新車で起こるかもしれないワイヤーのびとは？
by: 福田竜太

ご覧いただきありがとうございます。
皆様、新車を買ってすぐに変速に不具合が！ブレーキレバーがハンドルにくっつくくらい遊びが大きくなっちゃった！という体験をしたことはありませんか？知らなかった方も、これから自転車を買う方もこんなのがあるんだなぁと見ていただければ幸いです。

1 新品だからこそ起きる不具合

新品だからこそ起きる不具合

実は買ってすぐに起きるこれらの不具合は、新品だからこそ起きることでもあります。
ではなぜそうなるのか、という解説をしていこうと思います。

ワイヤーがのびている

実はワイヤーがのびているせいで、変速がうまくいかなかったり、ブレーキレバーがハンドルにくっついてしまったりしてしまうんですね。

ワイヤーは簡単に言うと針金の集合体です。解くとこのようになっております。(写真のものは廃材を使用しております)

これを引っ張ったりリリースしたりすることで変速、ブレーキをしているのですが、新品のワイヤーを引っ張っていると徐々にのびてきてしまいます。そうなるとワイヤーがたるんでしまい、本来１つ引っ張って変速していたところが0.5しか引っ張れず、中途半端なところに変速機が来てしまうことでガチャガチャ音が鳴ったり、動かしてないのに変速してしまう、逆に動かしたのに変速しないなど、具合が悪くなってしまいます。

ブレーキは変速ほどシビアではないので、ちゃんとブレーキさえ閉じてしまえば止まれますが、引きしろが多くなるといっぱい握りこまないといけなくなってしまいますので、放置はよくないですね。

対処法

実はそれらを直す方法はとても簡単です。やり方さえ理解してしまえば、お店にわざわざ出向いて直してもらう時間がもったいなく感じてしまうと思います。

それはコチラのアジャスターと呼ばれる部分を回すことです。

ワイヤーがのびてしまっていることがほとんどなので、このパーツを正ネジが緩む方向に回してあげます。そうするとこのパーツが出てくるので、それでワイヤーのたるみをなくしてくれます。リア変速機のアジャスターは少し回すとカコン、カコン、と１クリックずつ回せるようになっているのがほとんどのため、ひとつアジャスターを回してみて、クランクを回して音が消えているか、消えないならもう一つアジャスターを回してみて、と少しずつ動かしてみます。音が消えたらおしまいです。

ブレーキにも本体やレバー部分にこのアジャスターがありますので、同じく少しずつ回してあげれば引きしろが戻ってくれます。

出ないように予防することも可能

自転車を新品で買ったときにはスタッフが組み立てを行いますが、皆様の中には消耗品交換を自分でやってる、もしくはこれからやってみたいという方もいらっしゃると思います。

新品のワイヤーを張ることでこのような現象が起きるので、その時にやると後から不具合が出ないやり方がありますのでご紹介します。

それは、ワイヤーをとにかく引っ張りまくることですね。
最近は内装してしまうことがほとんどなので、物理的に手で引っ張ることは難しくなってきておりますが、変速をとにかくしまくる、ブレーキレバーを強く握るなどをして先にワイヤーをのばし、のびたところからきっちり張りなおすことで事前に対処することも可能です。

外にワイヤーが出ているものであれば手で引っ張ることもありますが、使い込んだフレームだとワイヤー受けがもげてしまうかもしれませんので注意です。

それでものびてしまうことも

すべて事前にワイヤーのびを取ることは不可能に近いと思います。ですが、先にのばしておいたワイヤーと、のばさずに後からのびたワイヤーを比べると、アジャスターを回す量が大きく変わります。アジャスターも無限ではありませんので、回しすぎるとネジが取れてしまい、結局ワイヤーを張りなおすことにもなってしまいます。後からの手間を考えると、先にのばしておいた方が良いと思います。