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だから俺は完全内装をやめた。
by: 大槻拓摩

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上野本館の大槻です。

今回は、自分のバイクのハンドルステムを変えポジションを最適化するにあたって、規格の壁や仕様の問題を解決したうえで交換をしたので書いていきたいと思います。

※かなりニッチで自己満足領域な内容のため、どういった面でこの記事に需要があるかは分かりませんがご興味のある方はぜひお付き合いください!

ハンドルをもっと遠ざけて下げたいんだよなぁ…

ここ最近での練習や試乗のなかで自分のしっくりくるハンドルポジションが、現状のセッティングより遠く低いほうが良いことに気付きました。
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美観の部分では大満足のこの仕様でしたが、ポジション探求と走行フィーリングの変化が気になったので思い切ってハンドル周りを一新することにしました。が、
ここでぶち当たる壁が「互換性規格の問題」です。今回は自分のバイクにも採用されているFSA社のヘッドセット規格にフォーカスをあてて書いていきます。

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自分の乗っているバイクのヘッドセット規格はFSA社のフル内装規格「ACR」を採用したバイクなので、専用のステムとフル内装に対応したハンドルを組み合わせることでケーブル露出をゼロにできるというものです。今回はこれが一番の壁になります。

対応したステムの角度が-6°しかない

厄介なのがこのACR規格、対応したステムは元々-6°の商品しか存在しないので、既にコラムベタ下げで使用している仕様の現状では交換する手立てがありません。
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ACR対応ステムは現在使用中のFSA製「NS OS-160ACR」もしくはvision製の「METRON CARBON ACR」の2種類ですがどちらも-6°のみのラインナップ。

その時思い出しました。

そういえばこのバイク、ヘッドセット交換してステム外装に交換できるやん

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自分の乗っているARGON18 SUM PROは同じFSA社の別のヘッドセット「NO.69 SRS ヘッドセット」に交換することが可能でした。

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この画像はSRS規格を使用したDE ROSA 838です。ヘッドチューブのカバーからケーブルがフレーム外に出てきているため、専用ステムの使用制限がなくなりオーソドックスな汎用ステムが使えるようになります。ケーブルが露出してしまうのでエアロ効果や見た目のクリーンさには欠けますが、-10°以上の角度の付いたステムが選べるのでポジショニングの自由度が飛躍的に上がります。

パーツを集めて交換開始

ステムを交換するにあたってハンドルも軽くて体格に合ったものに新しくします。
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「GIANT CONTACT SLRハンドルバー +2024/ステム -20° 120mm」を選びました。

今回この2つを選んだ理由は
・軽い
・他ブランドよりも安い (ハンドル/52800円 ステム/38500円)
・サイズが豊富

という点です。
※現在使用中のパーツがGIANT/CADEX製があったりするので少し統一感が出るというオマケ付きですw

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このハンドルは2025年モデルのTCR ADVANCED SLに標準装備されているハンドルです。T800/T1100カーボンを使用し高剛性 超軽量を実現したハンドルです。選んだハンドル幅は340/360mmです。

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ハンドルは極力狭いものを選ぶ強いこだわりがあり、元々使用していたAerocoachのハンドルはTTバイク顔負けのエアロポジションが取れる325/375mmの超激狭ハンドルを使用していました。平坦走行だけであれば不満はありませんが、ヒルクライムやクリテリウムのようなダンシングを多用するシチュエーションにおいてはその狭いハンドルが弱点になることもあるため、少し幅広のハンドルに交換したかったというのが主目的です。(Aerocoachハンドルは個人取り寄せ品につきワイズロードでは取り扱いありません)
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実測重量148gとヒルクライム決戦ハンドルとしても優秀です。

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ステムについては軽量で剛性が高いのは勿論ですが、-20°とかなり急な角度の付いている部分が今回のポイントです。

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交換直前のシミュレーションで仮組をした際にフォークコラム残量が足りないことが発覚し、急いで新しいフォークを取り寄せて交換しました。
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上が交換する新しいフォークです、コラム残量が一目瞭然です。
というのも元々使っていたNS OS-160ステムは、スタックハイトが極端に低いステムなので、ベタ下げコラムカットしてしまうと他のステムが一切使用できなくなってしまうようです。

今回-20°の角度の理由として「ステムをベタ下げせず、コラム残量を確保しつつハンドルを下げる」のが目的です。
ケガや好みの変化によってハンドルポジションを変えたくなる可能性や今後のカスタムで一体型ハンドルを導入する際など、今後も付きまとうであろうリスクの保険的な目的です。

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ポジションを確認しながらカットラインを決めて~(ベタ下げ状態はほぼトラックバイク…w)
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コラムカットして諸々済ませて(我が家に万力は無いので2人がかりでしっかり押さえながら切っています)

完成状態はコチラ

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ここ最近のモダン形状のバイクとはかけ離れたビジュアルになりましたw

前のセッティングからステム長は120mmに伸び、ハンドル高は測り忘れましたが元より20mm近くは下がったのではないでしょうか。
ステム長120mmにサドル-ハンドル落差が100mm以上付く一般論でいえばかなり過激なセッティングですが、自然に頭が下がりエアロ効果も高まるうえに、体幹に意識しなくとも力が入り安定したペダリングがしやすくなりました。(ようするにエアロとパワーがエエ感じになるポジションです)

皇居や閉園後のディズニーリゾートでの強度高めインターバル、荒サイLSDで同じ姿勢でペースを維持したりすることが楽になったので、本題の最適化が出来たのではないでしょうか?
このセッティングではポジションの快適性は欠片もありませんが、レーシングバイクという点とグランツールのような200km走るレースには出場することもまずありませんので、いい意味割り切った仕様として今後も楽しめそうです。

まとめ

長く効率的に速く走るために今回のような大改造に至ったわけですが、「ビジュアルや美観」「使用するコックピットによる数Wの削減」を求めるのであればフル内装や一体型ハンドルにこだわります。ぶっちゃけプロレーサーでもない自分にはロマン以外でそれを選ぶ意味を見出せなかったので、ポジションを気軽に変更できる汎用ステムが使えるようにヘッドセットやハンドルなどをまとめて交換しました。

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60mmオーバーのディープリムを履かせても楽しいARGON18 SUM PROはいいぞ!
自分の乗っているバイクがヘッドセットを変えたり、ケーブルルーティングを変更することを前提に設計された車体だったこともあり、大きなイレギュラー無くカスタムを完遂する事が出来ました。
他ブランドのFSA-ACR規格を使用した車体でも今回行ったような汎用ステムを使用可能にすることが”理論上は”可能な場合がありますが、フレームとの相性が悪かったり、フレーム内のケーブルルーティングの関係で外装化できない場合があります。またハンドル周りの作業は走行上の安全性に関わる場所のため、無理にご自身で行おうとはせず、店頭での相談/カスタムを推奨します。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
今後も普段のライドやトレーニングの中で気付きや考察があったら記事にしていきたいと思います。
文章で説明することが難しい内容のネタもありますので、興味がありましたら店頭でご質問頂ければと思います!

 

 

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