2012/01/09 00:07
これはニュージーランドを旅していた時の出来事(北島:MAHOENUI,TARANAKI地方)。
その日は北島のOTOROHANGAを出発しMOKAUに向かって出発。前日、後輪のトップギヤの歯が欠けてしまい、途中2軒ほどショップを訪れたが修理ができず想うように進まぬ日、午後1時を過ぎたころ。
MAHOENUIの峠道を進んで行くと、ところどころ土砂崩れがありアスファルトの上に土砂の山が...、それを横目にジリジリと上り続ける。ここは我慢ガマン、その後の頂上から見下ろす壮大な景色と下りのハイ・スピードを楽しみに忍の一字です。
頂上が近づくにつれ峠道の起伏は増し、ジリジリ上りから、勢い良く下り、今度はその勢いで一気に駆け上がる。それを何度か繰り返し、また、同じように勢い良く下るつもりが、飛び込んできた景色は...、
...突然の事に自分でもそれが何を意味しているのかを理解するまでに......
......!
あああ!!!
あと2~3mしかない!!!
道が!!!
飛べるのか???
急ブレーキ!!!
荷物を積載した重たい車体は...止まらん!!!
前輪がぁぁぁ~ 吸いっ.....
ウオリャ~! 両足も地面に踏ん張って、後ずさって、後ずさって、もんどりうって...
ふ~、間一髪!!!
何と峠道が20~30m崩落して寸断されていたのでした。
崩れ落ちたアスファルトの先には工事車両と作業員の方達の姿があり、私に気がついた作業員の方達が手助けしてくれて崩れ落ちた崖の縁を通って何とか通過することができました。
その頃、偶然にも朝出発した街が、朝は晴れていたにもかかわらずその日の夕方には大雨による洪水で人命にかかわる大きな被害を受けているのということが連日続いていました。毎日、約100km移動していたので運良くかわしていましたが、とうとうこの地で土砂崩れに遭遇。
翌日、別の街で買い物をしていたときレジの方に声をかけられ、「あんた、新聞に載っているよ!」、でも、自分は何の事だか?「ほら、これ見てごらん」、広げられた新聞には昨日の「土砂崩れ現場と私」の写真がバッチリ写っているではありませんか!そういえば、土砂崩れ現場で「The Daily News誌」の記者にインタビューされたことを思い出しました。
新聞の威力は絶大で、行く先々で私のことを知らぬ者はいないという状態。その後しばらくの間、ニュージーランドで一番有名?な日本人となりました。
街では見知らぬ人に「新聞見たよ、頑張って!」と声をかけられ、沿道では大きく大きく手を振って応援してくれました。不思議なことに宿泊先には応援の電話や訪ねて来る人まで現れました。
こういった体験も旅の楽しみの1つですね。
2012/01/09 大宮 淳. (国際ツーリングアドバイザー)