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2023/08/21 19:35
アサゾースタッフ石川のバイクカスタム論を最近フルカスタムした愛車を基にご紹介!ベースのバイクは最新のエアロロード?超軽量オールラウンダー?いいえ、エントリーアルミロードです!
目次
というわけで以前も投稿したのですが、TREK DOMANE AL2 DISCといういわゆるディスクロードのエントリーモデルを買わせていただきました。今回はこのバイクをカスタムしていった話を基にしたカスタムに関する話です。
いつもブログを見てくださっている方や知人からは通勤用?とよく聞かれましたが、とある目的があって必要な素材だったのでガチバイクに仕上げるために買いました!!
エントリーモデルではありますが、購入してから二カ月後にガチバイクになりました!!!
既にライドブログのついでに紹介をしているので新しい内容はありませんが、改めて愛車カスタマイズのノウハウとして皆さんに共有できるようにまとめさせていただきます!
これを最後まで読んでご理解いただければロードバイクのカスタムの事がわかってくると思います。
というわけで、買ってから翌日帰宅するまでに早速少しだけいじってあるDOMANE ALですが、このバイクをなぜ選んだのか?
まずは自転車選びから始めましょう。既に持っているバイクであれば、それがどういうバイクなのかを見つめなおしてみてください。
ベースとなるバイクがどのような特徴を持っているのかを把握して最適なカスタムをする必要があります。あくまでもそのバイクにとって自然なカスタムこそが能力の向上につながります。
ロードバイクによってエアロロードやオールラウンドロードなど得意とするコースの違いや、エンデュランスロード、オールロード、グラベルロード、など走り方や路面状況といったシチュエーションの違いによる分類があります。
前者はいわゆる純粋なロードレースバイクとしてご自身の得意とするコースや脚質に合わせて速さを基準に選ぶ基準となります。
最近はエアロで軽量なレースモデルが増えてきましたね。
後者はロードバイクに乗る目的の違いです。レースを目的にしている、とにかく速さを追求しているなら前者から選びますが、それ以外の方法としてはどういう目的でロードバイクに乗るのかを考える事です。
レースモデルは速く走る為に性能を高めているので、当然ですが砂利道は向かないですし、長時間ゆったり走る事も苦手です。荷物をマウントするための台座もないですし、太いタイヤも入りません。
エンデュランスロードとオールロード、グラベルロードに関しては最近境界線があいまいで無いに等しいので呼び方が難しいのですが、それらを私の基準で分類すると、
長距離を走りやすい乗り心地の良さにパラメーターを振ったのがエンデュランスロード
オールロードはロードバイクとしての俊敏性や旋回性、ジオメトリーを維持したままグラベル系のタイヤの入るタイヤクリアランスを持っている事。(目安としては38c以内)
グラベルロードはタイヤクリアランスが38c以上あって、グラベルライド用に悪路での操作性と安定性を取ったオフロード寄りのジオメトリーを採用している事。(レース系のグラベルバイクはここの基準を狂わせる)
エンデュランスロードは走り方の違いだけなので太いタイヤが入るようになってオールロードとの区別が最近無くなってきましたね。
ここからは私の場合です。
先ほどのロードバイクの分類から、私はオールロードというジャンルのバイクがどうしても欲しくなりました。
とある峠のグラベル林道の存在を知ってからどうやってアクセスをするのか、どういうスペックのバイクで走りに行くのが正解なのかを妄想する日々が始まりました。
コースを考えたときに必ず1000m以上のキツイ登りをこなす必要があります。当然同じだけのダウンヒルを要します。オンロードの走りやすさ重要だなと言うのが一つ。砂利の深さも観光地でプリウスで通っていくぐらいの浅い踏み固められた砂利道なので難易度的にも私基準で25c以上であれば通行は可能なものの、楽しいのは32c~35cぐらいのスリック系のタイヤと予想。
ついでにそこに行く以外にも、長距離ツーリングや、地方に輪行でお出かけするときなどにも乗りたいのであくまでもロードバイクとしてのジオメトリーを使用している事。
折角なのでダウンチューブ下やトップチューブ上にボトルケージマウントがある事などがあると嬉しいスペックだと考えました。
また、砂利道を走るので金属フレームの方が安心だと言うのもありました。
クロモリのタイヤクリアランスが大きいロードバイク何かないかなと探していたのですが、なかなかすべてが合致するバイクがなかったので半ばあきらめていたのですが、
ある時自分の店に希望通りのバイクがあったことに気が付いてしまい、その日に買ってました。
レースなのかレースじゃないのか。
走り方として速さを重視するのか身体への負荷を重視するのか。
走る場所は100%オンロードなのか。
という判断を順番に行い必要なスペックを持った一台を絞っていく作業になります。
エントリーモデルなので、シマノのパーツがついているとはいえそれなりの重量があるこのバイク。↑これはカスタム済みです。
実測で10.95kg(一番上の写真のつるしの状態)あるのですが、普段乗るメインのロードバイクが7.0kg(マウントとか全部はがして)と4kg近く重たいので同じまではいきませんが、まずはある程度の軽量化は必須となります。
あとは、ポジションの問題で、エンデュランスフィットのバイクなので少しハンドルは高く近くなってしまいます。ですがステムを変えるとハンドリングはそれだけでも変わるので120mmのステムは共通に17度の水平ステムに変えて、更にはトップカバーが厚いものが入っていたので少し薄いやつに変えて全体的にリーチを伸ばしてある程度納得いくポジションには仕上がりました。理想のポジションというのは何を目的にするかでも大きく変わってきます。
もう一つは12s化ですね。今現在12sの11-34tというスプロケットを使っていてそれがベストなので11-34の12sにする事が快適に走る為には必須。(もう一台と比較してスペックを落とし過ぎると乗らなくなっちゃうので)
更には、輪行する際に便利だと一般的に言われている機械式を改めて使いたかったので(去年まで使ってた)、フルメカニカルコンポのロードバイクがどうなのかを私自身がしっかりと把握する事で皆さんに生きた言葉で伝えられると思って、、、(自身の知的好奇心しかないです(笑))
ロングライドをする為の軽いギヤをメインとしたドライブトレーン
ロードバイクらしい前傾姿勢をしっかりととれるハンドル回り
太いタイヤが入って荒れた道でも安心できるホイール
ヒルクライムもある程度はこなせるように軽さも多少は意識して組む事
シフトもブレーキもメカニカルにすること
って感じですかね。
バイクを買った段階で設計図を描いていたわけではなく、このバイクならこのパーツだよなって感覚で手持ちのパーツをメインに必要なものを買い足して、実際につけて走ってみたりしながらできるだけ違和感のない組み合わせにしていく事で体力の少ない私でも長距離を走れるバイクに仕上がっていきます。
家に眠っていたカンパのクランクとオーシンメトリックを入れたかったのですが、8sのクラリスでは無理なく動作していたものの、12sのSレコのFDに変えて動かしてみると、どうにもなりませんでした。
その為、実際に現在は第二案の48×34のROTORが入ったパワーメーターにしてあります。
想定内ではありますが、あのパーツが日の目を見る日が来る気がしない。
特に奇抜なカスタムだったのでトライ&エラーです。買ったのはいいけど使わないで自宅に眠っているパーツは結構あります。いつか日の目を見るのを信じて色々と試しています。特にサドルとタイヤとチェーンリングは家にたくさん転がっています。。。
カスタムにおいて失敗をする事を恐れてはいけません。例えばサドルを例に新しく買ったサドルがどのぐらいでどんな感じで使うと痛いのかという検証をしないと、いつまでたっても自分に合うサドルを見つける事はできません。こういう感じで痛いってことはこういう形状のサドルを試せばいいのかなという経験値をえる事はお金には代えられない経験になると思いますよ。
楕円チェーンリングも特にオーシンメトリックぐらいのドギツイチェーンリングはそもそもどんなにがんばってもコンポとフレームの相性によっては調整がうまくいかない事もあります。
そういう場合は諦めるという選択肢を取らざるを得ないです。私も二晩頑張りましたが、10年前からの楕円経験値からこれは無理だと判断しました。
というわけでなんだかんだ2カ月近くかけて徐々にカスタムしていった私のDOMANE AL2 DISCですが、いったんの完成を迎えました。
希望通りのパーツが組み込まれ、このバイクを作った動機にもなった、「とある峠」に走りに行きました。
もしかしたら思っていたバイクとは違っていたかもしれないので自身の希望通りの走りを実現しているか検証をするのが最終段階になります。
もしここで思っていた感触が得られなければ、またカスタムパーツを選んだりする日々に戻っていきます。
普通にキツイオンロードの峠道
踏み慣らされてはいるけど未舗装の砂利道林道
軽井沢の浅間山をグルっと回る山岳ライドコースを走りつつ、とある峠「コマクサ峠」という2000mオーバーの峠を登ってその向こうがグラベルの林道となっています。
ここに来るために企画されたこのオールロードプロジェクト(仮)
最高の眺めと、浅く踏み固められた丁度いい砂利道。グラベルロードで来るほどの難易度の砂利でもないので32cのロードタイヤなら一番楽しいだろうなと思って想像しながらバイクを組み上げていきましたが、、、
完璧!!
最高!!
ヒルクライム性能としては
車体の重量はペダル付きで8.75kgぐらいまでは落とせました。
超軽量とはいきませんが、剛性の低いアルミフレームにカーボンディープホイールで剛性をバランスとり登りも無理なくこなせるだけのスペックに仕上げて、11-34tの1倍のギヤ比になるスプロケットも装備してゆっくり登りをこなす事で暑い中でもなんとかはなりました。
下りはEQUALブレーキの性能の高さに助けられ油圧ディスクとそこまで劣ることない制動力で安全に下ってこれます。
グラベルの走破性に関しても、今回のコマクサ峠は観光地があるので普通にプリウスとか抜けていくような整備されたグラベル峠なので、32cのロードタイヤが私のグラベル熟練度的にも最適でマージンをかなり残しながら走れるぐらいには楽しく走れました。
ポジションに関してはずっとヒルクライムかダウンヒルかというコースだったのでよくわからないですが、とりあえず問題は無さそうです。むしろ楽かも。
当然スペックを上げるためには速くするというカスタムは必須です。いくら快適でも速く走れないロードバイクは長い距離を走れません。
速くする方向のカスタムに関しては、剛性をあげるというのが大前提になります。
今回も速くするためにホイールをメインに色々と剛性をあげる為のカスタムを行いました。
基本的にカスタムの際に剛性を決める私の考え方で
「フレーム×ホイール+パーツ」で剛性を考えます。
今回フレームはエントリーモデルのアルミフレームで、「剛性は低い」フレームです。
そのフレームに「剛性の高い」SCOPE R4Dホイールを組み合わせる事でフレームでは力をある程度失うものの、ホイールでの減衰を減らして推進力を得られる上に、平地の巡行で多少のエアロの向上、見た目の向上と様々な走行性能の向上を得られました。
また、リムの内幅も21mmの少しワイドなリムなので30c以上のタイヤを入れる事に適している為ベストなチョイスだと思っています。
パーツに関しては、ハンドルは軽量なアルミモデル、シートポストがカーボンの乗り心地がメチャメチャいいやつ、サドルはワイドサドルで圧力を分散する事を重視。勿論タイヤも32cTLRで乗り心地と安定性を重視しつつ、GP5000STRという高速走行に最適なタイヤなので平地やダウンヒルでの速さ、安定性も向上。
クランクやペダルはしっかりしたやつなので、そこでのロスは他のバイク同様最小限になっています。
もし、レースバイクを作るならこっちの話がメインになってきますね。
この考え方はバラ完のパーツ選定の考え方でも有効です。
全て剛性の高いパーツで組み合わせると、もちろん速くなりますが、剛性が上がる程必要な走力が上がっていきます。
走力が十分でないなら剛性が高くなり過ぎないようにフレームの剛性を落とすか、ホイールの剛性を落とすかという二択となりますが、ホイールの剛性はハイトを低くすることで下げるというのが一般的です。その逆で剛性を上げたいならリムハイトを高くすることで剛性は上がります。あとは重量との相談です。
最終的にたどり着くのは失敗の積み重ねによる、消去法から導き出される「この辺りが正解かなっていう感覚」。
失敗の数が多ければ正解であろう範囲を狭くしていくことができるようになって、なんとなく正解ッポイものが予想できるようになってきます。
楽しいですよ。
明確な正解は無いので、常に新しい発見です。
昨日信じていた事が明日には覆っている事なんていくらでもあります。
タイヤが太くなる方が良いなんて10年前は全く思いませんでしたからね。
ディスクブレーキになってカスタムっていう概念も結構変わったとも思いますし、フレームの規格が変わればホイールの選び方とか、剛性にまつわる話も全然違う事を言うかもしれません。(私がね)
できるだけ知識を新しい情報にアップデートして、新しい機材を受け入れて、新しいものを否定しないという事が大事ですよ。
SUPER RECORD12s(唯一12sの機械式変速)
SCOPE R4D(剛性の高いオールラウンドなセミディープリム)
ROTOR 48×34(ロングライドに最適な私の最適解)
EQUALブレーキ(自他共に認める最強の機械式ブレーキ)
ステムBONTRAGER(私のバイクは基本的にこのステム)
ハンドルFIZIKのスネーク(このバイクでポジションを出すためにちょっとだけドロップの深いハンドル)
という感じです。
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