【スタッフブログ】独断と偏見によるチェーンクリーナーとオイル選び
by: 今井 明

スポーツバイクのメンテナンスに欠かせないチェーンクリーナーとチェーンオイル。
各社から様々な製品が出ていてどれを選んだら良いか迷う事も多いです。

 使い方や好みによって評価は変わると思いますので、個人的に使ってみた商品の感想として各商品のご紹介を致します。
 

チェーンクリーナー

 

チェーンについた汚れや古いオイルを落とすために使うチェーンクリーナー。
タイプとしては乾き方の速さで使い分ける事が多いです。

 

速乾性

 

吹き付けたクリーナーがすぐに乾くタイプ。
表面についた軽い汚れを落とすのに重宝します。
拭き取る必要などがないので時間がない時にサッと掃除したい時や室内での掃除に便利です。

 

 

WAKO’S BC-9
販売価格￥1,870（税込）

 

自動車や自転車用ケミカルで有名な日本ブランドワコーズの速乾性ブレーキ＆パーツクリーナー。
噴射圧が強く汚れを飛ばす力が強いので簡単に綺麗になります。
また、ゴムや樹脂への攻撃性が低いのでホイール周りなどでも比較的安心して使えます。

 

中乾性

 

吹き付けてから乾くまでにある程度時間がかかるタイプ。
現在販売されている多くのメーカーのチェーンクリーナーがこのタイプになります。
乾くまでの時間でウェスやブラシを使って汚れを落とせるので少し時間がかかっても綺麗にした人に向いています。

 

 

Verity 　バイシクルチェーンクリーナー
販売価格￥1,572（税込）

 

競輪選手にも愛用者が多いVerityのチェーンクリーナー。
自転車のチェーン専用に作られただけあって噴射圧や溶剤、乾燥時間など良く考えられていて使いやすいです。
また攻撃性が低く手などについても荒れにくくてやさしいのが特徴。
メーカーの方はちょっとした汚れならフレームなどの掃除に使っても塗装への攻撃性も低いと言っていました。
これ１本で色々掃除が出来て便利なのでお勧めのクリーナーの一つです。

 

 

 

SURLUSTER ( シュアラスター ) チェーンクリーナー S-145
販売価格￥1,760（税込）

 

中乾性のチェーンクリーナーでもう一つお勧めはこのシュアラスターのクリーナー。
自動車のクリーニングやコーティングで有名な同社が自転車用に開発した製品になります。

Verityと比べて噴射圧が強いので砂などがある場所を走る事が多い方にはクリーナーだけで吹き飛ばせて便利です。
また付属のブラシが優秀で、チェーンリンクの隙間にうまく入り込んで汚れを掻き出しやすく綺麗に出来ます。

そしてこのクリーナーをお勧めするもう一つの理由が刺激臭がほとんどない事（換気は必要です）
クリーナーはその性質上どうしても有機溶剤を含む事が多く、臭いがきつい事が多いです。
シュアラスターのクリーナーはその臭いがほとんどしないので、室内での作業がしやすくなっています。
マンションなど外で洗車をする場所が取れない場合に便利なクリーナーです。

 

 

遅乾性（非乾燥性）

 

 

WAKO’S 　CHA-C チェーンクリーナー
販売価格￥1,815（税込）

 

ワコーズがチェーン専用に開発したクリーナーです。
特徴は非乾燥性、乾かない事です。
チェーンの細かい部分にまでしっかり浸透して汚れを溶かして落とせるので非常に綺麗になります。

チェーンクリーナーで掃除した後、水やフォーミングクリーナーでチェーンクリーナー自体を洗い流す必要はありますが、とにかく綺麗に掃除したいという時にはこのチェーンクリーナーが１番のお勧めです。
このクリーナーに付属してくるブラシも専用で開発されたもので使い勝手が良いです。
強力なクリーナーですがゴムへの攻撃性は非常に低く抑えられているので安心、水で流しても錆にくいように防錆剤も含まれている親切設計となっています。

 

 チェーンオイル

 

 続いてチェーンオイルのご紹介です。
各社様々なタイプがありますので、こちらも代表的な商品のご案内です。

 

ドライタイプ

液体状のオイルをチェーンに塗布すると固体の被膜を表面に形成して錆の防止と潤滑を行うタイプ。
ワックスタイプやシリコンタイプがこちらに分類される事が多いです。
ウェットタイプのようにベタベタする事がないので埃や砂が付着しにくく汚れにくいというメリットがあります。

 デメリットとしては耐久性や雨に弱い製品が多く、メンテナンスはマメにする必要があります。
また、定着性がそれほど強くないので塗布前に綺麗にチェーンを洗浄しないと性能を発揮しにくくなります。
ワックスタイプは削れたワックスがリンク内やプーリー、チェーンリングに付着するとそれ自体が抵抗や汚れになる場合があります。

 

FINISHLINE ( フィニッシュライン ) ドライ バイク ルブリカント 120ml
販売価格￥1,375（税込）

 

自転車専用ケミカルで有名なフィニッシュラインのドライタイプ。
テフロン配合で浸透性が良く使いやすい潤滑材です。

難点はやはり耐久性と汚れの多さ。
100kmぐらい走ると段々抵抗が大きくなり汚れが目立ってきます。
お手頃価格なのでまずはチェーンオイルがどんなものか試してみたいという方や洗浄や注油が苦にならない方には良いかもしれません。

 

 

KURE ( クレ ) チェーンルブドライ 130ML
販売価格￥1,342（税込）

 

5-56で有名な呉工業が自転車専用に開発したドライタイプのチェーン潤滑剤。
5-56でもチェーンの潤滑は出来るのですが、雨に弱かったりグリスを流してしまう、樹脂部分への攻撃性がありますのでせっかく使うなら専用品をお勧めします。

 

プロチーム等と共同開発しただけあってかなり優秀なチェーンオイルです。
チェーンの動きが軽く抵抗が少ないドライタイプならではの特長をしっかり備えています。
また、汚れの付着が少なく洗浄が楽なので自転車を綺麗に保ちたい方にお勧めです。
ドライタイプとしては潤滑性能も長持ちする方で、体感では200kmぐらいは性能保持してくれる感じです。

 

 

 ウェットタイプ

オイルの粘度が高く定着性の良いタイプ。
油膜の持ちが良く雨に強いオイルが多いです。

デメリットとしては粘度が高いため抵抗は大きめ、また汚れが付着しやすく落としにくい性質があります。
長距離長時間走る方、メンテナンスの頻度を下げたい方、雨でも頻繁に走行する方にお勧めです。

 

 

 

FINISHLINE ( フィニッシュライン ) クロスカントリーウェットルブ ボトル 120ml
販売価格￥1,375(税込)

 

フィニッシュラインのウェットタイプ。
油膜の雨への強さ、耐久性は抜群です。
とりあえず錆させたくない、雨でも走るという通勤通学やツーリング用途にお勧めです。
5-600kmぐらいの走行でも油切れを起こさなかったのでコストパフォーマンスは高いと言って良いでしょう。
難点は粘度の高さによる抵抗の大きさと汚れやすさを許容出来るかがポイントです。

 

 

 

 

化研産業 NASKALUB スプレー 70ML
販売価格￥2,310(税込)

 

浸透力が強く、金属の隙間に入り込んで被膜を形成する潤滑剤。
防錆性能が強く雨天走行でも長く油膜を保ちます。
また、極圧剤を配合して加重がかかった状態でも潤滑性能を維持するのでトルクをかけても動きが滑らかです。
ウェットタイプとしては抵抗が少なく、また汚れも少ない高性能オイルです。
バランスが良く使いやすいので練習からレースまで一本で使いたい方にお勧めです。

 

 

 

 

MUC-OFF LUDICROUS AF LUBE (50ML)
販売価格￥11,000（税込）

 

 

 世界最高のチェーンオイルを目指して開発されたオイル。
高価なので躊躇していましたが、周囲の評判があまりに良いので試してみました。

オイルとしては粘度はそれほど高くなく浸透性の良いタイプ。
事前クリーニングが前提になりますが定着性が良く、無駄にオイルが飛び散る事もないので楽に作業が出来ます。

 

チェーンの動きの軽さ、静かさはウェットタイプの中では最高レベル。
油膜は薄いのに脚当たりがやさしくスムーズにペダリングが出来ます。
また、Di2にも関わらず変速スピードが上がったように気持ち良く変速が出来ます。
これは他のオイルではちょっと感じた事がない不思議な感じでした。

そして他のウェットタイプとの１番の違いは汚れにくさ。
通常抵抗を減らそうとすると極圧材の比率が多くなり汚れの原因となる事があります。
レース用のオイルだと200-400キロぐらいでかなり汚れが目立つものが多いのですが、このオイルに関しては600キロぐらい走ってもさほど汚れず綺麗な状態で潤滑性能を保っていたのが驚きです。
テスト環境では1,600キロ以上性能を保持したとの事ですが、実走行では路面のゴミなども付着するのでそこまで保つ感じはありません。
それでも800キロぐらいまでは油切れを起こさず、軽いチェーンの動きを維持してくれたので評判が良いのも納得です。
汚れが少ないのでクリーニングも簡単に出来るのでメンテなナンスの手間も減らせる事を考えるとこの価格も仕方ないと思える高性能オイルでした。

 

セミウェット（セミドライ）タイプ

 

上記二つの中間的なタイプ。
ドライほど完全に乾かないので雨や乾燥に対する耐久性を上げたもの、もしくはウェットタイプほどドロドロしないので汚れを呼びにくかったり動きが軽いタイプになります。

 

 

WAKOS CHL ﾁｪｰﾝﾙﾌﾞ (180ML)
販売価格￥2,376（税込）

 

チェーンクリーナーでもご紹介したワコーズのチェーンルブ。
塗布してから拭き取るまでの乾燥時間でウェットからドライまで調整出来る便利なタイプです。
また、水置換性、油置換性を持つのでチェーンに水や油が残った状態でも浸透してくれるので厳密なクリーニングが出来ない場合でも潤滑性能を発揮してくれます。

使いやすく性能の良いオイルなので、迷われた方に安心してお勧め出来るチェーンオイルです。

 

 

 

SURLUSTER ( シュアラスター ) チェーンルブ セミドライ S-146 220ml
販売価格￥1,760（税込）

 

 

 こちらはセミドライタイプのチェーンオイル。
浸透する時はオイル状ですが、定着するとほとんどベタつかず汚れが付きにくくなっています。
ワコーズと比べて軽い走行感が特徴ですが、その分ドライタイプに近く耐久性はちょっと短めになります。
チェーンクリーナー同様、臭いが少ないので室内で作業したい方にはお勧めです。

 

１ステップ（オールインワン）タイプ

 

これまでクリーナーとオイルをご紹介してきましたが、それらを１本で済ませるタイプの商品があります。
1ステップやオールインワンと呼ばれるタイプで多めに塗布して拭き取る事でクリーニング、そのまま潤滑性能を発揮してくれるという便利なタイプです。
それぞれの性能は専用品に及びませんが、手軽に使えるので作業する頻度を上げる事でチェーンを綺麗に保つ事が出来ます。

 

 

 

 

FINISHLINE ( フィニッシュライン ) 1ステップ クリーナー&ルブリカント 120ml
販売価格￥1,430（税込）

 

表面の汚れを浮かせて、抵抗の少ないきれいな潤滑剤の皮膜を形成.動力伝達系統からのノイズとペダリング時の摩擦抵抗を減少。
防錆効果を得ることができ、部品の寿命を伸ばします。
かなりサラサラしたオイル状なので耐久性はそれなりですが、常にチェーンに被膜がある状態にすれば錆びは防げます。
拭き取って新しく塗布するだけなので作業が手軽で良いですね。

 

RIDEOASIS ( ライド オアシス ) オイル DELA TRAIL ｽﾀｰﾄｱｯﾌﾟｷｯﾄ
販売価格￥3,300（税込）

 

 

オイルとチェーンクリーニング用洗浄器がセットになった商品。
グラベル、オフロード用オイルとありますが、カーボンナノチューブ（CNT）を配合する事でチェーンを保護しながら汚れを付きにくくするという効果があります。
配合されているオイルも洗浄効果と潤滑効果があるものなので、他のオールインワンタイプと比べて耐久性が高く、オイルが乾いてもある程度潤滑効果が持続します。

オンロードで使っても3-400kmぐらいは潤滑効果が得られたのでクリーナーを別に用意するのが大変な時にはお勧めの商品です。

 

ご紹介した他にも手に入る限りは数十種類の商品を試していますので、迷われたらご相談下さい。