新しいスタイルを提案するフラッグシップショップ!
ワイズロード 新橋店 Y'sRoad Shimbashi
[英語対応可]
2025/11/17 12:05
店長の奥平です。
今回は、25年12月上旬発売予定の、私がメイン担当として進められていたワイズロードのANTARESオリジナルカーボンホイール、製作プロジェクトの内容を含めて、担当目線でこのこだわりの詰まった商品を紹介致します。
Contents
1970年に現在はなき埼玉県の川越工場にてオーダーバイク「ANTARES」を製作していました。
今と比べると当時のスポーツ自転車は趣味としてかなりマニアックで、その中でも特にオーダーバイクを作るには高いに知識が注文側にも必要など、ハードルがとても高いものでした。それをシステム化することで初めてオーダーする方にもわかりやすく販売していました。
そのような流れをルーツにもつANTARESブランドは時代が変わっても常にスポーツ自転車へ挑戦する初めての方を応援する商品を作ってきました。小売店がつくる商品だからこそ、一番お客様に近い声を製品スペックや値段に反映させたいと考えています。
スポーツバイクで最初に取り組みたいアップグレードが「ホイール交換」です。その中でも性能を大きく底上げできるのが「カーボンホイール」となります。
近年、大手既存ブランド品ではない低価格なカーボンホイールが市場に増えています。しかし、その中にはスペック数値は高いものの、その数値から期待される性能と、実際の走行感覚との間に乖離がある製品もあるようです。私たちはそうした、数値上だけのホイールではなく、乗って本当に満足できるホイールを作りたいと考えました。

↑複数個出来上がったANTARESホイールの出荷前の最終確認。複数回工場を訪れ品質のチェックや製法など妥協なく打ち合わせしました。
目指したのは、初めてのカスタムホイールに求められる性能を満たすと同時に、見た目にも美しく所有欲も満たすホイールでした。

↑数種類スポークやハブを取り寄せ、種類の違うスポークに何度も自ら組み替えてテストしました。
開発にあたって、様々な意見を元にハブは3度にわたって変更、スポークの組み方やリムのデザインなどの細部までこだわりました。
生産を委託する海外の現地工場とは毎日のようにメールにて打ち合わせ、現地工場でも複数回の打ち合わせを重ねたうえでサンプルホイールを作り、私含めたスタッフによる入念なテストライドを実施してきました。
また、乗車時だけでなく輪行時など車体からホイールが外れた状況もあわせて検証し、本製品が完成いたしました。

↑こちらはNGとなったフリーボディーのテスト。走行試験では回転性能が良いという評価でしたが、車体から外して衝撃を与えるとスプロケットの重さに耐えられずフリーボディーごと抜け落ちてしまいました。輪行中に起こりうるトラブルですので、もちろんこのハブはNGとなりそのようなことがないハブを選択しなおしました。
実際の走行では、カーボンホイールならではの軽快さを体感できます。
スペック上の重量から受ける印象よりも走りが軽く感じられ、アルミホイールから乗り換えれば十分に軽い走行感を実感いただけるはずです。高額なモデルと比較すると、最初の漕ぎ出しこそ若干の重さを感じるものの、巡航時には速度維持のしやすさを実感できます。
また、剛性を極限まで高めたレーシングモデルではなく、様々な用途でオールラウンドに使えるよう、快適性を重視した乗り心地です。見た目の高級感も高く、価格帯を超えた質感を備えた仕上がりとなっています。
性能、質感、そしてコストパフォーマンスの三拍子が揃った、私たちの理想を形にしたこだわりのホイールが完成しました。

↑高級な車体にもマッチし、入門用の車体につければ高級感が一気にアップします。
品番 ANWHCBN4521TLR
使用カーボン: Toray T700 Carbon Fiber
Size:700C (ETRTO 622mm)
使用用途:ロード、シクロクロス、グラベル
使用タイヤ:クリンチャー、チューブレスレディー
(チューブレス使用時:テープ25mm、バルブ60mm以上の汎用品を使用/別売り)
リム寸法:高さ45mm 内幅21mm
リムERD:555mm
最大体重 : 130kg/ 287lbs
最大空気圧:110psi/ 7.58barチューブレス使用時の最大空気圧は90psi/ 6.12bar
使用可能タイヤサイズ: 25C~43C
表面の仕上げには、高級感のあるUDカーボン地にクリア仕上げを施し質感を高めています。
なお、このカーボン目地が美しく透けて見えるクリア仕上げは50ペア限定、初回版のみの特別仕様で、通常製品版はクリアブラック塗装となり、カーボン目地の透け具合が異なります。

↑タイヤがついているのがファーストロット、タイヤがついていない色が濃い方がセカンドロットです。
これもこだわったのですが、ロゴはあえて小さく入れることで、あらゆる車体にマッチするようにしました。
当初はもう少し大きいロゴを入れることも考えていました。
↓ロゴのデザインスケッチ。反射材をつかったデザインも検討していました。
リム形状には、オールラウンドな走行性能と高い空力性能を両立する45mmハイトを採用。この形状はホイールが受ける斜めからの風が当たった際の気流の剥離を防ぎ、横風時にハンドルが取られにくい最新の形状を採用しました。
内幅21mmとすることで、適合するタイヤ幅を25Cからとし、最新のフレームだけでなく、過去のモデルにも適合する高い互換性を実現しています。
幅の広いリムは近年流行の太いタイヤにも対応しており、さらにタイヤの断面形状がコーナー中に潰れず、丸みを帯びた形状を維持することとなり、コーナリング時の安定性が飛躍的に向上します。
これにより下り坂やテクニカルなコーナリングセクションでの安定性が高まり、より積極的に走ることができるようになります。
意外と大事な水抜き穴。雨の多い日本では必須機能です。
これがないといつの間にかリムの中に水が溜まってしまいます。
雨の後はこの穴を下側にしておくことで水を抜くことができます。
もちろん、強度には影響が出ません。
SAPIM CX LEADER STRAIGHT AERO SPOKEを採用。
ホイールの性能はスポークでかなり変わります。高級ホイールに多く採用されるSAPIM社製のエアロスポークを採用することにより、パワー伝達性能、空力性能、乗り心地のバランスを目指しました。
スポーク: Sapim CX-Leader 272 mm X24本 274 mm X24本
フロントDISC側272mm12本/DISC側274mm12本
リアDISC側274mm12本/非FREE側272mm12本
ニップルは別ブランドの真鍮製を使用し、軽さよりも耐久性をとりました。
フロントハブサイズ:12X100mm
使用ベアリング6802(15x24x5mm)X2個
ディスクローター固定方式:センターロック
リアハブサイズ 12X142mm
ベアリング15267(15x26x7mm)X2個
ディスクローター固定方式:センターロック
別売りオプション:クイック用アダプター前後セット
フリーボディーラチェット: 36T 面ラチェット
Shimano HG Spline L互換(11,12速対応) 使用ベアリング15267(15x26x7mm)X2個
※推奨グリス:DT SWISS HXT10032508S スペシャルグリス
通常のスプリングに比べて効率的にラチェットに力を伝えることができるため、安定した動作が行われる設計となっています。

HGフリーボディーを置き換えてSRAMスプロケットに使用します。
使用ベアリング6802(15x24x5mm)X2個
※ホイール生産企業より指摘があり重量を1594g→1567gに下方修正しました。25/11/18追記
この重量は、完成車の標準でついている低価格なアルミホイールに比べれば大幅に軽量化できますが、カーボンホイールとしては決して軽い重量ではありません。
先に説明したようにこのホイールは、初めてのアップグレードパーツですので、価格と頑丈さ、扱いのしやすさ、そして必要とされる性能を検討した結果この重量となりました。
近年、カーボンホイールにカーボンスポークを採用し、かつ値段の安いホイールが多く発売されています。これらの多くは重量も軽く、スペックシートだけ見ると大手ブランド製品に匹敵もしくはそれ以上に軽いものが発売されています。しかし、2025年現在、大手のブランドで値段の安いカーボンスポークを採用したホイールはほとんど販売されていません。(最上位モデルは除く)
ホイールを開発するにあたり、大手ブランドの担当者にカーボンスポークの現状を確認しました。
現在採用していない理由は、硬すぎる、折れやすい、本来ホイールが持つべき粘りがないなど、狙った走行性能を出すことができないということでした。ただし、日々研究、進化が進んでおり将来はわかりません。
現状、ANTARESでは持ち上げた時の軽量性より走り心地の良さ、トラブルの少なさがこのホイールには重要と思い極端に軽い重量のホイールは目指しませんでした。
※ホイール生産企業より指摘があり重量を739g→733gに下方修正しました。25/11/18追記
※ホイール生産企業より指摘があり重量を855g→834gに下方修正しました。25/11/18追記
UCIの認証を受けるべく、現在申請作業を行なっております。
すでに試験は完了しており、書類審査のみの状態となっています。
↑UCI基準の40ジュール試験の様子(ホイールは本製品とは別仕様のもの)
通常40ジュールの力を加えて試験を行いますが、認証試験以外に3.5倍の140ジュールでもテストを行ってもらいましたが破損しませんでした。
↑ANTARES ROAD CARBON WHEEL4521の140J試験の様子。UCI基準の40Jと明らかに違う衝撃なのがわかります。
上記画像のようにテストには、金属の重りとホイールを専用の試験機に取り付けた落下試験でおこなわれます。
タイヤを付けずに試験するのでホイールには通常走行時以上の衝撃が直接加わります。
目視できる亀裂や層間剥離がない
1.0㎜を超える縦方向ならびに横方向の振れが出ない
UCIテストの合格にはこの状態をクリアしている必要があります。
UCIは国際自転車レース連盟の認証ですので、国際公認レースに出場する資格を与えられるということを意味しています。この認証が得られるということは、レースに使用せずとも国際的な品質が認められたことを意味します。
2025年11月22日に開催されるスポーツバイクでものワイズロード ANTARESブースではご来場ご予約特典がございます。ぜひ現物を確認してみてください。他にも開発中のものをお見せできると思います!
https://online.ysroad.co.jp/shop/pages/sportsbike-demo.aspx
※ブログの商品情報は掲載当時の情報です。
完売していたり、価格やポイント還元率、商品の仕様が変更されていたりすることもあります。
予めご了承ください。
在庫状況等の最新情報は、大変お手数ですが店舗へ直接お問い合わせください。
お問い合わせ
わからないことは遠慮なくご質問ください。
チャットにて対応可能でございます。
※リアルタイム返信ではございませんのでご回答までお時間をいただく場合がございます。
会員ログインをしていただいた状態でご質問いただくと質問ログを残すことが可能でございます。
場所
ワイズロード 新橋店
Y'sRoad Shimbashi
住所 東京都港区新橋4-11-1 A-PLACE新橋ビル B1F
電話番号
お電話はこちら:03-5422-1394
※作業は完全予約制とさせていただきます。
営業時間
月~金 12:00~20:00
土日祝 11:00~19:00
定休日 なし
![]() |
![]() |
新橋ブランドコーナー
この他にも
TREK、CANNONDALE、BESV、BROMPTON強化コーナーがあります
ウエア、パーツ、ホイール
ワイズロード新橋のX(旧twitter)、Instagramもご覧ください
Y's Road Shimbashi
〒105-ooo4 A-PLACE Shimbashi B1F&1F、4-11-1 Shimbashi Minato-ku,Tokyo
TEL : 03-5422-1394
open : weekday 12:00~20:00, holiday 11:00~19:00
Maintenance services are by appointment only.