日本最大級のスポーツサイクル専門店!九州1号店!
2016/08/12 19:08
「全てはファビアン・カンチェラーラのクラシックでの勝利のため」
そう断言しても過言ではない、特別な開発経緯を経てきた事で、
カンチェ自身に「自分の子供のようなもの」とまで言わしめる、
スーパーエンデュランスバイク 「DOMANE SLR」。
プロスペックの軽量カーボンに快適装備の「IsoSpeed」を組み合わせた
「SLR」というモデルは、実は小西みたいなアマチュアライダーにこそ
ベストな選択肢なのでは?
ということで。
「DOMANE SL」に引き続き、「SLR」にも試乗してみました!!
〇TREK DOMANE SLR 6 ¥590,000-(税込)
近年の命名トレンドに合わせて「SLR」というモデル名になりましたが、
要は今までの「6シリーズ」。
カーボン素材は、軽量・高剛性が売りの「OCLV600」。
メインコンポは機械式アルテグラなので、基本的なパーツ構成は
先に試乗した「SL 6」と大差はありません。
さて、18万の値差とカーボン素材の違いは、小西にはどう映るのか。
〇まずは見た目。
「SL」との最大の違いが、快適性が調節できるリアのスライダー。
体重が違っても、同じように「IsoSpeed」の効果を体感できる優れものです。
ちなみにカンチェは大体「真ん中よりちょっと下」にセットしているとか。
実は「SL」のところでも気になっていたのですが、新型アイソスピードは
第一世代のものとはピボット(支点)の位置が変更されています。
以前のモデルはピボット(支点)の位置を前かつ下にオフセットさせることで、
よりしなりやすくするのが狙い、と小西は勝手に理解していました。
でもこの新型はシートチューブと同軸。
これではテコ比を大きく取れません・・・何故?
折角のトレックワールド。
わからなかったら聞いてみましょう。
・・・
どうやら、新型のアイソスピードのキモは「ピボット」から伸びる
「板」にあるようです。
ピボットを支点にシートマストがしなるのではなく、ここを軸に回転し、
板状になっているシートチューブの後ろ半分が前半分を「押す」ことで、
この構造ならではの大きな「しなり」を生み出すとのことでした。
なるほど。
そう考えれば、スライダー位置を変えることで快適性が変わるのも理解できます。
ん??
そうするとスライダー無しの「SL」はシステムとして退化しているのでは??
若干のモヤモヤを残しつつも試乗スタートです。
〇乗ってみての第一印象。
と言うか乗る前、ちょっと押しただけで車体が軽いのがわかります。
乗った感じは「軽い、それ以上に硬い」。
アイソスピードがあっても、乗り心地にややコツコツ感を感じます。
〇わざわざ道の悪いところを走ってみる。
スライダーは一番下なので旧型比で14%快適性がアップ。
フロントコラム部分にもアイソスピード搭載。
ラバーコンパウンド配合の「IsoCoreハンドルバー」も採用。
と、ある意味フル装備のはずですが・・・
やはり路面からの振動や衝撃をそれなりに感じますし、
大き目のギャップでは「ガツン」と大きなショックも感じます。
もちろん、大多数の超軽量・高剛性ロードバイク達と比べれば
「間違いなく乗り心地はいい」と言えるのですが・・・
ドマーネとして考えると「SL」の乗り味の方がそれっぽい。
これはもうシステムどうこうと言うよりも、カーボン素材(OCLV600)
そのものの特性が前面に出てきているのでしょう。
もちろん乗り手がカンチェか小西かの違いも大きいのかもしれませんが。
ちなみに。
以前のトップグレード「ドマーネ6」も、カンチェラーラが実際に乗っていたものは
実は特別仕様で、ダウンチューブが鬼のように重くて鬼のように硬かった・・・
なんて話もあります。
それだけの剛性を求めたライダーが開発してるのですから、そりゃ硬いはず。
〇普通の道を走ってみる。
過度な「ドマーネっぽさ」を求めたり期待したりしなければ、
軽くて速い極めて優秀なロードバイクです。
SLでもちょっと感じましたが、軽快感においてはSLRは群を抜いてます。
28Cタイヤを履いているとは思えません。
アイソスピードも適度に仕事していて、快適成分もそれなりに高め。
ただし、ここでもフレームの硬さは感じます。
今度は縦ではなく横。
「SL」で感じたような適度なたわみはほぼ無し。
この辺りの味付けから見ても、「DOMANE SLR」の基本にあるのは
「あくまでもレーシングバイク」であり、カリカリになりがちの乗り心地に対し、
前後の「IsoSpeed」で快適性をプラスした、といった印象でした。
・・・まんまですね。