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SHIMANO CUESでツーリングバイクをカスタムした話
by: 藤平悠介

 SHIMANO CUES

使い方に自転車を合わせる

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

新宿クロスバイク館の藤平です

 

自転車に求める役割は人それぞれ

街乗りの足として、レースの機材として、そして旅の相棒として・・・

当然自転車に求める性能もそれぞれに違いますが、今回ご相談を受けたお客様は「耐久性」と「ギア比」の二点を重視する旅ライダーの方

お話を聞く中で「完成車そのままで要件を満たすのは難しいな」と考え、駆動系のカスタムをする事になりました。

 

 

ベース車体

ツーリング用の自転車市場というのはここ数年グラベルロードカテゴリの台頭で大きく勢力図が変わっています

昔ながらのランドナーやスポルティーフカテゴリのモデルはほとんど無くなり、ディスクブレーキを採用した車体が多くを占めるようになりました。

今回のお客様は飛行機での輸送もありますし、荷物をガンガン積んで海外を旅するという事でスポーク折れなどの補修性を考えるとリムブレーキ採用車の方が望ましいという結論に

 

予算上限はカスタムを含め20万円程度

クロモリフレーム&フォークとフェンダー取付が必須条件で、荷物を積んだまま登坂出来るよう最低ギア比0.7程度をご希望でした。

相談当初はディスクブレーキでもOKというお話だったので純正でギア比0.7台が有るMARIN FOUR CORNERS1が候補だったのですが、フェンダー含めカスタムしていくと少し予算オーバーだった事もあり没に

 

 

結果的に選ばれたのはARAYAのツーリングモデル「FEDERAL」でした。

 

定番モデルだけど・・・

FEDERALと言えばずっとカタログに載っているトラディショナルなモデル・・・という印象でしたが、私の知らないうちにホイールサイズの変更がされていたんですね・・・(2023モデルからとの事)

昔はいわゆるママチャリサイズのホイールを採用しておりどこでもタイヤを入手出来るという事が強みでしたが、今回のお客様は国外での使用がメインのようなので650B化はむしろメリットでしょう

フルフェンダーも純正付属なので要件としてGOOD

 

変速操作はWレバーを採用しているので車体価格もお手頃ですし、万が一自転車を転倒させてもシフトレバーを破損させるリスクが低いです。

 

 

クリアランスの大きいカンチブレーキはフェンダー取り付けとの相性が良いだけでなく、スポーク折れなどで車輪に歪みが出ても自走出来る可能性を上げられます

ブレーキシューの入手もディスクブレーキに比べ難易度が低いですね

制動力については・・・純正パーツだとあまり高くないです・・・(※もちろん販売時お客様にお伝えしています)

これに関しては効きの良い物に交換がオススメですね

 

 

フロントに三段変速を採用している為ギア比も純正でいけるんじゃないか?と思いましたが、計算したところ最低ギア比0.87と思っていたより高め

幸い車体価格を抑えられたので予算内で駆動系をカスタムする事になりました。

 

ARAYA FEDERAL カスタム

トラディショナルなフレームにCUESを搭載!

今回のお客様は「耐久性」を重視するという事なので、SHIMANOが高耐久を売りにするCUESを選びました

駆動パーツの負荷が大きい電動アシストの自転車にも対応した設計の新しいコンポーネント(※とはいえもう発売から一年くらい経ちますが・・・)なので、SHIMANO曰くスプロケットの耐久性は三倍!との事

(※画像のサドル高が高いのは納車当日に調整予定の為です)

 

CS-LG300-10

今回はギア比0.7以下を目標という事でU6000グレードを採用

フロント32T(FC-U6000-1)、リア48T(CS-LG300-10)を取り付けして最低ギア比0.66!

 

 

 

お客様の希望を楽々とクリアしました。

もっと軽くしたい場合は30Tチェーンリングもラインナップされているので安心♪

 

「変速操作は難しくても良いので壊れにくいようにして欲しい」というご要望だったのでフリクションタイプのWレバーでCUES変速機を動作させる計画だったのですが、試しに変速機とレバーを繋いでみたところワイヤーの引き量が足りず動かせない事が発覚

シフター(SL-U6000-10R)とワイヤー受けパーツ(SM-CS50)を追加で注文しました

 

 

ちなみにシフターはディスプレイ(現在のシフト段数を表示する部分)付きと無しから選べましたが、今回は壊れにくさを重視して無しのタイプ

部品は増えれば増える程故障のリスクが上がりますからね

小さい可能性でも潰せる物は潰します。

 

SL-U6000-10R

CUESのシフターはフラットバー用に設計されている為ドロップハンドルであるFEDERALには本来対応しませんが、ステムに取り付ける事によりこれをクリア

転倒時もぶつかりにくい場所なのでお客様の要望である壊れにくさも大丈夫でしょう

ワイヤーの取り回しも案外問題無く、フラットポジションを握っている時は親指でシフトアップ、ダウンが可能なので想定外に操作性が良いです

輪行の際ハンドル周りを分解する可能性も考えワイヤーは全体的に長めに調整

スレッドステムは本来取り付け時に高さを調整する必要がありますが、シフターのクランプバンドをガイドにする事で毎回同じ高さに取り付けられるようにセッティングしました。

 

リア変速機はRD-U6000

シマノ・シャドーRD+なので振動に強く、スタビライザースイッチもあるのでより荒れた路面でもチェーン外れの対策が可能です

変速機の出っ張りが少ない為万が一自転車を倒してしまっても破損のリスクが低めという点も嬉しいですね。

 

ARAYA FEDERAL カスタム

FEDERALをフロントシングル化して想定外だったメリットが一つありました

変速ワイヤーが一本無くなった事でセンタースタンド取り付けが容易になった点ですね(※今回はまだ取り付けていませんが)

CUESのクランクはQファクター(横幅)が広めなのでガッチリしたダブルレッグスタンドを取り付けても干渉の心配は無いでしょう。

 

 

SL-U6000-10R

シフターのコラム取り付けが想定外に使いやすい・・・

「1インチコラムのスレッドステム採用車」という割とニッチな層にしか刺さらないカスタムではありますが、これ思いの外使いやすいです(※ある程度のステム出しろが必要です)

特にFEDERALの場合フラットポジション側にも補助ブレーキレバー(エイドバー)が付いているのでリラックスした姿勢で変速が出来ますね。

 

 

2ウェイリリースタイプのシフターならどれでも再現出来るとは思いますが、フロントシングル仕様がありレバー操作の軽いCUESシフターは特に相性が良いと思います

私自身「手持ちのバイクでやろうかな・・・」と考える程度には使いやすい。

私の使い方なら前40T、後ろ11-39Tの歯数で組み合わせて、RD-6020-10で動作させればバッチリのはず・・・

 

 

 

 

カスタム費用は?

今回のカスタムに掛かったパーツ代を計算してみましょう

 

  1. クランク:FC-U6000-1(170㎜/32T)¥9,141
  2. ボトムブラケット:BB-MT500 ¥2,810
  3. スプロケット:CS-LG300-10(11-48T) ¥8,221
  4. チェーン:CN-LG500 ¥3,454
  5. リア変速機:RD-U6000GS ¥9,275
  6. シフター:SL-U6000-10R ¥3,991
  7. ワイヤー受け:SM-CS50 ¥1,463

全部で¥38,352

10速コンポーネント一式と考えるとお手頃な価格と言えますね

お手持ちのバイクをリフレッシュするにも悪くない金額と言えそうです(※工賃が別途掛かります)

 

FEDERALは車体価格が¥88,000なのでカスタム含めて¥126,352

お客様ご希望のタイヤチューブ交換(耐パンクタイヤ+米式バルブ化)や予備チェーン購入、前後荷台取付などを含めたとしても20万円以内に収まるでしょう。

 

 

 

 

SHIMANO CUESはどう?

完成車に採用されている物はいくつか触っていましたが、カスタムとしてしっかり組むのは私としても初めてです

感じた事として大きいのはスプロケットの設計思想が今までと大きく違うのでは?という点

 

スプロケットというパーツには歯先の形状やプレート部分の削り(凹み)などで、変速時にチェーンの動きを助ける部分(変速ポイント)が存在します。

今まで触ってきたシマノのスプロケットはいつ変速操作を行っても滑らかかつ素早く変速を完了させるように造られていたと思うのですが、CUESのスプロケットに関しては変速操作から実際に変速が開始するまで一瞬のタイムラグがあるように感じます。

 

これは設計が悪くなった訳ではなく、意図的に変速ポイントの箇所を絞る事でチェーンを受け止める段差などを強く(大きく)造り変速時のショックを減らす設計思想のようです

E-BIKEなど高いトルクが掛かったまま変速動作が行われても確実に変速をするように設計されているのでしょう(海外サイトではオートマチック変速についても記載されていたのでそのあたりもこの設計に関わっているのかも?)

今回の組み立てでもスプロケットに11-48Tというかなりワイドなレシオの物を使っているにも関わらず、変速時にチェーンの暴れが少なくて驚きました。

 

初見では「変速のスムーズさを売りにしている割には動作にラグがあるな・・・」と思ってしまいましたが、そもそも「スムーズな変速」という言葉の意味合いを私が勘違いしていたんですね

レースのようなスピードの上げ下げにレスポンスを要求される使い方ではなく、日常的な使用での変速ショックの少なさや耐久性を重視した設計である事が強く感じられました。

長く自転車に携わってしまうと「変速時はペダルからトルクを抜いて操作するのが基本だろう」という考えに凝り固まってしまうのですが、CUESというコンポーネントは多少トルクが乗ったままでも正しく変速動作をさせようという考えで造られているようです

言い方はとても悪いと思いますが「変速操作が下手なライダーに向いている機材」と言えるでしょう。

 

この設計思想はスポーツバイクを普段使いする多くのユーザーにメリットをもたらすと思います

ただし、耐久性が高いからといって注油などのメンテナンスはサボらない方が良いですが。

 

 

今回触ってみてCUESの造りや考え方はかなり良いと感じました

これから車体を買う方も、既にお手持ちの物のカスタムや修理を検討している方にもオススメです。

 

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