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「タイヤが太いと走りが重くなる」って本当?
by: 藤平悠介

自転車 洗車

タイヤの太さで走りはどう変わる?

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

新宿クロスバイク館の藤平です

 

自転車選びの中で重要な事の一つがタイヤの幅

店頭でご案内をしていると「タイヤが太いと遅くなるんですよね?」という事を言われる事が多いです

今回は私が今まで乗ってきた経験から感じた各サイズの印象をつらつらと書いていきます。

 

なお、ライダー体重は56㎏程度

ホイールサイズはETRTO622(700C/29インチ)で、取り付け方式(クリンチャー、チューブレスなど)や車体重量、リム幅や車体ジャンルはバラバラなので参考程度にお読みくださいね。

 

 

走行感の話

21C、23C

ひと昔前のロードバイクやピストなどで使われていたサイズでかなり細いです

私の体重なら空気圧設定は6~7Bar程度になります

加速はタイヤ(ホイール外周)が軽いので楽ですが、路面からの影響を受けやすく特有の不安定感を常に感じます(※私がMTBから自転車を始めたタイプなので細いタイヤに不慣れという事も大きい)

空気圧設定が高い事もあり段差などでの突き上げも大きく個人的にはあまり得意な乗り味ではありません。

 

 25C タイヤ

25C

ここ数年のロードバイクではスタンダードな太さと言える物だと思います

空気圧設定はだいたい5~6.5Bar前後

21、23Cよりも少々安定感が出ますし、加速性能や高速順行性のバランスに優れるサイズとも言えるでしょう

タイヤのラインナップも多く入手性に優れ、ひと昔前のリムブレーキ採用フレームでもほとんどの場合問題無く装着が出来ます

ただ、この太さでも正直個人的な好みからは外れる衝撃吸収性です。

 

 28C タイヤ

28C

ひと昔前のクロスバイクではメインスタンダードで、現在のディスクブレーキロードバイクではメインストリームな太さでしょうか?

空気圧設定は5Bar前後

ロードバイクでもチューブレスが当たり前に使われるようになった現在ではタイヤ重量も軽く加速性能とクッション性が両立されていると思います

このあたりの太さからは走行中の安定感もそれなりに出てきますが、リムブレーキ採用のロードバイクだと装着が難しい物も多くなります。

 

 32C タイヤ

32C/33C

 32Cは現在クロスバイクではメインストリーム、ロードバイクでもエンデュランス系で採用されている事が多いサイズですね

33Cはシクロクロスという競技で使われており、この辺りの太さからはちょっとしたオフロードの走行もこなせるようになります

 

空気圧は舗装路なら3~4.5Bar程度

走りの軽快感を損なわずクッション性、ある程度安定性も欲しいという方には一番オススメのサイズです。

段差での突き上げが軽減され、路面のひび割れなどの影響も受けにくくなります

タイヤラインナップも多いので入手性も◎

 

38C タイヤ

35C、38C

 いわゆる「太めのタイヤ」の入口程度の太さです

舗装路なら空気圧は2.5~4.5Bar程度

クロスバイクならば一般的に取り付け出来る車種がほとんどで、現代のディスクブレーキロードバイクではこのあたりが最大幅になるモデルが多いです

舗装路であれば路面の影響を受けにくくクッション性の高い乗り味が魅力ですが、タイヤ重量や空気抵抗などの影響で加速や高速順行性に若干の影響が出ます

このあたりの太さからはタイヤ外周径が大きくなってくるのでロードバイクではチェーンリング交換でギア比を微調整すると使いやすくなります

荷台の取付やバイクパッキングなどを考えるのであればこの辺りのタイヤ幅からがオススメです。

 

 40C タイヤ

40C、45C

最近流行りのグラベルジャンルの車体に使われる事が多いサイズ

空気圧は舗装路であれば2~3Bar、オフロードなら2Bar以下程度

舗装路も軽快に走れますし、一般的なオフロードでも問題無く走れます

ここ数年でラインナップがとても増えた個人的にもオススメのジャンル

 

乗心地は安定性、クッション性が高く段差などもへっちゃら

タイヤ重量は一般的な25Cタイヤの倍程度になるので加速がもっさり・・・と思われがちですが、純正でこのタイヤ幅を履いている自転車であればギア比が適正化されているので実はあまり重く感じません

タイヤ入手性も以前に比べかなり良くなっています

弱点を挙げるとするなら適応身長の小さいフレームサイズの車体が少なくなるという事でしょうか?(※タイヤクリアランスの影響で小さい設計が難しくなる)

 

秋ヶ瀬公園

50C、2インチ~2.4インチ(61C相当)

MTB用タイヤの入り口となるサイズで基本的にはオフロード向けのタイヤラインナップがメインとなりますが、舗装路で転がりが軽い設計の物も存在します

空気圧は舗装路で2Bar以下程度、オフロードは路面次第で変わりますが1.2Bar~1.8Bar程度

舗装路にあるレベルの段差ならば全く気にならずガンガン行けますが、タイヤ重量はそれなりにあります

変速を上手く使えば加速や上り坂でもあまり困る事はありませんが、高速巡行は辛さが出てきますね

50Cを超えてくると街中にあるラック式の駐輪場を使えない事が多くなるので街乗りには要注意

 

2.5~4インチ

セミファット、ファットバイクといったカテゴリに採用されているタイヤサイズ

正直舗装路向きではありませんし、街乗りなどの普段使いにはオススメしにくいサイズです

残念ながら私の手元には無いので何度か借りて乗った程度の経験からですが、走破性が高いのでオフロードに行けば無敵に思えます

置き場や保守性(整備性)なども含め実用性よりも趣味性重視の物だと思います。

 

TREK X-Caliber4

「タイヤが太いと走りが重くなる」に対する個人的見解

自転車業界のここ10年程度のトレンドはタイヤが太くなる傾向にあり、ロードレースなどでも30C以上のタイヤが使われる事が当たり前になっています

理由はディスクブレーキ化など色々とあるのでしょうが適切な機材と空気圧で組み合わせるのであれば細い高圧タイヤよりもある程度太い低圧タイヤの方が効率が良いと考えられるようになったからですね。(※走行速度や路面環境により違うので一概には言えませんが)

 

私の個人的な考えはタイヤの幅はライダーの体重に合わせて選ぶのが効率的であると思っています(※舗装路メインでの話で、オフロードでは路面に合わせますが)

ただし大は小を兼ねるという考えの元で太いぶんにはあまり困る事は無いというのも持論です

実際私は60㎏に満たないライダーですが、普段乗っているバイクは2.4インチ幅

街乗りであれば信号待ちに引っかかる回数が変わらないので、細いタイヤでも太いタイヤでも移動時間に大きな影響はありません。

 

巡行時に路面から受ける抵抗という点はタイヤの太さよりも空気圧セッティングの影響が大きく、適切にセット出来ていればタイヤが太くても路面抵抗は増えません(※私の体感によるものでエビデンスはありませんが)

加速時や上り坂では車輪外周の重量が大きく影響してくる為細めのタイヤに優位性が有りますし、巡行速度が高くなってくると空気抵抗が関係してくるので太過ぎるタイヤのデメリットが出てくるでしょう

結局は自身の使用する環境に合わせて選ぶ必要がありますが、「タイヤが細い方が速い」というのはもう過去の考え方になっていると言えます。

 

選択は自由であるからこそ楽しい

ディスクブレーキ化の進んだ現代のスポーツバイクはタイヤ幅変更の選択肢が広いので、色々な幅を装着してみて自分に合う物を探すのも楽しみの一つであると言えるでしょう

既にお手持ちの自転車が有る方も、これから自転車を買う方もタイヤの幅について考えてみると面白いと思います

 

太いタイヤで街乗りをしたって良いですし、23Cのタイヤで林道のオフロードに突っ込むのだって自由です

「抵抗が少ない」とか「乗っていて楽である」というのは重要な事ではありますが、セオリーを無視してもライダーが満足する選択であれば良いのです

太さが同じだったとしても乗り味はタイヤの銘柄によって様々なので、タイヤ交換はオススメですよ。

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