2026/08/14 00:05
スタッフおおもとです。
皆さん、もうトレックからの最新発表をご覧頂きましたでしょうか。
本国アメリカやサイクルロードレースの中心地ヨーロッパで、レーシングモデルよりも売れているあのシリーズの、更なる進化を遂げた第5世代が発表されました!
そのモデルとは!
目次
『スパルタクス』と呼ばれた名選手『ファビアン・カンチェラーラ』がクラシックレースを制する為に誕生したルーツを持つロードバイク『DOMANE』
過酷な路面環境下でも、ハイスピードに駆け抜けながらライダーのパフォーマンスを維持し続ける快適性を持って生み出されたトレックを代表する一台です。
快適性を生み出すシステムと今や当たり前となっているワイドタイヤのメリットを時代を先駆けて取り入れ、またその知見は他のレーシングバイクにも大きな影響を与えてきた、トレックの技術力を語る上で絶対に欠かせないモデルとなっています。
第5世代のドマーネでは、従来の設計思想を一度分解し、そして新たな研究・解析のデータ結果を加えて再構築。
この時代だからこそ実現を可能とした、全く新しいエンデュランスレーサーに生まれ変わりました。
一番の驚きを持って自転車業界人に受け止められたトピックがドマーネを象徴するテクノロジーであった『ISO SPEED』の非採用。
最小限のギミックで振動吸収性を高めるこの画期的なシステムはかつてエアロロードバイク『MADONE』シリーズにも採用されてきました。
なぜ、ISO SPEEDが廃止となったのか、それは今作で対応可能なタイヤサイズが40cにまでクリアランスが拡大し、標準で使用されるタイヤが35cを基本としたことが大きいです。
トレックはデータ解析の為に荒れた路面を再現するトレッドミルを開発し、DOMANE Gen4(32c)とDOMANE Gen5(35c)の快適性を徹底比較。
結果、ISO SPEEDを採用していない状態でも遜色のない快適性を得られることが分かったのです。
また快適性の為に、丸型のカーボンシートポストのカーボンレイアップからこだわり開発し、振動減衰効果を高めているのも見えにくいポイントとなっています。
『エンデュランスロードは重過ぎる』、軽さを尊ぶ日本のサイクリスト達にとって、快適性を生み出すギミックによる重量増は何よりも忌避される要素でもありました。
快適性は欲しいけど、もっと軽ければ選択肢に成り得たという人も居たのではないでしょうか。
ではこの新型のドマーネが、軽量オールラウンダーモデル『EMONDA』よりも軽いとなったらどうでしょうか。
そう、DOMANE Gen5とEMONDAのフレームセット重量を比較すると、約50g~100g、DOMANE Gen5の方が軽いんです。
最上位モデル『DOMANE SLR 9 AXS 1x』ともなれば、完成車重量が6.63kgと目安とされるUCI規定重量6.8kgを下回っています。
エンデュランスロードバイクはカーボンでも重たいだなんて、もう言わせません。
DOMANE Gen5を語る上で欠かせない最後の要素が各モデルで搭載されているライザーバーです。
ハンドルクランプからレバーの位置を2cm高くするために作られた形状のドロップハンドルとなっています。
エンデュランスロードに求められるアップライトなポジション要求に応えやすく、またハンドルトップが後ろ方向に湾曲するバックスイープとなっており、握った時に手首への負担が少なくなっています。
ライザーバーは、エンデュランスロードに求められる要素に合致する素晴らしいアイテムです。
ですが快適で乗りやすいアップライトなポジションにした場合、ライダーは上体が起き上がり、ハンドルまでの距離は必然的に遠くなります。
つまりステム長を短くして、ハンドルまでの距離を調整する必要があるのですが、そうすればステアリングや直進安定性への影響は避けられません。
そこでDOMANE Gen5はジオメトリを見直し、エアロロードバイク『MADONE』よりもリーチが1cm短く設計されました。
ステム1サイズ分、リーチを調整する事で、ステム長を維持たままアップライトなポジションを取りやすくなっています。
Gen4に存在したダウンチューブストレージはGen5では無くなりました。
ダウンチューブストレージの収納性に利点があるものの、重量増を避ける事は出来ないからです。
今作では『ストレージの可否はライダーに委ねる』として、トップチューブバックとフレームバックをボルトオンで固定が出来る作りを採用。
ドロップドステー化と丸型シートポスト採用により、大型サドルバッグが取り付けやすく、フレームと干渉しにくくなりました。
ロードバイクとしての走りを発揮しながら、ライダーを遠くの距離まで連れて行ってくれるハイスピードツアラーとして、ロングライドユーザーのニーズに応えてくれることでしょう。
試乗会では最新の『DOMANE SLR』『DOMANE SL』が全サイズ用意され、適切なサイズを選んで試乗する事が出来ました。
インプレッションするにあたって、適切なサイズである事は最重要にして大前提です。
私は身長162cmでしたので、最適な『Sサイズ』を選んで『DOMANE SLR』『DOMANE SL』、どちらも試乗させて頂きました。
今作ではカーボン素材が『OCLV 800』から、MADONE SLRでも使用されている『OCLV 900』になりました。
より重量剛性比に優れたカーボンにしたことで、エンデュランスレーサーという呼び方が相応しい軽さと速さが備わっています。
タイヤの太さが35cでありながら、それと感じさせない圧倒的スピード感!
ドロップドステー化によるエアロダイナミクス性の向上と、カーボンディープホイール『Bontrager Aeolus Pro 51』により向かい風を受けながらでも踏み続けられる感じはまさにレーシングバイクの素養。
風と路面、ライダーが身体で感じる2つの抵抗を極力小さくし、屋外なのに屋内コースを走っているような巡航のしやすさは、このバイクが持つ一番の魅力と言えるのではないでしょうか。
多くの人が思い浮かべるエンデュランスロードのイメージとして、加速が遅く、重さを感じる走りというものがあると思いますが、そういったものは一切ありません。
むしろレーシングバイクにありがちなライダーにとって余計な硬さやノイズ感を取っ払ったような快速性は、多くのサイクリストが本質的に求めている走りに他ならない気がします。
オールロード性を確かめる為に、細かな砂利が敷き詰められたグラベルも行ってきました。
優れた快適さと35cの太さがあれば、この程度の未舗装路はものともしませんね。
最大40cが使えるクリアランスは、登場間もない頃のグラベルロードバイクとほとんど同じですから、タイヤの選択肢にグラベルタイヤが当たり前に入ってきます。
タイヤ選択肢の広さは遊び方の広さそのもの、もし所有できるスポーツバイクが1台だけならば、新たなDOMANEは最有力となり得る面白さを秘めていると思います。
多くの人の本命と成るのはセカンドグレードモデルである『DOMANE SL』に他ならないでしょう。
実は少し、少しだけ乗るまでこのモデルを侮っていました、それはやはりエンデュランスロードというカテゴリーへの先入観。
またDOMANE SLRを試乗した後では、粗が目立つのではないかという懸念です。
結果で言えば、それは杞憂そのものでした。
『DOMANE SL』は、『DOMANE SLR』との差が気にならないほどに走りの質がそのままトレースされています。
確かに、高速域や瞬間的な反応では『DOMANE SLR』の方が明らかに優秀、当然優秀でないと困ります。
では『DOMANE SL』の何が素晴らしいかと言えば、長い距離を走るのに適した時速30km/h台のペースが非常に維持しやすいという事です。
このシリーズに最も求められている走りがトップモデルと瓜二つ、これはセカンドグレードとして100点の答えでしょう。
タイヤが太いことのデメリットを感じさせず、メリットだけを感じさせる快適さと走り、それは純粋にサイクリングを楽しむのにとても適しています。
何よりロードバイクとしてちゃんと速い、カーボンフレームのロードバイクに乗り換える価値をちゃんと感じさせてくれます。
加速にイヤなもたつきが無く、『レーシングバイクのセカンドグレードです』とお出しされれば納得してしまう踏みやすさです。
もし試乗した『DOMANE SLR』と同じホイールに揃えたら、走りの差がどれほど無くなるのか興味が尽きません。
『快適=遅い』という先入観を捨てて、候補から外さずにぜひ乗ってもらいたい一台です。
また新型『SHIMANO Tiagra R4000』を今回初めて使わせてもらいましたが、搭載モデルである『DOMANE SL 4 Gen5』のパッケージは完成度が高いと思います。
ギアの変速はスパッ!と決まりロードバイクらしい変速感をしっかり感じます。
リア11段のギアは11-36と対応力に優れた構成で、上り坂でもワイドタイヤの重量を十分に相殺して登れるはずです。
レバー形状も従来モデルから変更され、握った時に太め感がなく、それでいて手のひらが面でブラケットに接地してる安心感。
エルゴノミックに弧を描いたブレーキレバーは指が掛けやすく、ブラケットポジションからでもストレスなくブレーキが握れます。
エンデュランスカーボンフレームの魅力的な走りと確かなメカニカルコンポーネントの操作性、多くのサイクリストが求めるバランスがこの価格でしっかりと成り立っています。
ロングライド中に機材でストレスを感じさせない扱いやすさが詰まった一台として、『SHIMANO Tiagra R4000』が搭載された『DOMANE SL 4 Gen5』はオススメできます。
いろんなサイクリストがいる現代のスポーツサイクリングシーンにピッタリハマると思います。
本記事の冒頭で書いた通り、実はエンデュランスロードである『DOMANE』は本国であるアメリカや、サイクリングシーンの中心地であるヨーロッパにおいて、エアロロード『MADONE』よりも選ばれています。
ですが日本では逆にレーシングモデルの方が多く選ばれている現実もあります。
それは人口が都市部に一極集中し、全土で舗装率が高く、サイクリングロードも豊富で、コンビニや自動販売機がどこにでもあり、まめに休憩が取れるスポットが多いなどとても恵まれた環境が影響しているかもしれません。
ですが自然に囲まれ、眺めが良く、雄大で、サイクリストなら誰もが走りに行きたくなる山岳や半島エリアに赴けば、日本ならではと思っていた恩恵も少なくなってきます。
スポーツサイクリングで非日常を体感できるエリアを目指すほど、エンデュランスロードの快適性と走破性という利点が、ライダーに大きなリターンをもたらしてくれるはずです。
『DOMANE』は大自然の中を駆け抜ける、非日常的なスポーツサイクリングを満喫したいサイクリストの為にあると私はとても感じました。
一言で言うならば 『速さよりも体験の楽しさに振り切ったロードバイク』
レースの世界からはずれて見れば、本当に必要だったのはこの一台だったと、そう言えるロードバイクだと思います。
当店はイタリアンコンセプトではございますが、トレックも取り扱っております。
今回ご紹介した新型ドマーネもご用意できますので、最新のエンデュランスロードをお求めの方はぜひご相談ください。
素晴らしい一台でしたので、スタッフも太鼓判を押させて頂きます!
成熟したエンデュランスロードバイクの世界、楽しんでみませんか?