もあり、今乗っているバイクのエアロ効果を高めることもできる。

 

 

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もう一つのトピックスがGen7から採用されているIsoFlowの改良。

IsoFlowは空気を後方に流す空力効果とシートポストをしならせて快適性を高める効果がある。

特に快適性への貢献は大きく、Gen7より向上。

従来はIsoSpeed機構でシートチューブを独立させてしなりやすくしていたが、IsoFlowのによってより軽量に、メンテナンスフリーになりました。

 

 

 

インプレッション

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お待たせしました、ここから実走レビュー。

 

このモデルには今年夏の発表直後に試乗させてもらっていました。

その時の第一印象はとにかく硬くてよくキレる。という印象でした。

が、不思議なことに今回の試乗では異なる印象でした。

剛性感は硬いけど硬すぎず、路面抵抗を拾わずスムーズに進む。というのが大きな印象です。

もしかしたら前回少し体調が悪ったり、今回の試乗直前に乗ったのがより硬く感じるプロペルだったのも関係があるかもしれません。

 

 

より詳しくお伝えしたいと思います。

 

剛性感

フレーム全体の剛性がしっかりしていて、軽く漕ぎだすとスッと素早く加速してくれます。

さらに負荷をかけてガンガン加速するような場面でもフレームがしっかり受け止めてくれる印象で、姿勢がよれたり不安定になったり、力が逃げるようなことはありませんでした。

自分は比較的軽量なライダーですが、プロ選手がゴールスプリントで勝てるバイクなので、剛性不足ということは絶対にないでしょう。

少なくとも自分の乗っているMADONE7よりは硬くなっているように感じます。

 

今回のコースではコーナリングを試すようなことはできませんでしたが、前回の試乗でも素直な挙動で走ってくれて、特別気になることはありませんでした。

シクロやクリテがメインでなければ、ハンドリングやコーナリングは気にならないくらいが一番です。

 

エアロ効果

これは実走で数値化できないのですごく難しいですね、、

今回の試乗ではそこまで速度が出せるようなコースではないので空力の良さを明確に体感することは難しかったですが、前回の市街地での試乗では確かに空気抵抗が少なく感じました。

自分の所有しているエアロのMADONE7と非エアロのEMONDA SLRでびっくりするほど空気抵抗の違いを感じます。正直EMONDA(Gen2)はクロモリより空力が悪く感じる、、、

新型MADONE Gen8に乗った時は空力が悪く感じることはなく、むしろ軽い漕ぎだしから高速域まで空気の壁を感じることなくスッと加速できたので実際に空力はなかなかいい物と思われます。

 

直前に試乗したGIANT プロペルの最上位モデルと比較しても空力は甲乙つけがたく、カデックスのホイールも相まって、スプリント時の単純な硬さはプロペルの方が硬く感じ、逆に巡行時の安定性や快適性はMADONEの方が高かったように感じます。

 

紹介した通り、パイプ形状は従来のひらべったいエアロ形状ではないので、これで空力がいいと理屈はわかっていても不思議な感覚です。

 

 

快適性

レーシングバイクとしては快適性は非常に高いです。

近年のバイクはフレームが多少硬くても、チューブレスタイヤの空気圧を下げて快適性を確保しているメーカーが多く感じますが、それに加えてIsoFlowも効いているので舗装路での細かなロードノイズがサドルに伝わりにくく、スムーズに、気持ちよく進んでくれます。

フレーム全体が柔らかいわけではないのでペダリングに悪影響がなく、加速性と快適性を両立できているのが素晴らしい。

競技や好みによってタイヤの空気圧を調整すればより好みの加速感に調整できるかもしれません。

 

 

登坂

これも前回試乗時の印象ですが、めちゃくちゃ速いです!

以前のモデルより剛性が上がっていて、重量も軽いのでヒルクライムが速くないわけがありません。

後はどうカスタムするかで、レースやライドの距離によって硬いホイールを入れるのか、少し軟らかめにするのかで加速感と体力の耐久性を調整したり、踏み方を変えてみたり研究して、乗りこなしてやるとまたさらに良くなる気がします。

 

 

トータルとして「買い」のバイクです!

エアロも軽さも両立した、史上最速のMADONE。

大胆な取捨選択による設計でEMONDAやMADONEの正常進化ではたどり着けなかった高い次元でのバランスの取れたバイクに仕上がっていました。

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100万円~するSLRグレードはなかなか買えないよ~という方、ご安心ください。

SLグレードはカーボン素材の違いから重量が若干変わりますが、形状はほとんど同じでSLR同様の空力性能を誇ります。

ステム別体ハンドル付属でほじしょん調整が容易なうえDHバーの取付も可能。後から専用ハンドルに交換することもできます。

剛性感はホビーレーサーにちょうどの硬さで、SLRよりも巡行時は気持ちよく進む!

レースはもちろん巡行性能を意識したいロングライドユーザーにもオススメです。

SLグレードもオススメですよ!!

 

SLのインプレはコチラ

 

 

 

 

 

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