【DAHON】ニューモデルのDEFTAR TXに乗ってみました
by: 長山 靖

ワイズロードスタッフ試乗会にて、DAHONのニューモデルに乗らせて頂きましたので、インプレをお届けいたします。

DAHON DEFTAR TX

 ￥139,700（税込）

進化を遂げた最新版

走行性とコンパクト性を兼ね備えた適度なサイズ感の20インチ（ETRTO：406）ホイール、シフトレバー1つだけでシンプルに操作出来る必要十分な8段変速、持ち運びやすさに直結する10kg弱という軽量性、など、折り畳み自転車としてバランスが良いことから人気モデルだったDEFTAR。

元々、完成度は高かったのですが、2026年度版で「TX」となって更なる進化を遂げました。

20インチ用としては最軽量クラスのホイール「DAHON Pro」。これまではフロントのみの採用でしたが、今回からリアにも入り、前後お揃い仕様となりました。見た目の纏まりが良くなると共に、軽快感の向上が図られました。

 ハンドル周りは、従来は1ポジションで固定だったものが、可変ステムに変更となりました。角度や高さを体格やお好みによって微調整出来るようになり、より快適に走りやすい仕様となっています。

ブレーキは、キャリパーブレーキからVブレーキへと変更。タイヤとブレーキとのクリアランスが大きく広がり、太いタイヤの選択幅が増えました。

トップチューブからBB下にかけて専用のケーブルでつなぐことでフレームにトライアングルを形成する「Deltech」。他モデルで採用が進んでいましたが、今回のTXよりDEFTARにも採用。フレームヒンジ部への負担を大きく軽減させる効果を持ち、フレームの耐久性を大幅に向上させています。

乗車感

いざ、試乗。

車体やホイールの軽さにより、漕ぎ出しや加速はスムーズ。軽やかに巡航速度まで上げることが出来、小気味よい感じです。ハンドリングは、変な癖は無く適度な安定感があり、余計な注意を払うことなく走れました。剛性感はほどよく、一般的な脚力の方が普通のシーンで走る分には過不足無し。豪脚の方が思いきり踏み抜く、みたいなミスマッチをしない限り、きちんと応えてくれます。

 ギア構成は、フロント53T × リア11-30Tと、シンプルにして守備範囲が広い設定。トップ側に入れて漕いでみたら、不安感無くそこそこのスピードまで上がりました（体感で時速30km半ばくらい）。逆にロー側にすると、平地では回しきれないほど軽くなりました（コース設定上、登坂シーンが無いために平坦での試し）。この軽さなら、それなりの登坂までなら難なくこなせることでしょう。脚力次第では激坂も攻略出来そうですが、そういうシーンでの使用を乱発するとフレームに過負担がかかりそうなので、無理は禁物かも知れません。とは言え、フレームヒンジ部への負担を大きく軽減させるDeltechが追加になったことは、安心感が増してありがたいアップデートです。

これらの走行感ととても相性が良かったのが、新規追加となったハンドルポジションの調整機能。シーンや気分によって変更出来るようになったおかげで、走行性の素性の良さをより活かすことが出来るようになりました。折り畳み自転車には、1ポジション固定で自らが自転車に合わせに行く、というものが少なくなく、まあこんなもの、という割り切りがありがちでした。そんな中で、ロードバイクなど他の車種でポジションやペダリングと向き合ってきた身としては、この可変はとても具合が良く、威力が大きいと思いました。

小径折り畳みで、軽くて、この走りで、お値段￥139,700（税込）。かなりコストパフォーマンスに優れた1台だと思います。限られたご予算の中で、畳めば持ち運びしやすい重量で、走ればバランスの良い走行性を持った1台を、という方には、強力な候補としてオススメ出来るモデルです！

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