ミニベロは省スペース、というのは本当？
by: 土師龍大

今回はちょっとした小話です。

最近、当店でミニベロをお探しの方によく受けるお話として
「保管時に省スペースな自転車がほしいのでミニベロを探しています」
ということがわりとあります。
ですが個人的な実感として、多少長さは変わるけどそんなに変わらない、という印象なのです。
本当に省スペースを求めるのであればやはりフォールディングということになるのですが…
ただ、実際に並べて検証したことはないなと思ったので試してみようというお話です。

ミニベロはどのくらい小さいのか？

まず前提として、ミニベロはホイールが小さく元々の安定感が弱いものです。
そのため通常よりもフレームそのものの前後長が長めに設計されます。

こちらは700cホイールの自転車のチェーンステー、タイヤとフレームが近いですね。
特にロードバイクなどはフルフェンダーが入る余地もない近さのものもあります。
これは安定感よりも加速の反応性などを優先させるためですが、そもそもホイール側である程度の安定感が確保できるから可能になる設計です。

こちらは一般的な20インチホイールのもの、タイヤとフレームがかなり離れています。
ホイールが小さいとジャイロ効果による安定が弱いのと人間の体格に合わせて設計した際にどうしても距離をとる必要がでてきます。
ロードタイプのミニベロでもやはり同程度離れています。
無理に小さく設計しても、まともに乗れなくなってしまっては意味がありませんよね。

似たコンセプトの同じくらいの身長の方向けサイズのクロスバイクとミニベロを用意したので並べてみましょう。

クランク位置を基準にして並べるとこうなります。
なんとフレーム自体の後ろ側の長さはほぼ同じかミニベロの方が長いです。ホイールサイズも半分というほど小さくはないので、ちょっと短いという程度になりますね。
前側に関しても同様、そんなには縮まっていませんね。

後輪の端を揃えて並べてみるとこうなります。
これが実際にわかりやすい長さの比較ですね。
ホイールの半分もない程度しか差がありません…これだと700cのバイクの前輪を外したほうが短くなる、という結果に。

また、高さに関しても多少低いかな？という程度です。
もちろん、そのちょっとした差が重要という場合もあるかもしれませんので差はちゃんとあります。
結局、大幅に省スペースであることを優先事項とするのであればやはりフォールディングバイクを選ぶのが最適解のようです。

省スペース派におすすめのフォールディングバイク

ということでフォールディングの中でも走りやすくて省スペースが叶えられるものを紹介しようと思います。

BROMPTON 23 C-LINE EXPLORE MID M6L

￥258,500-(税込

展開時は前後長がとても長いので、安定した走行感が得られます。

しかしたたんだ状態ではこんなに小さくなります。自室まで持ち込んでもあまり邪魔になりませんし、飲食店でもテーブルの下に置けるレベルの大きさです。
このサイズは新幹線でも予約不要なサイズなので、旅行などでも活躍間違いなしですよ。
さらにこの状態で地面を転がして運べるので重量もあまり気になりません。

専用バッグを取付けるとキャリーカートのように引いて運べるのでとても便利です。
大きめのバッグでもハンドリングに影響が出にくい位置なので、意外と荷物も多く運べます。
写真のバッグは約20Lのもので、お出かけやちょっとした買い物なんかはまったく問題ない大きさです。

ワイズロードオリジナル輪行袋を使えばこんなこともできます。
これで輪行はラクラクですね！

ただ、ブロンプトンは速く走るという目的では設計されていないので加速力や巡航速度を求める方には向いていません。ある程度長時間のライドでも問題はないのですが、やはりまったりめに走る感じの作りになっています。
そういった速度重視の需要であればたたんだサイズは大きくなりますが、DAHONのVISC EVOなどがおすすめです。

保管時のサイズや走行性能など、自分の要求に合った車体を探すのはなかなかにたいへんですが、それも実は楽しかったりもします。
私は結局折りたたみが2台になってしまいました(笑
折りたたみサイズは大きめで荷物を乗せにくいけどポジション調整がしやすくしっかり走るものと、荷物が乗せやすくゆったりめに走行できる小さくたためるもの。
そうやって自分に合った車体を条件別に揃えていくのも楽しいのですが、保管スペースや金額的な面ではあまり現実的ではありません。
一番優先したい条件がどこなのか、これがはっきりしていれば自転車選びは失敗しにくいのでぜひスタッフに相談してみてください！